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2019年10月13日

エリアス・カネッティの「マラケシュの声」の相関関係について2

2 相関の作り方

 シナジーのメタファーのために作成しているデータベースは、データの種類で見ると、俗に言う測れないカテゴリーデータからなる。数量データといわれる身長、体重、気温、湿度などとは異なり、値が連続ではなく飛び飛びで離散的となる。前野(2012)によると、カテゴリーデータは、対象の性質を表したり、現象や区別を表したりする。性別、好き、嫌い、うまい、まずい、おもしろいなどあるものの性質や現象が示される。
 相関とは原因から結果が生じ、それが互いに関係しあっていることをいう。また、相関関係があるとは、ある測定値の変化に対して他の測定値も変化する場合に使われる。相関の強さは、ピアソンの相関係数で表す。合わせて共分散という統計用語が重要になる。 

(1) 共分散の公式
共分散=[(xの各データ−xの平均値)x(yの各データ−yの平均値)]の和/データ数
   =[(xの偏差)x(yの偏差)]の和/データ数
   = xとyの偏差積の和/データ数

正の相関があると0より大きく、負の相関があると0より小さくなる。

(2) 相関係数(ピアソン)
相関係数=XYの偏差平方和/√(Xの偏差平方和)x(Yの偏差平方和)

「旅人よ、汝スパ…にいたりなば」の問題解決の場面を使用して簡単な例を見てみよう。

花村嘉英(2019)「エリアス・カネッティの『マラケシュの声』の相関関係について」より

エリアス・カネッティの「マラケシュの声」の相関関係について1

1 先行研究

 エリアス・カネッティの「マラケシュの声」において作者がマラケシュの文化現象を説明する場面のデータベースから数字を取り既存の研究と照合すると、作者の五感分析と知的直観、即ち思弁が確認できる。
 この小論では、同じデータベースを使用して、相関関係を考察する。言語の認知のカラムは、五感1視覚、2その他、情報の認知のカラムは、人工知能1分析、2思弁である。

花村嘉英(2019)「エリアス・カネッティの『マラケシュの声』の相関関係について」より

エリアス・カネッティの「マラケシュの声」のバラツキについて7

3 まとめ
 
 リレーショナル・データベースの数字及びそこから求めた標準偏差により、「マラケシュの声」に関して部分的ではあるが、既存の分析例が説明できている。従って、この小論の分析方法、即ちデータベースを作成する文学研究は、データ間のリンクなど人の目には見えないものを提供してくれるため、これまでよりも客観性を上げることに成功している。

【参考文献】

花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默 ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日语教学研究会上海分会論文集 2018
Elias Canetti Die Stimmen von Marrakesch Fischer 1980

エリアス・カネッティの「マラケシュの声」のバラツキについて6

2.2 標準偏差による分析

 グループA、グループB、グループC、グループDそれぞれの標準偏差を計算する。その際、場面1、場面2、場面3の特性1と特性2のそれぞれの値は、質量ではなく指標であるため、特性の個数を数えて算術平均を出し、それぞれの値から算術平均を引き、その2乗の和集合の平均を求め、これを平方に開いていく。
求められた各グループの標準偏差の数字は、何を表しているのだろうか。数字の意味が説明できれば、分析は、一応の成果が得られたことになる。 

◆グループA:五感(1視覚と2その他)
場面1(特性1、4個と特性2、1個)の標準偏差は、0.4となる。
場面2(特性1、3個と特性2、2個)の標準偏差は、0.49となる。
場面3(特性1、4個と特性2、1個)の標準偏差は、0.4となる。
【数字からわかること】
場面1、2、3を通して、視覚の情報が多いため、「マラケシュの声」は、五感の中で視覚の情報が鍵になる作品といえる。

◆グループB:ジェスチャー(1直示と2隠喩)
場面1(特性1、2個と特性2、3個)の標準偏差は、0.49となる。
場面2(特性1、3個と特性2、2個)の標準偏差は、0.49となる。
場面3(特性1、4個と特性2、1個)の標準偏差は、0.4となる。
【数字からわかること】
「マラケシュの声」は、作者とマラケシュの文化現象の説明が多いため、場面1、2、3を通してほとんどが直示で隠喩が交錯している。

