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2024年09月10日

トーマス・マンの「魔の山」の多変量解析−クラスタ分析と主成分9

【カラム】
A平均1.6 標準偏差0.26 中央値1.5 四分位範囲1
B平均1.1 標準偏差0.3 中央値1.5 四分位範囲1
C平均1.6 標準偏差0.49 中央値1.5 四分位範囲1
D平均1.5 標準偏差0.5 中央値1.5 四分位範囲1
【クラスタABとクラスタCD】
AB 平均1.35 やや低い、標準偏差0.28低い、中央値1.5普通、四分位範囲1普通
CD 平均1.55 普通、標準偏差0.5普通、中央値1.5普通、四分位範1普通
【クラスタからの特徴を手掛かりにし、どういう情報が主成分なのか全体的に掴む】
Bの数字が他と比べて低いため、トーマス・マンは、クロコフスキーの人当たりについて詳述している。
【ライン】合計は、言語の認知と情報の認知の和を表す指標であり、文理の各系列をスライドする認知の柱が出す数字となる。
@ 6.5、視覚+それ以外、直示、新情報、未解決 → 場面の始まりは未解決が多い。
A 5.5、視覚+それ以外、直示、新情報、解決 → カストルプ同志になる。 
B 4.5、視覚+それ以外、直示、旧情報、解決 → クロコフスキーがからかう。
C 5.5、視覚+それ以外、直示、旧情報、未解決 → 疑いの表明ではない。
D 7、視覚以外、直示、新情報、未解決 → 人間と健康が調和するか疑った。
E 6、視覚以外、直示、旧情報、未解決 → 浸潤が関心ではない。
F 7、視覚以外、比喩、新情報、解決 → 二義的である。
G 7、視覚以外、直示、新情報、未解決 → カタルは三義的。
H 4、視覚、直示、旧情報、解決 → 普通の回診。
I 5、視覚、直示、新情報、解決 → カストルプ一定の平時地にすっかり慣れる。
【場面の全体】
 視覚情報は6割であり、脳に届く通常の五感の入力信号の割合よりも少ないため、視覚意外の情報、特に聴覚も問題解決に役立っている。

花村嘉英(2019)「トーマス・マンの「魔の山」の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より

トーマス・マンの「魔の山」の多変量解析−クラスタ分析と主成分8

◆場面2  クロコフスキーの回診
"Sie scheinen überrascht, mich zu sehen, Herr Castorp", hatte er mit baritonaler Milde, schleppend, unbedingt etwa geziert und mit einem exotischen Gaumen-r gesprochen, das er jedoch nicht rollte, sondern durch ein nur einmaliges Anschlagen der Zunge gleich hinter den oberen Vorderzähnen erzeugte; A1+2B1C2D2

"ich erfülle aber lediglich eine angenehme Pflicht, wenn ich bei Ihnen nun auch nach dem Rechten sehe. Ihr verhältnis zu uns ist in eine neue Phase getreten, über Nacht ist aus dem Gaste ein Kamerad geworden..." (Das Wort "Kamerad" hatte Hans Castorp etwas geängstigt.)  A1+2B1C2D1

"Wer hätte es gedacht!" hatte Dr. Krokowski kameradschaftlich gescherzt... "Wer häte es gedacht an dem Abend, als ich Sie zuerst begrüßen durft und Sie meiner irrigen Auffassung - damals war sie irrig - mit der Erklärung begegneten, Sie seien vollkommen gesund." A1+2B1C1D1

Ich glaube, ich drückte damals etwas wie einen Zweifel aus, aber, ich versichere Sie, ich meinte es nicht so!
 A1+2B1C1D2

Ich will mich nicht scharfsichtiger hinstellen, als ich bin, ich dachte damals an keine feuchte Stelle, ich meinte es anders, allgemeiner, philosophischer, ich verlautbarte meinen Zweifel daran, daß 'Mensch' und 'vollkommene Gesundheit' überhaupt Reimworte seien. A2B1C2D2

