2016年03月13日
腎不全の猫にシンプリーが最適って本当なのか?私の考えをまとめてみた
猫様が慢性腎不全になってから、ありとあらゆる情報をネットで探し回っています。
そんな時、とあるサイトを見つけました。
シンプリーというキャットフードが、腎不全に最適とうたっているサイトです。
シンプリーというのは一般に出回らず、公式サイトによるネット通販だけで販売されているキャットフードです。
我が家の猫様は、慢性腎不全です。
添加物も腎臓には負担になるという考えも分かりますから、まずは添加物の入っていない、人間が食べられるもので作られたプレミアムフードの中から腎不全の猫用に作られた療法食を買ってあげてみました。
↑これらが、私がプレミアムフードの中の療法食で試してみたものです。
ただ、全てうちの猫様は食べなかったので、ヒルズやロイヤルカナン、ドクターズケアなどの療法食をあげています。
気になる添加物の入っているものもあるのですが、ただでさえ腎不全用の療法食は食いつきが悪いので、とにかく「腎不全用に作られていて、なおかつ食べてくれる療法食を選ぶ」ことが大事と思っています。
シンプリーは本当に「腎不全に最適」なのかを考えていきたいと思います。
まず、保証分析値を見ましょう。
シンプリーの保証分析値
粗タンパク質 31.0%、脂質 14.0%、粗繊維 1.5%、粗灰分 8.5%、オメガ6脂肪酸 2.74%、オメガ3脂肪酸2.06%、ナトリウム 0.7%、カルシウム 2.1%、リン1.5%、カリウム1.1%、マグネシウム0.14%、水分7%
見てもらうと分かりますが、リンが1.5%です。腎不全用の療法食では、だいたいリンは0.45%〜多くても0.6%です。
ただ、それぞれドライフードと言っても商品ごとに水分量が違うので、リンの%は一緒に比べられません。
パーセンテージで比べる場合は乾燥重量で計算をします。
乾燥重量で計算をすると↓
:シンプリー:水分7%でリンが1.5%・・・水分量が0%の場合、リンが1.613%
:ヒルズk/d(腎不全用の療法食):水分8.0%以下でリンが0.60%以下・・・水分量が0%の場合、リンが0.652%
:キドニーケア(腎不全用の療法食):水分10.0%以下でリンが0.3%以上・・・水分量が0%の場合、リンが0.333%
・・・こうなります。
シンプリーのリンの値が、腎不全用の療法食に比べるとかなり高いのが分かると思います。
ヒルズのk/dという療法食は、療法食の中ではリンの値が高い方です。それでも乾燥重量計算で0.652%です。シンプリーはその倍以上。
キドニーケアと比べると、4,8倍もリンが多く含まれてます。これは、同じ量のエサを食べても、摂取するリンの量が4.8倍になるってことです。
次に、キャットフードを100g食べた時に摂取することになるリンの量を見ていきましょう。
:シンプリー:1.5g
:ヒルズk/d(腎不全用の療法食):0.6g
:キドニーケア(腎不全用の療法食):0.3g
・・・こうなります。
腎不全であればリンの値が低い餌を選ばなくてはいけません。
シンプリーが腎不全の猫のエサに最適とうたっているサイトでは、『オメガ脂肪酸が配合されているから腎不全に最適だ』と書いていました。
オメガ脂肪酸さえ摂取すれば腎不全に効果があるのだとすれば、普通のエサにオメガ脂肪酸のサプリを混ぜればそれで済む話です。
でも、そうじゃないんですよね。たんぱく質とリンを制限しなくちゃいけないんです。
シンプリーの保証分析値を見ると、粗タンパク質 31.0%とあります。
タンパク質が30%を超えるっていうのは、腎不全の猫には高すぎます。
たんぱく質は25%以下のものを、高くても27%までのものを選びたいところです。
先ほども書きましたが、我が家では、添加物の入っていない、人間が食べられるくらいのいいもので作られた療法食は全て試しました。
我が家の猫は、全部食べませんでした。
なので、添加物の入っているロイヤルカナンの療法食もあげてます。
なぜか。
「良い原材料で作った、療法食ではない普通の総合栄養食」よりも、「添加物は使っているが腎不全の為に低たんぱく低リンで作られた療法食」の方が腎不全の猫に食べさせる餌として良いと思うからです。
ここは人によって考え方の別れるところではありますが、
それでも、猫のエサについてよく知らないにもかかわらず『シンプリーにはオメガ脂肪酸が多く入っているから腎不全の猫に最適!』・・・とうたっているサイトを見つけてビックリして、今回この記事を上げることとなりました。
実際にあのサイトを見て、シンプリーを購入された方もいたからです。
ああいう情報を発信するのであれば最低でも、腎不全には低たんぱく低リンのエサを選ぶべきだという知識くらいは身に着けるべきです。
それもせずにめちゃくちゃな理論で「腎不全に最適」だなんて・・・ショックを受けました。
というかそもそも、オメガ3・6脂肪酸を配合している腎不全用の療法食、けっこう多いですよ。
シンプリーというキャットフード自体はもちろん否定していません。
