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2017年10月29日

論理文法に見るファジィらしさ4

 修飾語の分析例として、GPSGの枠組みで構成性(フレーゲ原理)を維持するために、イディオムの一部に修飾語を付加することができるかどうか自身で試みたことがある。但し、本書では、論理文法の歴史に従って、構成性を強く意識することはない。条件文やテキストを扱うために、中間処理を意識する方向で理論が展開していくためである。GPSGは、統語論に文脈自由の句構造文法を、そして意味論にMontague 文法を採用した世界的に有名な言語理論である。ここでの問題点は、例文にあるように、形容詞 leibhaftig の形態統語的な修飾は、確かに 名詞 Hund に掛かっているが、意味的な修飾は、この名詞ではなく動詞となるというものである。

a. auf den Hund kommen.
b. auf den leibhaftigen Hunf kommen.

 それ故、本書では、leibhaftig をファジィ論理でいう一種のヘッジとして扱い、さらに、イディオム自体もヘッジと見なすことができるという立場でこの問題を処理している(イディオムの原理)。その理由は、慣用句がイゾト ピー(同位元素性)のようなテキスト内の様相パラメータを特別な方法で識別することができると考えているためである。
 HPSG をツールとした他のイディオム分析に Erbach and Krenn (1993) がある。コロケーシヨンを前提にイディオムが議論されているが、特に、量化の内容の中で記述した数量詞継承原理(Quantifier Inheritance Principle (QIP)) がイディオム分析の鍵となっている。
 まず、全体の表現の特性と見なされるイディオムは、分析不能として分類され、一方、部分的な修飾や指示的な使用が可能なためイディオムの一部に意味が割り当てられるべきものは、隠喩的として分類されています。

c. auf den Löffel abgeben.(さじを投ける、つまり、あきらめる)(分析不能)
d. in den sauce Apfel beißen. (嫌な仕事をする)(隠喩的)

c は、直接意味が割り当てられている。d は、「嫌な仕事」とden sauce Apfel (アップルソース)間および「行う」と beißen (嚙む)の間に一種の連結を作ることで理解される。
 次に、受動化や修飾といったイディオムの統語特性が取り上げられている。通常、VPを形成するイディオムは、受動化が可能だが、それによってイディオムの意味合いが薄れることがある。

e. Hans gibt den Löffel ab.
f. Der Löffel wurde von Hans abgegeben. (イデイオム性は薄れる)

修飾が可能な場合(例えば、sprichwörterlich (諺の))も、イディオム性 が薄れるようである。

g. Er gab den sprichwörterliclien Löffel ab. (イディオム性は薄れる)

逆に、隠喩的なイディオムの構成要素が修飾されても、イディオムの意味合いは薄れない。

h. Hans macht große Augen. (じろじろ見る)
i. Hans macht ganz große Augen.

つまり、Erbach and Krenn (1993) は、統語特性の計算はできても、構成要素の意味を結合する通常の関数では、意味特性の計算はできないと述べ ている。
 そこで、QIP を修正していく。分析不能なイディオム(例えば、die Leviten lesen (きつく叱る))に含まれている固定要素の die Leviten は、ユダヤ教の聖典(旧約聖書レビ記)と一種の意味関係を持っていると連想するであろう。しかし、これは、イディオムを理解する上で言語外的なことである。QIP は、意味の役割を担っていない場合でも、量化表現がリストに記述されなければならないことを義務づけている。それ故、 こうしたイディオムを語彙登録する場合、固定要素 die Leviten の意味を無視できるように、意味の役割は担っていないということを数量詞のリ ストに追記していく。

QIP
 句の接点の QUANTIFIER-STORE (QSTORE) 値は、その接点で検索される数量詞以外で意味の役割を担う娘の QSOTRE 値を結合したものになる。

 隠喩的なイディオム(ins Fettnäpfchen treten (うっかりしたことを言っ て嫌われる))についても、修正が必要である。但し、この場合は、主要部の語彙素が Fettnäpfchen であるということを指定すればよい。つま り、数、限定、量化に関して制限がないため、量化や修飾が掛かる固定要素に対して独立した意味を割り当てることになる。例えば、 Fettnäpfchen の場合は、treten 以外の動詞とも結びつくためである。 (Erbach and Krenn (1993))。そのため、固定要素に量化とか修飾が可能なイディオムは、個々の構成要素(Fettnäpfchenとtreten)に転用される意味を割り当てて、それらの意味を構成的に結びつけるように処理していく。

j. Sie muß in jeaes diplomatische rettnapfcnen treten.
(彼女は、外交面でくだらないことを言って嫌われるに違いない。)

k. In welcnes Fettnäpfchen wird sie diesmal treten?
(今回、彼女はどんなくだらないことを言うのだろう。)

l. Sie läßt kein Fettnäpfchen aus.
(彼女は、油の入った鉢を取り除かない。)