◆グループC:情報の認知プロセス(1旧情報と2新情報)
場面1(特性1、2個と特性2、3個)の標準偏差は、0.49となる。
場面2(特性1、1個と特性2、4個)の標準偏差は、0.4となる。
場面3(特性1、1個と特性2、4個)の標準偏差は、0.4なる。
【数字からわかること】
場面1、2、3を通して、マラケシュの文化現象の説明が多いため、新情報の2が多く、ストーリーのテンポがよい。

◆グループD:情報の認知プロセス(1問題解決と2未解決)
場面1(特性1、1個と特性2、4個)の標準偏差は、0.4となる。
場面2(特性1、3個と特性2、2個)の標準偏差は、0.4となる。
場面3(特性1、1個と特性2、4個)の標準偏差は、0.49となる。
【数字からわかること】
エリアス・カネッティは、「マラケシュの声」執筆中、場面の最後で問題解決を試みていることから、場面単位で作品の構成を考えている。

花村嘉英(2019)「エリアス・カネッティの『マラケシュの声』のバラツキについて」より

エリアス・カネッティの「マラケシュの声」のバラツキについて5

場面3

Ich hätte die Orangenverkäufer nach ihm fragen können, aber ich schämte mich vor ihnen. Er bedeutete ihnen nicht dasselbe wie mir, und während ich gar keine Scheu empfand, zu Freunden von ihm zu sprechen, die ihn nie gesehen hatten, suchte ich ihn von denen, die ihn wohl kannten, denen er vertraut und natürlich war, getrennt zu halten. Er wußte nichts von mir und sie hätten vieleicht über mich zu ihm gesprochen.A2、B2、C1、D2

Ich sah ihn einmal wieder, genau eine Woche später, wieder an einem Samstagabend. Er stand vor derselben Bude, aber er hatte michts im Munde und kaute nicht.  A1、B1、C2、D2

Er sagte seinen Spruch. Ich gab ihm eine Münze und wartete ab, was damit geschah. Bald kaute er sie wieder fleißig, doch noch während er damit beschäftig war, kam ein Mann auf mich zu und sagte seinen Unsinn:
A1、B1、C2、D2

"Das ist ein Marabu. Er ist blind. Er steckt die Münze in den Mund, um zu spüren, wieviel Sie ihm gegeben haben." Dann sprach er zum Marabu auf arabisch und zeigte auf mich. Der Alte hatte sein Kauen beendet und die Münze wieder ausgespuckt. A1、B1、C2、D2

Er wandte sich mir zu und ein Antlitz strahlte. Er sagte einen Segensspruch (S31) für mich her, den er sechsmal wiederholte. Die Freundlichkeit und Wärme, die während seiner Worte auf mich überging, war so, wie ich sie noch nie von einem Menschen empfangen habe. A1、B1、C2、D1

花村嘉英(2019)「エリアス・カネッティの『マラケシュの声』のバラツキについて」より

エリアス・カネッティの「マラケシュの声」のバラツキについて4

場面2

Denn plötzlich kam ein Mann hinter seinen Orangen hervor, machte ein paar Schritte auf mich zu und sagte beschwichtigend: "Das ist ein Marabu." A1、B1、C2、D1

Ich wußte, daß Marabus heilige Männer sind und daß man ihnen besondere Kräfte zuschreibt. Das Wort löste Scheu in mir aus und ich fühlte, wie mein Ekel gleich geringer wurde. A2、B1、C2、D2

Ich fragte schüttern: "Aber warum steckte er die Münze in seinen Mund?" "Das macht er immer", sagte der Mann, als wäre es die gewöhnlichste Sache von der Welt. Er wandte sich von mir ab und stellte sich wieder hinter seine Orangen.  A1、B1、C2、D2

Ich fühlte mich mit dieser Auskunft verabschiedet und blieb nicht mehr lange. Der Marabu,sagte ich mir. Ist ein heiliger Mann, und an diesem heiligen Mann ist alles heilig, selbst sein Speichel.  A2、B2、C2、D1

Indem er die Münzen der Geber mit seinem Speichel in Berührung bringt, erteilt er ihnen einen besonderen Segen und erhöht so das Verdienst, das sie sich durch das Spenden von Almosen im Himmel erwerben.
A1、B2、C2、D1