というか、もう一度、シンプリーの保証分析値を見てみましょう。
粗タンパク質 31.0%、脂質 14.0%、粗繊維 1.5%、粗灰分 8.5%、オメガ6脂肪酸 2.74%、オメガ3脂肪酸2.06%、ナトリウム 0.7%、カルシウム 2.1%、リン1.5%、カリウム1.1%、マグネシウム0.14%、水分7%
タンパク質は成猫にはちょうどよく、やたらと高タンパクにしているエサに比べれば、タンパク質の摂り過ぎについての心配もありません。
脂質も高すぎず、かといって少なすぎず、少し低めくらいで丁度いい感じです。(脂質も少なすぎるとダメですし、多すぎてもダメです)
繊維質は少し少なめなので、長毛猫で毛玉ケアを期待したい・腸内環境のために食物繊維を摂らせたいなら4%以上のものなどを選ぶといいかと思います。
オメガ脂肪酸も配合されているので、わざわざサプリで摂取する必要もなく、またオメガ脂肪酸は体にいいのは間違いないのでいいですね。
安全性にこだわって作られているのも、公式サイトを見れば分かります。
(ただ、リンの値を見ると成猫向けかなぁと個人的には感じますが・・・7歳以上のシニアになれば、リンを低減しているエサにすることで、腎臓への負担が和らぎます。できればドライフードの場合だいたいリンが1%未満のものがオススメです)
ただ、【腎不全向けに作られた療法食ではない】といっているだけです。
というか、そもそも療法食として作られていません。
メーカーさんもそんな意図はないはずで、某サイトの管理人さんがかってにああいう記事を書いたのかなと思います。
あと、腎不全用の療法食は、健康な猫にあげるとよろしくないですよ。普通食に比べると脂肪分が多すぎだし、タンパク質は足りないので。
もちろん、どの療法食も全く食べない。なにか食べてくれるエサはないか、何でもいいから食べさせなければ・・・
・・・となった場合であれば、添加物などの入っていないフードは体に良くていいと思います。
その中でもやはり、低たんぱく低リンのものを選ぶべきとは思いますが。。
(なので療法食を食べない猫さんに私がお勧めするならば、腎臓に配慮して低リンにしていると公式サイトではっきり書かれている総合栄養食になります)
(ただ、タンパク質制限自体に疑問を持っているとか、そういう場合であれば、別にどのエサを選んでもいいとは思います。それは飼い主さん次第かなと。そしてその場合にシンプリーを選ぶのは問題ないと思います)
(あと、品質にこだわるならドイツ製のエサで特にシニア向けに作られたものがオススメです。ちなみに、海外製のエサは正規輸入店にて購入してください。並行輸入だと温度管理していないので品質が保てません)
・・・とまぁ、色々書いてきましたが、「何かよく分からんけどこのエサは腎不全に最適なんだよ!だから買え!」ってサイトには本当に怒りを覚えます。
あちこち詳しくサイト中を見回りましたが、猫の写真さえ他人のブログの写真の無断転載でした。(あの有名なうにちゃんの写真を無断で使ってました・・・)
どう考えても、キャットフードに対する知識がない方が作ったと思われます。もう・・・怒りが沸いて。はぁ。。
あんなサイトがあるなんて、恐ろしいことですね。。。
・・・と、そんなこんなでつらつら書いてきましたが、先ほども書いたように、普通に食べさせる分にはシンプリーはいいと思います。
特に高タンパクやグレインフリーにこだわるのでなければ、シンプリーの成分値というのはバランスが取れていると感じました。
オリゴ糖、クランベリー、グルコサミンなども配合されていて、腸内環境や関節にも配慮されているなと思います。
タウリンも、猫のエサには入っていて欲しい成分ですが、ちゃんと入ってます。
今回はあくまでも『慢性腎不全や急性腎不全のエサとして最適かどうか』をまとめていますので、そこのところご了承くださいm(_ _)m
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そんな時、とあるサイトを見つけました。
シンプリーというキャットフードが、腎不全に最適とうたっているサイトです。
シンプリーというのは一般に出回らず、公式サイトによるネット通販だけで販売されているキャットフードです。
我が家の猫様のご飯
我が家の猫様は、慢性腎不全です。
添加物も腎臓には負担になるという考えも分かりますから、まずは添加物の入っていない、人間が食べられるもので作られたプレミアムフードの中から腎不全の猫用に作られた療法食を買ってあげてみました。
↑これらが、私がプレミアムフードの中の療法食で試してみたものです。
ただ、全てうちの猫様は食べなかったので、ヒルズやロイヤルカナン、ドクターズケアなどの療法食をあげています。
気になる添加物の入っているものもあるのですが、ただでさえ腎不全用の療法食は食いつきが悪いので、とにかく「腎不全用に作られていて、なおかつ食べてくれる療法食を選ぶ」ことが大事と思っています。
シンプリーは腎不全に最適なのか?!