花村嘉英(2005)「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」より

2017年10月28日

論理文法に見るファジィらしさ3

 量化と同様に、修飾の問題も論理文法においてしばしば取り上げられる。ここでは、名詞を修飾す
る形容詞がテーマになる。また、それと関連してイディオムの内部を修飾する形容詞、例えば、“auf den leibhaftigen Hund kommen” の “leibhaftig” についても検討しますが、これは、フレー ゲの構成性原理がポイントになる。
 ここでは、修飾語のうち、特に名詞を修飾するまたはイディオムの一部を修飾する形容詞が議論の対象になる。まず、付加的な形容詞 「青い」の語彙登録に関するローカルな値の処理を見てみよう。指標の制限が形容詞からなる psoa と N ’主要部の名詞からなる psoa を含んだ N' を形成するために、名詞の構成要素N' と結合することになる。しばしば議論になるが、色彩用語は、その値自体が目盛りを固定する隠れたパラメータになることがある。ここでは、「青さ」を決定する尺度がそれに当たる。つまり、「青い」という関係が、付加的な役割 (STANDARD) を持っていて、その値は、文脈上で決まる特徴であり、「青さ」を決定するための標準を提供してくれる。これにより次のような形容詞に対して制約を設けることが可能になる。

a. Das ist ein schönes Fenster.
b. Ein schöner Anzug ist teuer.

 これらは、修飾する名詞と関連した特徴を変数とする関数として処理されるべきである。この立場に立つと、例えば、 “schön X”の内容は、Xの意味にかなり依存することになる。
 しかし、次のように、「美しい」の標準が、修飾される名詞(肋骨) によって決まらないことがある。

Hans Castorp wurde im Berghof hier oben geröntigt. Dadurch sah er zuerst eine schöne Rippe.

 重要な特徴(レントゲン写真)は、むしろ前述の文脈によって提供されると考えた方が自然である。標準 (STANDARD な属性値としての役割を果たすパラメータのアンカー)は、 修飾される名詞の特徴(関係)によって決まる一方、文脈に依存する場合もあるということになる。
 “angeblich” のような形容詞は、“angeblich X” が、“X” である必要がないという理由から制約と一致しないように見える。この場合、名詞の制約は、“angeblich” な関係の変数として挿入される。 そして、
“angeblicher Täter” のような N’ の内容は、nom-obj になる。この種の名詞により言及される個人は、文脈上決まるある個人が、実際に犯罪者でなくても、犯罪者であると主張したという 条件によってのみ成立するからである。

花村嘉英(2005)「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」より

2017年10月27日

論理文法に見るファジィらしさ2

 Montague の PTQ に代表されるように、量化の問題 は、論理文法においてこれまで頻繁に扱われてきた。 例えば、パージングとシュガーリング、断片的なドイツ語の文法および直感主義論理によるドイツ語の文法などである。ここでは、HPSG が採用する状況意味論に基づいた量化に関する平易な意味分析を紹介する。
 HPSG が採用しているAVM (attribute-value matrix) を使用して、量化の意味分析の例を紹介する。例文 “Ich erkläre einen Roman”(長編小説を説明する)には、素性構造と同様に統語情報として範疇や数または人称の一致などが存在し、そこに意味情報として文脈に依存する要素が重なっていく。
 まず注目したいことは、意味の原理とAVM が矛盾している点である。SのCONTENT値が、主要部の娘(VP)の値と一 致しないためである。そこで、QSTORE値とCONTENT値を関連づける原理を改訂しなければならない。BACKGROUND の素性値である psoa (parametrized state of affairs) の素性構造の表記を再度検討してみよう。内部構造を持つ psoa と古い psoa および qpsoa を交換する。 違いは、量化の情報が非量化のNUCLEUS から分離している点である。 QUANTS の値は、数量詞のリストであり、NUCLEUSの値は、量化自由 の psoa (qfpsoa) と呼ばれるものである。“Ich erkläre einen Roman” の CONTENTは、次のように分析され、タグ [4] は、数量詞となる。

