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2019年10月13日

エリアス・カネッティの「マラケシュの声」のバラツキについて3

2 場面のイメージを分析する

2.1 データの抽出

 作成したデータベースから特性が2つあるカラムを抽出し、標準偏差によるバラツキを調べてみる。例えば、A:五感(1視覚と2それ以外)、B:ジェスチャー(1直示と2隠喩)、C:情報の認知プロセス(1旧情報と2新情報)、D:情報の認知プロセス(1問題解決と2未解決)というように文系と理系のカラムをそれぞれ2つずつ抽出する。

場面1 
Ich sah ihm entschlossen beim Kauen zu und wollte abwarten, was geschähe, wenn er damit fertig wäre. Es dauerte sehr lange, noch nie hatte ich einen Menschen so herzlich und ausführlich kauen sehen.
A1、B2、C1、D2

Ich spürte, wie mein eigener Mund in leise Bewegung geriet, obwohl er nichts enthielt, was er hätte kauen können. Ich empfand etwas wie Ehrfurcht vor seinem Genuß, der mir auffallender schien als alles, was ich je an einem menschlichen Munde gesehen hatte.  A2、B2、C1、D2

Seine Blindheit erfüllte mich nicht mit Mitleid. Er schien gesammelt und zufrieden. Nicht einmal unterbrach er sich, um zu fordern, wie es die anderen alle zu tun pflegten. Vielleicht hatte er, was er brauchte. Vielleicht brauchte er sonst nichts. A1、B2、C2、D2

Als er zu Ende war, leckte er sich die Lippen ein paarmal ab, streckte die Rechte mit den ausgespreizten Fingern ein wenig mehr nach vorn und sagte mit heiserer Stimme seinen Spruch her. Ich ging etwas scheu auf ihn zu und legte ihm ein Zwanzigfrancstück auf die Hand. A1、B1、C2、D2

Die Finger blieben gestreckt; er konnte sie wirklich nicht schließen. Er hob langsam die Hand und führte sie an den Mund. Er drückte die Münze gegen die wulstigen Lippen und ließ sie in den Mund verschwinden.
A1、B1、C2、D1

花村嘉英(2019)「エリアス・カネッティの『マラケシュの声』のバラツキについて」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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