更新:平成29年11月11日
登録:平成29年10月11日
住宅宿泊事業法施行規則等が10月27日公布され、「住宅宿泊事業法」(民泊法)の施行日を平成30年6月15日、及び民泊事業者の申請・登録開始日は平成30年3月15日とすることも決まりました。
民泊禁止とする管理組合は、民泊事業者の申請・登録が開始する平成30年3月15日までに、管理規約の改正等を行いましょう。登録:平成29年10月11日
分譲マンションで民泊(住宅宿泊事業)を行うことは、エントランスや廊下などの共有部分を有することから、住環境に与える影響が非常に大きく、既に違法な民泊により多くの問題が発生しております。
また、一旦、民泊事業の届出や民泊事業が開始されると、その後に管理規約を改正する際には民泊事業者が「利害関係人 (区分所有法第31条の「権利に特別影響を及ぼされる区分所有者」)」にあたる可能性があり、その場合、民泊禁止の旨を管理規約に定めようとしても当該民泊事業者の承諾が得られず、管理規約を改正できなくる恐れがあります。
国土交通省は、平成29年8月に民泊禁止とする場合は各管理組合の管理規約をその旨明示するものとして、「マンション標準管理規約」を改正し第12条に下記のように第2項を追加しました。
(「マンション標準管理規約」の改正条文)
第12条区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。
2 区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の住宅宿泊事業に使用してはならない。
2 区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の住宅宿泊事業に使用してはならない。
内閣府地方創生推進事務局は、国家戦略特別区域法の基づく特区民泊を禁止する場合への対応として、上記標準管理規約の第12条に更に下記第3項を追加するように平成29年10月26日都道府県等に対して通知を送付しました。
3 区分所有者は、その専有部分を国家戦略特別区域法第13条第1項の特定認定を受けて行う国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に使用してはならない。
住宅宿泊事業法施行規則には、下記の通り民泊を行う分譲マンションの届出事項として「規約に住宅宿泊事業を営むことを禁止する旨の定めがない旨(当該規約に住宅宿泊事業を営むことについての定めがない場合は、管理組合に届出住宅において住宅宿泊事業を営むことを禁止する意思がない旨を含む。)」を挙げ、届出の際に添付する書類を「専有部分の用途に関する規約の写し」を、「規約に住宅宿泊事業を営むことについての定めがない場合は、管理組合に届出住宅において住宅宿泊事業を営むことを禁止する意思がないことを確認したことを証する書類」としています。
住宅宿泊事業法施行規則
第四条(届出)
3
法第三条第二項第七号の国土交通省令・厚生労働省令で定める事項は、次に掲げるものとする。
3 十三
住宅がある建物が二以上の区分所有者(建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)第二条第二項に規定する区分所有者をいう。次項において同じ。)が存する建物で人の居住の用に供する専有部分(同法第二条第三項に規定する専有部分をいう。次項において同じ。)のあるものである場合においては、規約に住宅宿泊事業を営むことを禁止する旨の定めがない旨(当該規約に住宅宿泊事業を営むことについての定めがない場合は、管理組合(マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成十二年法律第百四十九号)第二条第三号に規定する管理組合をいう。次項において同じ。)に届出住宅において住宅宿泊事業を営むことを禁止する意思がない旨を含む。)
4
法第三条第三項の国土交通省令・厚生労働省令で定める書類は、次に掲げるものとする。・・・・・・・・・・・・(省略)
4 ル
住宅がある建物が二以上の区分所有者が存する建物で人の居住の用に供する専有部分のあるものである場合においては、専有部分の用途に関する規約の写し
4 ヲ
ルの場合において、規約に住宅宿泊事業を営むことについての定めがない場合は、管理組合に届出住宅において住宅宿泊事業を営むことを禁止する意思がないことを確認したことを証する書類
3 十三