Und auch heute noch, auch nach dem Verlauf Ihrer Untersuchung, kann ich, wie ich nun einmal bin, und im Unterschied von meinem verstehten Chef, diese feuchte Stelle da"- und er hatte mit der Fingerspitze leicht Hans Castorps Schulter berührt - " nicht als im Vordergrunde des Interesses stehend erachten.
A2B1C1D2

Sie ist für mich eine sekundäre Erscheinung...Das Organische ist immer sekundär..." Hans Castorp war zusammengezuckt. A2B22D1

"Und also ist Ihr Katarrh in meine Augen eine Erscheinung dritter Ordnung", hatte Dr. Krokowski sehr leicht hinzugefügt. "Wie steht es damit? Die Bettruhe wird in dieser Hinsicht gewiß rasch das Ihre tun. Was haben Sie heute gemessen?"  A2B12D2

Und von da an hatte der Besuch des Assistenten den Charakter einer harmlosen Kontrollvisite getragen, wie er ihn denn auch in den folgenden Tagen und Wochen beständigt trug:  A1B1C1D1

Dr. Krokowski kam dreiviertel vier Uhr oder auch schon etwas früher über den Balkon herein, begrüßte den Liegenden auf mannhaft heitere Art, stellte die einfachsten ärztlichen Fragen, leitete auch wohl ein kurzes, persönlicher bestimmtes Geplauder ein, scherzte kameradschaftlich, - und wenn alles dies eines Anfluges von Bedenklichkeit nicht entbehrte, so gewöhnt man sich endlich auch an das Bedenkliche, falls es in seinen Grenzen bleibt, und Hans Castorp fand bald nichts mehr gegen das regelmäßige Erscheinen Dr. Krokowski's zu erinnern, das nun einmal zum stehehnden Normaltage gehörte und die Stunde der großen Liegekur apostrophierte. A1B1C2D1

花村嘉英(2019)「トーマス・マンの「魔の山」の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より

トーマス・マンの「魔の山」の多変量解析−クラスタ分析と主成分7

【カラム】
A平均1.8 標準偏差0.45 中央値2.0 四分位範囲2.0
B平均1.1 標準偏差0.32 中央値1.0 四分位範囲1.0
C平均1.5 標準偏差0.47 中央値1.5 四分位範囲1.0
D平均1.6 標準偏差0.55 中央値2.0 四分位範囲1.0
【クラスタABとクラスタCD】
AB 平均1.45普通、標準偏差0.3 低い、中央値1.5普通、四分位範囲1.5高い
CD 平均1.55 普通、標準偏差0.5普通、中央値1.75高い、四分位範囲1.0低い
【クラスタからの特徴を手掛かりにし、どういう情報が主成分なのか全体的に掴む】
CとDのバラツキが大きいということは、新情報及び問題未解決が多いことから、「クロコフスキーの講演」の場面でテンポよく情報が流れているが、問題帰結の因子は次の場面に持ち越しになっている。
【ライン】合計は、言語の認知と情報の認知の和を表す指標であり、文理の各系列をスライドする認知の柱が出す数字となる。
@ 7、視覚、直示、新情報、未解決 → 場面の始まりは未解決が多い。
A 5、視覚以外、直示、新情報、解決 → 聴いて愛の力を確認している。
B 7、視覚以外、直示、旧情報、解決 → 専門のテーマなので当然である。
C 5、視覚以外、直示、旧情報、未解決 → 勝手違いの感じ。
D 7、視覚以外、直示、新情報、未解決 → 真昼間にする話題なのだろうか。
E 7、視覚+視覚以外、直示、新情報、未解決 → 歌うように話す。
F 6、視覚以外、比喩、旧情報、未解決 → 色々な意味で愛を語る。
G 6、視覚以外、直示、旧情報、解決 → ハンス・カストルプは愛など口にしない。
H 5、視覚以外、直示、旧情報、未解決 → 愛が水気の多いミルクみたいに聞える。
I 5、視覚以外、直示、新情報、解決 → クロコフスキーは妄想を打破し啓蒙に乗り出す。
【場面の全体】
 全体では、視覚情報が1割で脳に届く通常の五感の入力信号の割合よりもかなり低いため、視覚意外、特に聴覚の情報が問題解決に役立っている。