QUANT[4]
NUCLEUS RELATION erkläre / ERKLAERER [2] [1st, sing] / ERKLAERT [3]
qfpsoa
psoa

 QSTOREとQUANTS 間の関係に制約を加える原理は、数量詞に対してスコープの割り当てを保証してくれる。タグ[4] は数量詞で、数量詞を他のアスペクトから切り離すと、残りの情報は、主要部の娘の NUCLEUS値と一致する。
 主要部一付加語構造では、付加語の娘が親の CONTENT 値を決定し、それ以外の場合は、主要部の娘が決定することになる。例えば、意味の主要部の CONTENT が psoa かどうかによって二分されると、親と意味の主要部間で NUCLEUS だけが特定される点が鍵になる。RETRIEVED-QUANTIFIERS と呼ばれる新しい属性が導入されると、検索された数量詞が正確に調べられるといった効果が出る。これらは、数量詞継承の原理、解釈範囲の原理と呼ばれている。こうして、矛盾があった意味の原理は、修復される。
 Pollard and Sag (1994) は、次のような例文を引いて、数量詞に関する制約をさらに課していく(数量詞束縛条件)。 これは、CONTENT値に関する広範な適格条件であり、次のように定義される。

a. One or her i students approached [each teacher] i.
b. The picture of himself i in his office delighted [each director] i.
c. [Each man] i talks to a friend of his i.

 定義:CONTENT値内に含まれた数量詞を前提として、数量詞の指標の CONTENT 値における都度の出現が、その数量詞によって捉えられなければならない。
 ここで注意すべきことは、数量詞が CONTENT 値内で出現する場所だけを、QUANTSリスト上に示していることである。但し、QUANTS リスト上にある数量詞は、指標の出現が、1) 数量詞の制限内にある、2) 同じQUANTSリスト上にある問題の数量詞の右側に現れる他の数量詞内にある、3) 問題となっている psoa のNUCLEUS 内にあるという条件付きとなる。つまり、論理形式の統語論によって意味の一般化を捉えようとする。それは、モデル理論の CONTENT 値の解釈が、制約の必要性を削減してくれるからである。条件を満たさない数量詞を含む CONTENTは、HPSG において単に解釈の対象外となっている。