花村嘉英(2019)「エリアス・カネッティの『マラケシュの声』のバラツキについて」より

エリアス・カネッティの「マラケシュの声」のバラツキについて3

2 場面のイメージを分析する

2.1 データの抽出

 作成したデータベースから特性が2つあるカラムを抽出し、標準偏差によるバラツキを調べてみる。例えば、A:五感(1視覚と2それ以外)、B:ジェスチャー(1直示と2隠喩)、C:情報の認知プロセス(1旧情報と2新情報)、D:情報の認知プロセス(1問題解決と2未解決)というように文系と理系のカラムをそれぞれ2つずつ抽出する。

場面1 
Ich sah ihm entschlossen beim Kauen zu und wollte abwarten, was geschähe, wenn er damit fertig wäre. Es dauerte sehr lange, noch nie hatte ich einen Menschen so herzlich und ausführlich kauen sehen.
A1、B2、C1、D2

Ich spürte, wie mein eigener Mund in leise Bewegung geriet, obwohl er nichts enthielt, was er hätte kauen können. Ich empfand etwas wie Ehrfurcht vor seinem Genuß, der mir auffallender schien als alles, was ich je an einem menschlichen Munde gesehen hatte.  A2、B2、C1、D2

Seine Blindheit erfüllte mich nicht mit Mitleid. Er schien gesammelt und zufrieden. Nicht einmal unterbrach er sich, um zu fordern, wie es die anderen alle zu tun pflegten. Vielleicht hatte er, was er brauchte. Vielleicht brauchte er sonst nichts. A1、B2、C2、D2

Als er zu Ende war, leckte er sich die Lippen ein paarmal ab, streckte die Rechte mit den ausgespreizten Fingern ein wenig mehr nach vorn und sagte mit heiserer Stimme seinen Spruch her. Ich ging etwas scheu auf ihn zu und legte ihm ein Zwanzigfrancstück auf die Hand. A1、B1、C2、D2

Die Finger blieben gestreckt; er konnte sie wirklich nicht schließen. Er hob langsam die Hand und führte sie an den Mund. Er drückte die Münze gegen die wulstigen Lippen und ließ sie in den Mund verschwinden.
A1、B1、C2、D1

花村嘉英(2019)「エリアス・カネッティの『マラケシュの声』のバラツキについて」より

エリアス・カネッティの「マラケシュの声」のバラツキについて2

1.2 標準偏差

 標準偏差は、グループの全ての値によってバラツキを決めていく。グループの個々の値から算術平均がどれだけ離れているのかによって、バラツキの大きさが決まる。
 グループd(1、1、4、7、7)の算術平均は4である。それぞれの値から算術平均を引くと、1-4=-3、1-4=-3、4-4=0、7-4=3、7-4=3となる。この算術平均から離れている大きさを平均してやると、バラツキの目安が求められる。しかし、-3、-3、0、3、3を全部足すと0になるため、さらに工夫が必要になる。
 例えば、絶対値をとる方法とか値を2乗してマイナスの記号を取る方法がある。2乗した場合、9、9、0、9、9となり、平均値を求めると、5で割って7.2となる。但し、元の単位がcmのときに、2乗すればcm2となるため、7.2を開いて元に戻すと、√7.2 cm2≒2.68 cmというバラツキの大きさになる。
 
(1) 標準偏差の公式
σ=√Σ (Xi−X)2/n

 次にグループe(1、4、4、4、7)について見てみよう。算術平均は4である。それぞれの値から算術平均を引くと、1-4=-3、4-4=0、4-4=0、4-4=0、7-4=3となる。この算術平均から離れている大きさを平均すると、バラツキの目安が求められる。しかし、-3、0、0、0、3を全部足すと0になるため、それぞれを2乗して、9、0、0、0、9として平均値を求め、5で割って3. 6を求める。
 但し、元の単位がcmのときに2乗すれば、cm2となるため、3. 6を開いて元に戻すと、√3. 6 cm2≒1.89 cmというバラツキの大きさになる。従って、グループdの方がグループeよりもバラつきが大きいことになる。
 以下では、標準偏差(1)の公式を使用して、作成したエリアス・カネッティの「マラケシュの声」のデータに関するバラツキから見えてくる特徴を考察していく。 