シンプリーは本当に「腎不全に最適」なのかを考えていきたいと思います。
まず、保証分析値を見ましょう。
シンプリーの保証分析値
粗タンパク質 31.0%、脂質 14.0%、粗繊維 1.5%、粗灰分 8.5%、オメガ6脂肪酸 2.74%、オメガ3脂肪酸2.06%、ナトリウム 0.7%、カルシウム 2.1%、リン1.5%、カリウム1.1%、マグネシウム0.14%、水分7%
見てもらうと分かりますが、リンが1.5%です。腎不全用の療法食では、だいたいリンは0.45%〜多くても0.6%です。
ただ、それぞれドライフードと言っても商品ごとに水分量が違うので、リンの%は一緒に比べられません。
パーセンテージで比べる場合は乾燥重量で計算をします。
乾燥重量で計算をすると↓
:シンプリー:水分7%でリンが1.5%・・・水分量が0%の場合、リンが1.613%
:ヒルズk/d(腎不全用の療法食):水分8.0%以下でリンが0.60%以下・・・水分量が0%の場合、リンが0.652%
:キドニーケア(腎不全用の療法食):水分10.0%以下でリンが0.3%以上・・・水分量が0%の場合、リンが0.333%
・・・こうなります。
シンプリーのリンの値が、腎不全用の療法食に比べるとかなり高いのが分かると思います。
ヒルズのk/dという療法食は、療法食の中ではリンの値が高い方です。それでも乾燥重量計算で0.652%です。シンプリーはその倍以上。
キドニーケアと比べると、4,8倍もリンが多く含まれてます。これは、同じ量のエサを食べても、摂取するリンの量が4.8倍になるってことです。
次に、キャットフードを100g食べた時に摂取することになるリンの量を見ていきましょう。
:シンプリー:1.5g
:ヒルズk/d(腎不全用の療法食):0.6g
:キドニーケア(腎不全用の療法食):0.3g
・・・こうなります。
腎不全であればリンの値が低い餌を選ばなくてはいけません。
シンプリーが腎不全の猫のエサに最適とうたっているサイトでは、『オメガ脂肪酸が配合されているから腎不全に最適だ』と書いていました。
オメガ脂肪酸さえ摂取すれば腎不全に効果があるのだとすれば、普通のエサにオメガ脂肪酸のサプリを混ぜればそれで済む話です。
でも、そうじゃないんですよね。たんぱく質とリンを制限しなくちゃいけないんです。
シンプリーの保証分析値を見ると、粗タンパク質 31.0%とあります。
タンパク質が30%を超えるっていうのは、腎不全の猫には高すぎます。
たんぱく質は25%以下のものを、高くても27%までのものを選びたいところです。
「いいエサ」ならリンやタンパク質の制限は不必要か?