花村嘉英(2005)「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」より

論理文法に見るファジィらしさ1

 ここでは、HPSGが採用する記号のシステムと Montague文法を中心とした論理文法の小史が議論の対象となる。特に、テキストのダイナミズムの扱い方を問題にする際、状況意味論、パージング・シュガーリングそして直感主義論理などをベースにして、単語や句または文章を扱いながら、論理文法を実際のテキストとマージしていく。まず、Pollard and Sag (1994) の第1章よりHPSGの記号シス テムを説明する。統語論、意味論および音韻論のマージを目指したCarl PollardとIvan A. Sagの心意気が読み取れることであろう。
 HPSGの記号のシステムについて説明する。例えば、ドイツ語の人称代名詞 er を HPSG の素性構造によって表記してみよう。
 HPSGが採用する素性構造は、分類型である。各接点は、分類記号(synsemやlocalなど)によるラベルを持っており、枝分かれの方向を示す属性ラベル(PHONやSYNSEM)も存在する。さらに、 AVM (attribute-value matrix) が採用されているため、全体的にも部分的にも分類が把握しやすくなっている。例えば、LOCALだけを抽出して言語表現を考察することもできる。
 SYNSEMは、SYNTAXとSEMANTICSとういう2つの属性からなる複合情報である。SYNSEMは、例えば、補文の主語やto不定詞句の支配語が共有する情報を含むることから、特定の複合表現を単一表現に局所化する必要ができる。それが、LOCAL(LOC)である。この情報には、 CATEGORY (CAT)、CONTENT (CONT)、CONTEXT (CONX)という 3つ の属性が存在する。CATは、HEADとSUBCATという属性を含んでいる。
 HEADの値には、substantive (subst)と functional (fimct)が存在する。前者 には、名詞(noun)、動詞(verb)、形容詞(adjective)、前置詞(preposition)が、 後者には、限定子(determiner) やマーカー(complimentizer) が含まれる。名詞は、格(CASE)の素性を、前置詞は、前置詞の書式 (PFORM) を、動詞は、ブール素性(AUXILIARY (AUX)、PREDICATIVE (PRD))、置換 (INVERTED (INV)) といった属性 VFORM を持つ。SUBCATの値は、記号のバランスを示唆するもので、問題の記号が飽和状態を作る上で他にどのような記号と結合すればよいのかという指定になる。例えば、格の割り当てである。
 CONTは、INDEXと呼ばれる属性を担う nominal object (nom-obj) とい う素性構造である。“er rasiert sich”「彼は髭を剃る」という文の場合、er と sich は構造上のインデックスを共有する。“er” の CONTENT 値は personal pronoun (ppro)、“sich” の CONTENT 値は reflexive (refl) になる。この属性は、特に呼応(agreement) の問題で重要になる。さらに、意味上の制約を表すために、RESTICTION 属性を設けている。これは、バラメ 一夕寒象(parametrized state of affairs (psoa)) を考慮するためのものである。
 CONXは、BACKGROUND (BACKR)と呼ばれる context 属性を持っている。これも psoa に対応する。しかし、CONTENT値が文字通りの意味と関連するのに対して、BACKGROUND 値の方は、前提条件に対応するア ンカー条件を表している。例えば、上図の “er” は、男性を受けることが前提となっている。
 nelist (nonempty list) と elist (empty list) は、一種の素性構造である。前者には、FIRSTとRESTという二つの属性が指定される一方、後者にはいかなる属性ラベルも適応されない。また、e は、モデル化するための接点を導くものであり、便宜上、ε が存在する場合、neset ラベルを、存在しない場合、eset ラベルを担うことになる。
 HPSG の音韻論について簡単に説明する。HPSG の PHON の値は、音素の連鎖と見なされている。一般的に HPSG のような記号ベースの理論は、制限の強い音韻論を採用する。例えば、記号には音韻論と意味属性が内在しており、それらを分散するために統語属性が制限を課していくと考えている。
 各接点の属性値は、娘の属性値にとって関数となっている。これは、 範疇文法に基づいた音韻論と同様に、一 種の構成性原理を採用している。
 記号は、音韻の内容、分散するための統語的な特徴そして意味への貢献といった少なくとも3つの次元で変化している。そして、より大きな記号を形成するために別の記号と結合していく。 また、文法組織は、形態素の貯蔵庫といえるレキシコンのために存在し、 形態素の構造に対する制限は、レキシコンに関する一般化と見なすことができる。つまり、レキシコンに関する一般化が、形態素として生じる記号に応用される。
 論理文法には、自然言語と論理言語をつなぐための役割がある。また、 小説には必ず、様相、時間、存在といった推論と共有可能な情報が存在する。本書の目的は、とある作家(ここではThomas Mann) の文体がどのような推論なのかを考えていくことである。こうした言語の裏側に存在する推論を捉えるこができれば、緩衝材(ここでは PTQ など)を介して、人間とコンピュータの間に立てるロジックの方向性を決めることができる(ここではFuzzy Logic)。
 まずポイントになるのが、Richard Montague の PTQ (The Proper Treatment of Quantification in Ordinaiy English)。夕イトルにもあるように、 PTQ は、量化の問題を取り上げ、自然言語と論理言語の翻訳技法について扱っ ている。PTQは、生成文法との整合性も良く(詳細にっいては、GPSG を参照すること)、この手法を概ね理解することができれば、英語の基本表現を基にした分析樹から内包論理への変換方法と、分析樹から簡単な英語の文へのシュガーリングという二重構造も理解できる。なお、シュガーリングは、パージングと逆のプロセスになる。
 次に、直感主義論理を取り上げる。直感主義論理は、PTQ のような二重構造ではなく、シュガーリング と意味解釈に対する表現の形式化が存在するだけである。直感主義もやはり量化の問題について古典的な二値論理では対応できないという立場を取る。確かにタイプ理論が重要な役割を果たす。しかし、PTQ が考察した量化と照応だけではなく、条件文から文脈に依存するテキストのダイナミズムも視野に入れるため、本論では、PTQと類似した構造を持っMartin-Löf のタイプ理論を採用する。
 直感主義論理と同様に、ファジィ論理は多値論理の系列に属している。 1960年代前半、Zadehは、厳密な数学と曖昧な現実との矛盾に橋渡しをすべく、真理値だけではなく概念に対しても曖昧な値を導入することに成功した。こうして産声を上げたファジィ理論は、システム系の理論として成長しつつ、言語系の研究者にも注目されるようになっていく。本書では、テキストの情報を処理するために最低限必要と思われる概念、 例えば、ファジイ集合、ファジイ論理、曖昧な数字そしてファジイコン トロールなどを「魔の山」に重ねて説明していく。そして、推論の土台となる記憶や知識の問題と話を照合しつつ、「魔の山」におけるイロニ 一的な距離の問題を音の情報も含めて考察する。つまり、本書における結論は、Thomas Mannのイロニーを形式論で記述する場合、ファジ イ推論を選択することが現状ではベストであるということになる。