花村嘉英(2019)「エリアス・カネッティの『マラケシュの声』のバラツキについて」より

エリアス・カネッティの「マラケシュの声」のバラツキについて1

1 簡単な統計処理

1.1 データのバラツキ

 グループa(5、5、5、5、5)とグループb(3、4、5、6、7)とグループc(1、3、5、7、9)は、算術平均がいずれも5であり、また中央値(メジアン)も同様に5である。算術平均やメジアンを代表値としている限り、この3つのグループは差がないことになる。しかし、バラツキを考えると明らかに違いがある。グループaは、全てが5のため全くバラツキがない。グループbは、5が中心にあり3から7までばらついている。グループcは、1から9までの広範囲に渡ってバラツキが見られる。グループbのバラツキは、グループcのバラツキよりも小さい。  
 次に、グループd(1、1、4、7、7)とグループe(1、4、4、4、7)だと、どちらのバラツキが大きいことになるのだろうか。グループdは、中心の4から3も離れた所に4つの値がある。グループeは、中心に3つの値があって、そこから3離れたところに値が2つある。 
 バラツキの大きさを定義する方法で最も有名なのが、レンジと標準偏差である。レンジはグループの最大値から最小値を引くことにより求めることができる。グループdは、7-1=6で、グループeも7-1=6となる。レンジだけでバラツキを定義すれば、グループdとグループeは同じことになるが、グループ内の最大値と最小値だけを問題にするため、他の値が疎かになっている。そこでもう一つのバラツキに関する定義、標準偏差について見てみよう。

花村嘉英(2019)「エリアス・カネッティの『マラケシュの声』のバラツキについて」より

2019年10月12日

エリアス・カネッティの「マラケシュの声」の執筆脳について10

A 情報の認知1は、Bその他の反応、情報の認知2は、A新情報、情報の認知3は、@計画から問題解決へ、人工知能は@分析である。
B 情報の認知1は、Aグループ化、情報の認知2は、A新情報、情報の認知3は、@計画から問題解決へ、人工知能はA思弁である。
C 情報の認知1は、Bその他の反応、情報の認知2は、@旧情報、情報の認知3は、A問題未解決から推論へ、人工知能は@分析である。
D 情報の認知1は、@ベースとプロファイル、情報の認知2は、A新情報、情報の認知3は、@計画から問題解決へ、人工知能はA思弁である。
E 情報の認知1は、Bその他の反応、情報の認知2は、A新情報、情報の認知3は、@計画から問題解決へ、人工知能は@分析である。

結果
 言語の認知の出力「観察と叙事」が情報の認知の入力となり、まずマラブに反応する。次に、「マラブは聖人」が情報の認知で新情報となり、老人がコインを口に突っ込むのはなぜかと問うと、それが普通の習慣だと聞かされる。長いこと分からなかったことに、あるときカネッティ自身で気づき、「観察と叙事」は、「五感分析と知的直感」からなる組みと相互に作用する。 
 記憶については、A、B、D、Eは短期記憶で、Cは、何度も登場する長期記憶になる。この場面では作者の直感が作用するため、カネッティの執筆脳は、分析や直感そこからつながる思考に特徴があるといえる。

5 まとめ
 
 受容の読みによる「観察と叙事」という出力は、すぐに共生の読みの入力となる。続けて、データベースの問題解決の場面を考察すると、「分析と思弁」という人間の脳の活動と結びつき、その後、信号のフォーカスは、購読脳の出力のポジションに戻る。この分析を繰り返すことにより、「エリアス・カネッティと直感に基づく思考」というシナジーのメタファーが作られる。
 この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人60人対40人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。 

参考文献

佐藤晃一 ドイツ文学史 明治書院 1979
日本成人病予防協会監修 健康管理士一般指導員受験対策講座3 心の健康管理 ヘルスケア出版 2014
花村嘉英 計算文学入門-Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015 
花村嘉英 日语教育计划书-面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム-中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁/戈迪默 ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について-「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日语教学研究会上海分会論文集 華東理工大学出版社 2019
花村嘉英 ハインリッヒ・ベルの「汝、スパにいたりなば」の執筆脳について ファンブログ 2019
藤本淳雄他 ドイツ文学史 東京大学出版会 1981
Elias Canetti Die Stimmen von Marrakesch Fischer 1985


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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
プロフィール