住宅がある建物が二以上の区分所有者(建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)第二条第二項に規定する区分所有者をいう。次項において同じ。)が存する建物で人の居住の用に供する専有部分(同法第二条第三項に規定する専有部分をいう。次項において同じ。)のあるものである場合においては、規約に住宅宿泊事業を営むことを禁止する旨の定めがない旨(当該規約に住宅宿泊事業を営むことについての定めがない場合は、管理組合(マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成十二年法律第百四十九号)第二条第三号に規定する管理組合をいう。次項において同じ。)に届出住宅において住宅宿泊事業を営むことを禁止する意思がない旨を含む。)
4
法第三条第三項の国土交通省令・厚生労働省令で定める書類は、次に掲げるものとする。・・・・・・・・・・・・(省略)
4 ル
住宅がある建物が二以上の区分所有者が存する建物で人の居住の用に供する専有部分のあるものである場合においては、専有部分の用途に関する規約の写し
4 ヲ
ルの場合において、規約に住宅宿泊事業を営むことについての定めがない場合は、管理組合に届出住宅において住宅宿泊事業を営むことを禁止する意思がないことを確認したことを証する書類
なお、パブリックコメントでの住宅宿泊事業法施行規則(仮称)において、届出書に添付する書類として、「住宅が区分所有建物である場合には規約の写し(規約に住宅宿泊事業に関して定めがない場合は管理組合に禁止する意思がない(※)ことを確認したことを証する書類)」を挙げました。また、「※「管理組合に禁止する意思がない」ことは、管理組合の理事会や総会における住宅宿泊事業を禁止する方針の決議の有無により確認する予定。」としていました。
つきましては、民泊禁止を考えている管理組合は、早急に上記「マンション標準管理規約」の第12条、及び内閣府地方創生推進事務局の通知を参考に管理規約を改正しましょう。
もし、民泊事業者の申請・登録が開始する平成30年3月15日までに管理規約の改正が間に合わない場合には、総会又は理事会で民泊禁止の方針だけでも決議して、必ず議事録等を残しておきましょう。(なお、総会・理事会の議事録等の取扱いについてはまだ検討中です。)
つまり、住宅宿泊事業(民泊)の届出を提出する際には、管理規約又は総会・理事会の議事録等で民泊禁止かどうかが確認されますので、民泊禁止が確認できなければ届出が受け付けられてしまう可能性があると考えられます。なお、総会・理事会の議事録等の取扱いについてはまだ明確とは言えません。
京都市は8月9日、市内にある約1,700の管理組合に向けて、民泊に関わる管理規約の変更について検討するよう促す「マンション管理規約の見直しを!!」と題する周知文を発送した。
周知文では、マンション管理組合に対して住宅宿泊事業法(以下、民泊新法)が施行される来年6月までに早急に管理規約を見直すよう呼びかけています。
なお、「住宅宿泊事業法」(民泊法)については、不明な点等が多くありますのでお含みおき願うとともに、「住宅宿泊事業法」(民泊法)の取扱いにつき継続して研究のうえご報告いたします。
【参照】 国土交通省 平成29年10月27日 「マンション標準管理規約の改正を踏まえた特区民泊の管理規約上の取扱いについて」
(注)次の通知を添付:内閣府地方創生推進事務局 平成29年10月26日 「特区民泊の改正マンション標準管理規約における取扱いについて(通知)」
【参照】平成29年10月27日 金曜日 官 報 (号外第235号) 「住宅宿泊事業法施行規則」
【参照】 住宅宿泊事業法(民泊法)の施行日平成30 年6月15 日に閣議決定
【参照】 パブリックコメント「住宅宿泊事業法施行令(仮称)の案及び住宅宿泊事業法施行規則(仮称)等の案に関する意見の募集について」
・ 「住宅宿泊事業法施行令(仮称)の案について(概要)」
・ 「住宅宿泊事業法施行規則(仮称)等の案について(概要)」
【参照】 京都市 2017/8/9「民泊に関する分譲マンション管理組合への周知について」
・ 周知文
・ <参考1>「マンション管理組合側からみた民泊の問題点」
・ <参考2>「民泊についての苦情や分譲マンショで懸念事項」
・ <資料3>「新法民泊に伴うマンション標準管理規約の改正等について」
・ <資料4>「管理規約の変更(改正)手続き (区分所有法第31条1項 )」
【参照】 「住宅宿泊事業(民泊)に伴うマンション標準管理規約を改正!」