花村嘉英(2005)「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」より

2017年10月20日

フォーマットのシフト15ーモンターギュ文法のシュガーリング

(46) Die Hilfsregelungen
(REFL) C (a, a) > C (a, REFL (A)) für C: (A) (A) prop atomic.
(M) für jedes atomares C und Variable x,
C(d (p * x))>C(d (Mx))
C (d (p * x), b) > C (d (Mx), b)
C (a, d (p * x)) > C (a, d (Mx)), wenn a kein Mx enthält;
p * x ist irgendein x, p (x), p (p (x)) und d (c) ist c, Vetter (c), Mutter (Vetter (c)).

Die Regelung (M) erzeugt z.B.,

schlafen (x) > schlafen (Mx);
lieben (Vetter (p (x)), p (x)) > lieben (Vetter (Mx), p (x));
verwenden (p (q (x)), p (x)) > verwenden (p (q (x)), Mx).
(SPECTRUM) C (a) > C (a {PRON (A), die-N (A)}) für C: (A)α.

Die Operationen S und N.
(THERE) S (A) > es_ist_INDEF-N (A).

(Q) S((肺:A)B)>
S (B [{INDEF-N (A), ein-N (A), ein gewisses N (A)} / Mx])
S ((Πx: A) B) >
S (B [{jedes-N (A), ein-N (A), jedes-N(A)} / Mx])
wenn es ein Mk in B gibt.
(C) S ((肺: A) B) > (S (A))_und_(S(B))
S (Πx: A) B) > wenn_(S(A))_(S(A))_(S(B))
(R) N ((肺: A) B) > (N (A)) - REL (x: A) - (S(B))

(N0) N(C) > C
(VI) S (C (a)) > a_VF (C)
(V2) S (C (a, b)) > a_VF (C) _ACC (b)
(Al) S (C (a)) > a_VF (sein) _C
(T0) c > c
(T1) c (a) > GEN (a, c)

Die Sugaringsregelungen nehmen die morphologischen Operatoren VF (verb form), ACC (accusative), GEN (genetive), INDEF (indifinite article), PRON (personal pronoun of type A), INDEF-A (“A” preceded by “a” or “an”),PRON (A) (personal pronoun of type A) und REL (x: A) (relative pronoun).
 Die Pronomen und die Phrasen haben ähnliche Quasikategorisierungen.

(47)
PRON < (X) (x) x: (X: set) (X) X,
the < (X) (x) X: (X: set) (X) X.

Hier handelt es sich darum, zu illustrieren, wie der abhängige Bereich der Anapher erzeugt wird. Die Proposition "verwenden" (p(z), p(q(z))), die im Kontext “z: (肺: Mann) (輩: Bleistift) besitzen (x, y)"> geformt wird, enthält freie Erscheinungen der Variable z, die ein Objekt im Kontext erwähnt. Kraft der Propositionen wie Typentheorie werden die Abhängigkeit der Anapher und die Präsuppositionen in solchem Sinn bewertet, daß man die Wahrheit einer gegebenen Propositionen präsupponieren kann, um eine weitere Proposition zu formen.

(48) B: prop (A: true) bedeutet B: prop (x: A).

 Um ein Text darzustellen, wird es schon erklärt, daß die volle Darstellung eines indikativen Satzes keine Proposition, sondern ein Urteil der Form a: A ist. Für einen gegebenen indikativen Satz kann der Beweis im allgemeinen als keine Konstante, sondern als eine Variable wieder hergestellt werden. Das Text wird als das Kontext der folgenden Form dargestellt.

(49) x1:A1,...,xn:An,

wo jede Proposition Ak abhängig vom vorausgehenden Kontext ist. Die intuitionistische Logik nimmt diesen Weg an, um die Dynamischheit eines Textes zu behandeln.