花村嘉英(2019)「トーマス・マンの「魔の山」の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より

トーマス・マンの「魔の山」の多変量解析−クラスタ分析と主成分6

◆場面1 クロコフスキーの講演

Was redete denn Dr. Krokowski? In welchem Gedankengange bewegte er sich? Hans Castorp nahm seinen Verstand zusammen, um aufs laufend zu kommen, was ihm nicht gleich gelang, da er den Anfang nicht gehört und beim Nachdenken über Frau Chauchats schlaffen Rücken Weiteres versäumt hatte. A1B1C2D2

Es handelte sich um eine Macht... jene Macht... jurzum, es war die Macht der Liebe, um die es sich handelte. Selbstverständlich!  A2B1C2D1

Das Thema lag ja im Generaltitel des Vortragszyklus, und wovon sollte Dr. Krokowski denn auch sonst wohl sprechen, da dies nun einmal sein Gebiet war. A2B1C1D1

Etwas wunderlich war es ja, auf einmal ein Kolleg über die Liebe zu hören, während sonst immer nur von Dingen wie dem Übersetzungsgetriebe im Schriffbau die Rede gewesen war. A2B1C1D2

Dr. Krokowski erörterte ihn in einer gemischten Ausdrucksweise, in zugleich petischem und gelehrtem Stile, rücksichtslos wissenschaftlich, dabei aber gesanghaft schwingenden Tones, was den jungen Hans Castorp etwas unordentlich anmutete, obgleich gerade dies der Grund sein mochte, weshalb die Damen so hitzige Wangen hatten und die Herren ihre Ohren schüttelten. A1+2B1C2D2

Insondeheit gebrauchte der Redner das Wort "Liebe" beständig in einem leise schwankenden Sinn, so daß man niemals recht wußte, woran man damit war und ob es Frommes oder Leidenschaftlich-Fleischliches bedeutete, - was ein leichtes Gefühl von Seekrankheit erzeugte. A2B2C1D2

Nie in seinem Leben hatte Hans Castorp diese Wort so oft hintereinander aussprechen hören, wie hier und heute, ja wenn er nachdachte, so schien ihm, daß er selbst es noch niemals ausgesprochen oder aus fremdem Munde vernommen habe. A2B1C1D1

Das mochte ein Irrtum sein, - jedenfalls fand er nicht, daß so häufige Wiederholung dem Worte zusatten käme. Im Gegenteil, diese schlüpfrigen anderthalb Silben mit dem Zungen-, dem Lippenlaut und dem dünnen Vokal in der Mitte wurden ihm auf die Dauer recht widerwärtig, eine Vorstellung verband sich für ihn damit wie von gewässerter Milch, - etwas Weißbläulichem, Labberigem, zumal im Verglich mit all dem Kräftigen, was Dr. Krokowski genaugenommen darüber zum besten gab. A2B1C1D2

Denn soviel ward deutlich, daß man starke Stücke sagen konnte, ohne die Leute aus dem Saale zu treiben, wenn man es anfing wie er. Keineswegs begnügte er sich damit, allgemein bekannte, doch gemeinhin in Schweigen gehüllte Dinge mit einer Art von berauschendem Takt zur Sprache zu bringen; er zerstörte Illusionen, er gab unerbittlich der Erkenntnis die Ehre, er ließ keinen Raum für empfingsamen Glauben an die Würde des Silberhaares und die Engelsreinheit des zarten Kindes.  A2B1C2D1