先ほども書きましたが、我が家では、添加物の入っていない、人間が食べられるくらいのいいもので作られた療法食は全て試しました。
我が家の猫は、全部食べませんでした。
なので、添加物の入っているロイヤルカナンの療法食もあげてます。
なぜか。
「良い原材料で作った、療法食ではない普通の総合栄養食」よりも、「添加物は使っているが腎不全の為に低たんぱく低リンで作られた療法食」の方が腎不全の猫に食べさせる餌として良いと思うからです。
ここは人によって考え方の別れるところではありますが、
それでも、猫のエサについてよく知らないにもかかわらず『シンプリーにはオメガ脂肪酸が多く入っているから腎不全の猫に最適!』・・・とうたっているサイトを見つけてビックリして、今回この記事を上げることとなりました。
実際にあのサイトを見て、シンプリーを購入された方もいたからです。
ああいう情報を発信するのであれば最低でも、腎不全には低たんぱく低リンのエサを選ぶべきだという知識くらいは身に着けるべきです。
それもせずにめちゃくちゃな理論で「腎不全に最適」だなんて・・・ショックを受けました。
というかそもそも、オメガ3・6脂肪酸を配合している腎不全用の療法食、けっこう多いですよ。
シンプリーというキャットフード自体はもちろん否定していません。
というか、もう一度、シンプリーの保証分析値を見てみましょう。
粗タンパク質 31.0%、脂質 14.0%、粗繊維 1.5%、粗灰分 8.5%、オメガ6脂肪酸 2.74%、オメガ3脂肪酸2.06%、ナトリウム 0.7%、カルシウム 2.1%、リン1.5%、カリウム1.1%、マグネシウム0.14%、水分7%
タンパク質は成猫にはちょうどよく、やたらと高タンパクにしているエサに比べれば、タンパク質の摂り過ぎについての心配もありません。
脂質も高すぎず、かといって少なすぎず、少し低めくらいで丁度いい感じです。(脂質も少なすぎるとダメですし、多すぎてもダメです)
繊維質は少し少なめなので、長毛猫で毛玉ケアを期待したい・腸内環境のために食物繊維を摂らせたいなら4%以上のものなどを選ぶといいかと思います。
オメガ脂肪酸も配合されているので、わざわざサプリで摂取する必要もなく、またオメガ脂肪酸は体にいいのは間違いないのでいいですね。
安全性にこだわって作られているのも、公式サイトを見れば分かります。
(ただ、リンの値を見ると成猫向けかなぁと個人的には感じますが・・・7歳以上のシニアになれば、リンを低減しているエサにすることで、腎臓への負担が和らぎます。できればドライフードの場合だいたいリンが1%未満のものがオススメです)
ただ、【腎不全向けに作られた療法食ではない】といっているだけです。
というか、そもそも療法食として作られていません。
メーカーさんもそんな意図はないはずで、某サイトの管理人さんがかってにああいう記事を書いたのかなと思います。
あと、腎不全用の療法食は、健康な猫にあげるとよろしくないですよ。普通食に比べると脂肪分が多すぎだし、タンパク質は足りないので。
もちろん、どの療法食も全く食べない。なにか食べてくれるエサはないか、何でもいいから食べさせなければ・・・
・・・となった場合であれば、添加物などの入っていないフードは体に良くていいと思います。
その中でもやはり、低たんぱく低リンのものを選ぶべきとは思いますが。。
(なので療法食を食べない猫さんに私がお勧めするならば、腎臓に配慮して低リンにしていると公式サイトではっきり書かれている総合栄養食になります)
(ただ、タンパク質制限自体に疑問を持っているとか、そういう場合であれば、別にどのエサを選んでもいいとは思います。それは飼い主さん次第かなと。そしてその場合にシンプリーを選ぶのは問題ないと思います)
(あと、品質にこだわるならドイツ製のエサで特にシニア向けに作られたものがオススメです。ちなみに、海外製のエサは正規輸入店にて購入してください。並行輸入だと温度管理していないので品質が保てません)
・・・とまぁ、色々書いてきましたが、「何かよく分からんけどこのエサは腎不全に最適なんだよ!だから買え!」ってサイトには本当に怒りを覚えます。
あちこち詳しくサイト中を見回りましたが、猫の写真さえ他人のブログの写真の無断転載でした。(あの有名なうにちゃんの写真を無断で使ってました・・・)
どう考えても、キャットフードに対する知識がない方が作ったと思われます。もう・・・怒りが沸いて。はぁ。。
あんなサイトがあるなんて、恐ろしいことですね。。。
・・・と、そんなこんなでつらつら書いてきましたが、先ほども書いたように、普通に食べさせる分にはシンプリーはいいと思います。
特に高タンパクやグレインフリーにこだわるのでなければ、シンプリーの成分値というのはバランスが取れていると感じました。
オリゴ糖、クランベリー、グルコサミンなども配合されていて、腸内環境や関節にも配慮されているなと思います。
タウリンも、猫のエサには入っていて欲しい成分ですが、ちゃんと入ってます。
今回はあくまでも『慢性腎不全や急性腎不全のエサとして最適かどうか』をまとめていますので、そこのところご了承くださいm(_ _)m
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