花村嘉英(2005)「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」より

2017年10月19日

フォーマットのシフト14ーモンターギュ文法のシュガーリング

(40)
a. Kategorisieren Sie, was Sie können.
b. Kategorisieren Sie nicht, was Sie nicht können.
c. Kategorisieren Sie quasi gleichbedeutend, was Sie können.

 (40)a fordert, daß viele deutschen Ausdrücke den typentheoretischen Bedeutungen direkt zugewiesen werden. Aber wenn die Kategorisierungen auch ihre ontologische Lesarten haben, muß man den vollen typentheoretischen Sinn jeder kategorisierten Ausdrücke haben können. Das führt zum zweiten Prinzip (40)b, das die Kategorisierung der deutschen Quantoren “irgendein”,“jeder” und “manch” ausschließt, weil diese Wörter nicht immer verwendet werden können, um zu beschreiben, was “Π" und “" ausdrücken.

(41)
jeder: (X: set) ((X) prop) prop,
jeder: Π: (X: set) ((X) prop) prop.

Hier kann man den Sugaringsprozeß von (42) zu (43) verwenden, indem ajeder Patient” durch “X” substituiert wird.

(42) (jeder x: Patient) (weggehen (x) ⊃ Behrens ist froh).

(43) Wenn jeder Patient weggeht, ist Behrens froh.

Aber wenn das deutsche Wort “jeder” einen starken Sinn hat, kann der Sugaringsprozeß keine Bedeutung erhalten. Es handelt sich um den Prozeß von Π.
 Es gibt einen schwachen Sinn, in dem "jeder" eine einzigartige Bedeutung hat. Für "jeder" ist er Π, während der unbestimmte Artikel "ein" in gleicher Weise hat. Die Eigenschaften der Sugaringsregelungen werden durch die Quasikategorisierungen ausgedrückt.

(44)
jeder < Π: (X: set) ((X) prop) prop,
INDEF < : (X: set) ((X) prop) prop.

Wenn ein Ausdruck quasikategorisiert wird, wird immer für die unbestimmte Artikel erzeugt, weil eine Parsingsregelung sie in der gleichenförmigen Weise behandeln kann (siehe (40)c).
 Hier wird das Lexikon eingefiihrt. Die Terminologien sind ein Substantiv, ein Verb und ein Adjektiv und deuten die Ausdrücke für die Menge, die propositionale Funktion und die Funktion an, die ein Individum als den Wert bestimmt. Die lexikalischen Einträge zeigen auch die Sugaringsmuster N0, V1 und V2 usw.

(45)
Mann: Menge von N0
schlafen: (Mann) prop von V1
besitzen: (Mann) (Bleistift) prop von V2
jung: (Mann) prop von A1
Joachim: Mann von T0
Vetter: (Mann) Mann von T1.

Das Lexikon fordert, daß man die Menge “Mann” und die Funktion “schlafen” in einer angemessenen Weise definiert. Die typentheoretische Sprache wird nicht interpretiert wie die intensionale Logik in PTQ. Allerdings enthält das Lexikon die Operatoren , Π, pair, λ, p, q and pq in (32), (33), (34) und (35).
 Zudem werden noch zwei Operationen S und N definiert, die die propositionalen Ausdrücke der Typentheorien in der niedrigeren Ebene als die Argumente nehmen und sie in die Sätze und die Substantive zurückgeben. Zum Beispiel gibt es keinen Weg, der N ((Πx: A)B) ausführt. Wenn der Sugaringsprozeß zum Form weitergeht, muß man einen Weg finden, in dem S ((Πx: A)B) erscheint.
 Es handelt sich um das System der Sugaringsregelungen, das ein kleines Fragment (für die Hilfsregelungen) erzeugt. Die Bezeichnung [E/F] weist auf der Substitution des Ausdrucks E durch den Ausdruck F hin. Der Skopus ist der vorgehende Ausdruck, der durch die Klammern abgegrenzt wird. Die Bezeichnung {E, F, G} weist darauf hin, daß E, F und G alternativ sind.