花村嘉英(2019)「トーマス・マンの「魔の山」の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より

トーマス・マンの「魔の山」の多変量解析−クラスタ分析と主成分5

3 多変量の分析

 多変量を解析するには、クラスタと主成分が有効な分析になる。これらの分析がデータベースの統計処理に繋がるからである。
 多変数のデータでも、最初は1変数ごとの観察から始まる。また、クラスタ分析は、多変数のデータを丸ごと扱う最初の作業ともいえる。似た者同士を集めたクラスタを樹形図からイメージする。それぞれのクラスタの特徴を掴み、それを手掛かりに多変量データの全体像を考えていく。樹形図については、単純な二個二個のクラスタリングの方法を想定し、変数の数や組み合わせを考える。
 作成したデータベースから特性が2つあるカラムを抽出し、グループ分けをする。例えば、A:五感(1視覚と2それ以外)、B:ジェスチャー(1直示と2比喩)、C:情報の認知プロセス(1旧情報と2新情報)、D:情報の認知プロセス(1問題解決と2未解決)というように文系と理系のカラムをそれぞれ2つずつ抽出する。
まず、ABCDそれぞれの変数の特徴について考える。次に、似た者同士のデータをひとかたまりにし、ここでは言語の認知ABと情報の認知CDにグループ分けをする。得られた変数の特徴からグループそれぞれの特徴を見つける。
 最後に、各場面のラインの合計を考える。それぞれの要素からどのようなことがいえるのか考える。「魔の山」のバラツキが縦のカラムの特徴を表しているのに対し、ここでのクラスタは、一場面のカラムとラインの特徴を表している。
 なお、外界情報の獲得に関する五感の割合は、視覚82%、聴覚11%、嗅覚4%、触覚2%、味覚1%とする。(片野2018)

花村嘉英(2019)「トーマス・マンの「魔の山」の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より

トーマス・マンの「魔の山」の多変量解析−クラスタ分析と主成分4

C  以下の章では、Traeger (1993)に基づき平易なファジイ理論が導入される。Traeger (1993)によると、ファジイ理論は、古典論理の拡張であり真偽だけではなくたくさんの中間段階を考察することができるという。つまり、ファジイ理論を言語処理に適用する面白さは、古典論理で言う真偽では説明ができない数字のずれや、「ほとんど」とか「かなり」といった修飾語を伴う日常表現も説明できる点にある。
➄  例えば、夏期休暇の避暑地における滞在に関して、「長い」の下限を21日とする。古典論理では、21日以上の場合、割り当て可能になるが、21日未満の場合、不可 能となる。しかし、20日間の滞在でも、全く該当しないわけではない。 それどころか、ほとんど該当する。こうした奇妙な現象を解決するため に、ファジィ理論は、メンバーシップ値を採用する。これにより、20日 間の滞在は、95%「長い」となり、18日間の滞在は、80%「長い」とな る。また、両方の数字の間には、ファジイコントロールと呼ばれる計算術が存在し、それは、ファジイ化、推論そして脱ファジイ化という3つの構成要素を持っている。
それでは、簡単な用例を引用しながら、やさしい曖昧な数学を見ていくことにしよう。

花村嘉英(2019)「トーマス・マンの「魔の山」の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より

トーマス・マンの「魔の山」の多変量解析−クラスタ分析と主成分3

B  イロニーの原理
(a) 定義:トーマス・マンは、彼の散文の条件として常に現実から距離を置 く。一つには、現実をできるだけ正確に考察するために、また一つには、それを批判するために、つまり、イロニー的に。…この批判的な距離は、イロニー的な距離になりうるだろう。実際に、批判的な表現における簡潔さには、余すところなく正確に規定された概念言語の要求に対して、言語媒体そのものの特徴から反対の行動をとるある種の制限が設けられている。(Baumgart 1964) 一方、ファジイ理論は、システムが複雑になればなるほど、より正確な記述ができなくなることを主張する。(Yager et al 1987)