花村嘉英(2005)「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」より


フォーマットのシフト13ーモンターギュ文法のシュガーリング

 Wollen wir hier die intuitionistische Grammatik für das deutsche Fragment betrachten. Die Grammatik besteht aus manchen Komponenten. Zuerst das Lexion, das den grundlegenden Ausdrücken die Kategorie zuweist. Ferner die kategoriale Grammatik, die aus den Regelungen der intuitionistischen und typentheoretischen Formalismus besteht. Schließlich die Sugaringsregelungen, durch die sich die Ausdrücke des Formalismus zu den deutschen Wörtern verwandeln können.
 Die Sugaringsregelungen sind überhaupt nicht eins zu eins. Im allgemeinen kann ein formaler Ausdruck durch die Sugaringsregelungen in viele alternativen deutschen Ausdrücke bearbeitet werden. Einerseits gibt es gleichbedeutende Ausdrücke. Andererseits gibt es ambige Ausdrücke. Es ist doch zu bemerken, daß das Synonym keine äquivalente Beziehung zwischen deutschen Sätzen ist, weil es folgende Beispiele geben mag.

(36)
F>E und F>E', aber nicht F>EW'';
F'>E' und F'>E'', aber nicht F'>E.

E und E' sind gleichbedeutend, und E' und E'' sind auch so, aber E und E'' sind nicht so.

(37)
F = (肺: Frau) (Πy: Mann) lieben (x, y).
F’ = (Πy: Mann) (肺: Frau) lieben (x, y).
E = Hier ist eine Frau, die jeden Mann liebt.
E' = Eine Frau liebt jeden Mann.
E'' = Wenn ein Mann hier ist, ist eine Frau da, das ihn liebt.

(38)
Lexikon → Formalismus  → Deutsch
Kategoriale Grammatik  Sugaring

 Die Grammatik (38) kann mit der Struktur der PTQ Grammatik vergleicht werden. Die syntaktischen Regelungen der Montague Grammatik spielen eine Doppelrolle wie (i) Verbindung der grundlegenden Ausdrücke mit den Analysenbäumen und (ii) "Sugaring" der Analysenbäume ins einfache Deutsch.

(39)
        S-Regelungen (i)  S-Regelungen (ii)
Grundlegende Ausdrücke  → Analysenbäume →  Deutsch
               ↓  
  Übersetzung   Intensionale Logik

 Der Unterschied besteht darin, daß es nur einen Formalismus gibt, der auf den Sugaringsregelungen und den Bedeutungsausdrücken beruht. Wenn ein logischer Formalismus als die Grundlage der Erzeugung der deutschen Sätze verwendet wird, kann die Erzeugung die effektiven semantischen Bedingungen der Wohlgeformtheit bilden.

花村嘉英(2005)「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」より

2017年10月18日

フォーマットのシフト12ーモンターギュ文法のシュガーリング

 Die einfache Typentheorie ist überhaupt nicht genug für die formale Sprache. Um sie vollständig zu formalisieren, ist die reichere Typentheorie gebraucht. Wollen wir die folgenden Urteile betrachten.

(31)
Urteil α: type, α=ß: type, a: α, a=b: α  
Welche Voraussetzungen -, α:type, ß: type. α: type, α: type, a: α, b: α           
bedeutet daß α ist eine Type, α und ß sind gleiche Typen, a ist ein Objekt von α, a und b sind gleiche Objekte von a.

 Alle Urteile können unter Hypothesen (x: α) gemacht werden, die den Variablen die Typen zuweisen. Ein Kontext ist eine Folge der Hypothesen, deren Form x1:α,...,xn:α ist. Wenn ein Urteil J im Kontext gemacht wird, mögen Variable x1,...,xn in J frei erscheinen. Wenn ein Urteil J im Kontext gemacht wird und Konstanten a1: α1,...,an:αn (a1,...,an-1/x1,...,xn-1) durch Variablen x1,...,xn in J substituiert werden, ist ein Urteil unabhängig vom Kontext.
 Wollen wir weiter und Π auf dem höheren Niveau betrachten. Die Type "prop" einer Proposition wird eingeführt (prop: type und prop = set: type). ist ein Operator, der als das Argument eine Menge und eine propositionale Funktion nimmt, die auf der Menge definiert wird und eine Proposition herausbringt.

(32) : (X:set)((X) prop) prop.

Die Syntax des höheren Niveaus ist (A, B), wo A:set und B:(A) prop eingesetzt werden. Wenn ein Element von (A, B) durch das Operator "pair" geformt wird, sind ein Element a: A und ein Beweis von B(a) gebraucht.

(33) pair: (X:set)(Y: (X)prop)(x:X)(Y(x))(X,Y).

 Die Projektionen (p und q), die ein Element von A und einen Beweis von B(p(c)) durch einen Beweis c:(A, B) erzeugen, werden in (34) eingeführt. Allerdings sind sie nicht kanonisch.

(34)
p: (X:set)(Y: (X) prop)(z:(X,Y))X;
q: (X:set)(Y: (X) prop)(z:(X,Y))Y(p(X,Y,z)).

 Π ist die gleiche Type wie . Aber die monomorphische λ-Abstraktion und das ap-Operator werden eingeführt, um die monomorphische Regelungen aus der Zuweisung der Kategorien abzuleiten. Die Regelungen entsprechen den polymorphischen Typentheorien, die Matin-Löf darstellte. Diese Operatoren wie , Π, pair, λ, p, q und ap werden im Lexikon der deutschen Grammatik enthalten.

(35)
Π: (X:set)((X) prop) prop;
λ: (X:set)(Y: (X) prop)((x:X)Y) Π(X:Y);
ap: (X:set)(Y: (X)prop)(Π(X:Y))(x:X) Y(x).

花村嘉英(2005)「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」より

フォーマットのシフト11ーモンターギュ文法のシュガーリング

(23)
Urteil Wo bedeutet daß

A: prop - A ist eine Proposition.
A=B: prop A: prop, B: prop A und B sind gleiche Propositionen.
a: A A: prop a ist ein Beweis von A.
a=b: A A: prop, a: A, b: A a und b sind gleiche Beweise von A.

 Der Urteil einer Form "A ist eine wohlgeformte Formel" entspricht der Form "A: prop” und der Urteil einer Form “A ist wahr” entspricht der Form “a: A”. Allerdings muß der Beweis für die Formalisierung einer Folge der Sätzen explizit gemacht werden.

(24) Ein Mann keucht.

wird formalisiert wie folgt.

(25) (肺: Mann) keuchen (x).

Das entspricht der Formel der Prädikatenrechnungen wie (26).

(26) (∃x)(Mann (x) & keuchen (x)).

Der große Bereich kann auch verwendet werden.

(27) (肺: D)(Mann (x) & keuchen (x)).

Solche Form ist allerdings für die richtige Formalisierung der Ausdrürcke wie “jeder” und “meist” gebraucht.

(28) Jeder Mann keucht.

(29) (Πx: Mann) keuchen (x).

 Durch eine einfache Regelung (Q), die für "Sugaring" der quantifizierten Propositionen in die deutschen Sätze gegeben wird, und durch die Regelungen für “Sugaring” der atomaren Propositionen kann ein Satz (68) aus (69) abgeleitet werden. Die obengenannte Typentheorie ist polymorphisch.

(30) (Πx: Patient) (輩: Thermometer) besitzen (x, y)
> Jeder Patient besitzt einen Thermometer.

(30) ist ein Beispiel mit zwei Quantoren. Das Zeichen “>” zwischen zwei Ausdrücken wird als “can be sugared into” gelesen.

花村嘉英(2005)「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」より

2017年10月17日

フォーマットのシフト10ーモンターギュ文法のシュガーリング

 Die intuitionistische Logik wird in der Grammatik einer natürlichen Sprache kaum verwendet. Aber es handelt sich hier um die Formalisierung einer natürlichen Sprache in die mtuitionistische Logik, weil der intuitionistische Beweis so ähnlich dem Begrifl eines Computerprogramms ist. Ranta nimmt eine Grammatik eines englischen Fragments an, die ähnlich der Struktur von PTQ ist. Zuerst betrachtet Ranta die Quantoren und Anaphern, und dann diskutiert zusätzlich die Dynamischheit eines Textes.
 Ranta stellt auf Matin-Lör hin die intuitionistische Typentheorie vor. Die intuitionistische Typentheorie hat die Ausdrücke für Propositionen.

(22) (肺: A) B and (Πx: A) B.

 Die Ausdrücke entsprechen (∃x) und (∀x) in der Prädikatenrechnung,die im Bereich A interpretiert wird. Der Unterschied besteht darin, daß die Typentheorie einen Bereich und/oder einen Urteil (oder eine Behauptung) explizit macht. Die Typentheorie ist noch formaler als die Prädikatenrechnung. Der Bereich kann nur von der Interpretation verstanden werden. Der Urteil ist noch breiter in einem Skopus als die Proposition, die als ein Teil eines Urteils angesehen werden mag.

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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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