(b) 特徴:双方に共通の特徴として、主観性を想定することができる。周知の通り、ファジィ理論は、科学の中に客観性ではなくて、主観性を導入する。(菅野 1991) 一方、トーマス・マンと ハンス・カストルプが歩んでいく道を基にしたイロニーの原理は、自己を乗り越える原理である。(Frommer 1966) つまり、ファジィ理論における主観性は、個人的 な主観であり、Thomas Mannの主観性は、超個人的な主観(主体性)となる。しかし、何れにせよ双方共に個人による規定や決定が問題になっており、両者をまとめて広い意味で主観と呼ぶことができる。
(C) 語の選択: トーマス・マンが使用するイロニー的な語彙、例えば、形容 詞とか副詞は、意図的な不正確さを通して言葉が持っている本来の意味 合いをはずす。(Baumgart 1964)一方、ファジイ集合によって表現 される概念は、「背の大きい人達」や「多かれ少なかれ」といった曖昧 な概念であり、外延的でも内包的でもない中間的なものになる。(菅野 1991)

花村嘉英(2019)「トーマス・マンの「魔の山」の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より

トーマス・マンの「魔の山」の多変量解析−クラスタ分析と主成分2

2 トーマス・マンのイロニーとファジィ

@ トーマス・マンのイロニーを一種の推論と見なして、テキストのダイナ ミズムを考察していく。本書は、「魔の山」を題材とするが、それは、「魔の山」がトーマス・マンの全集においてイロニーの交差点と見なされているからである。(Baumgart 1964)  Frommer (1966 ) によれば、 諸々の対象は論理的に共存できないが、それを可能にするためにイロニーが使われる。イロニーは、最終的な決定を知らない。(それ故に、一種の推論となる。)「AでもなければBでもない」とか「AでもありBでもある」の観点を対話の単位と結びつける。すると、双方の側面に対して留保することにより、両方へ同時に接近することができるようになる。これは、美的で中立な表現として主人公ハンス・カストルプのイロニーとなる。そして、その都度、他方を批判するために、双方の観点を交互に自分のものとし、彼自身の中で二重に矛盾した社会参加(アンガージユマン)の表現になっていく。
A 一方、これまで理論言語学の枠組みでイロニーを表現することは難しかった。(Hamm 1989) しかし、トーマス・マンのイロニーとZadehのファジィ理論の間に複数の共通項(イロニーの原理)が見い出せることから、本書では、トーマス・マンのイロニーを形式論で表記するためにファジィ理論を採用し、テキスト(「魔の山」)のダイナミズムを考察していく。

花村嘉英(2019)「トーマス・マンの「魔の山」の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より

トーマス・マンの「魔の山」の多変量解析−クラスタ分析と主成分1

1 先行研究との関係

 これまでに、トーマス・マンの執筆時の脳の活動をファジィとして、モンターギュ文法やラフ集合による論理計算を通して、「トーマス・マンとファジィ」というシナジーのメタファーを作成している(花村2005、花村2017)。また、「魔の山」のデータベースを作成しながら、バラツキ、相関関係、推定といった平易な統計分析も試みている。(花村2018)
 この小論では、さらに統計処理に関して多変量解析に注目し、クラスタ分析と主成分について考察する。それぞれの場面でシナジーのメタファーが異なる視点から説明できれば、自ずと客観性が上がるためである。

花村嘉英(2019)「トーマス・マンの「魔の山」の多変量解析−クラスタ分析と主成分」より

トーマス・マンの「魔の山」の相関関係について6

4 相関係数を言葉で表す

数字の意味を言葉で確認しておく。 

-0. 7≦r≦-1.0 強い負の相関がある
-0.4≦r≦-0.7 やや負の相関がある
0≦r≦-0.4 ほとんど負の相関がない
0≦r≦0.2 ほとんど正の相関がない
0.2≦r≦0.4 やや正の相関がある
0.4≦r≦0.7 かなり正の相関がある
0.7≦r≦1 強い正の相関がある

5 まとめ

 言語の認知の意味分析、距離1近い2それ以外は、情報の認知の問題解決と未解決の組と強い相関関係になることが分かった。

参考文献
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?新風舎 2005
花村嘉英 森鴎外の「山椒大夫」のDB化とその分析 中国日语教学研究会江苏分会 2015
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默 ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
Thomas Mann : Der Zauberberg, Frankfurt a. M., Fischer 1986
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プロフィール
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
プロフィール