くさよの部屋

そうだ
おい、伴
クリスマスって２４日２５日どっちだったっけ

な、なにぃ？

クリスマスだよ
ほら、ケーキ飾って、あの、
どんちゃん騒ぎやるやつさ

ああ、イブの事か
そりゃ、お前
２４日の夜に決まってるだろう

そうか
あと１週間あるな、よし

あ、おい　星ぃ

伴、俺ちょっとやることができた
またな、じゃあ

なんじゃいあいつ
まさか、あいつ

んっんっんー　んっんっんー
んっんっんーんんー
らんらんらーら　らんらんらーら　らんらんらーら
はぁ

えーっと
あれと、
あっ、これも
あ、このケーキの、もっと大きいのをお願いします

はいはい

へーい
おまちどうさま
特製のクリスマスケーキ
間に合わせるために慌てましたよ

色々無理を言ってすみません
どうもありがとうございました

ええいや
あ、気を付けて持ってください
壊れますから

さぁ、もうおしまいだぁ
よっと
すまんな伴、使っちゃって

ああ、そんなことはどうでもええ

どうした伴

おまえ今日クリスマスパーティーをやるそうじゃのう

あ、ばれたか
お前には黙っててビックリさせてやろうと思ってたんだ

花形や左門も来ると聞いたぞ

ああ、それがどうした

どうもこうもないわい
なあ星、わしはなぁ
おまえがが柄にもないクリスマスパーティーをやろうと
花形や左門と仲良くしようと
そんなことに口出ししとうはない
しかし、しかしじゃ！
給料倍増の要求をしてからのお前は
な、何か道を踏み外しているような気がするんじゃ！
危ない道を、なにか、懸命に、走っているようななぁ
なあ星、おまえ以前の星に戻ってくれんか
巨人の星を目指し、
まっしぐらに突き進んでいったあの、姿
あの姿なくしてお前の進む道が何処にあるんじゃあ

伴

勝負に立ち向かった時の相手を殺してしまいかねない
あの気迫は何処へ行った

よせ、伴

野球以外なにもいらん！
野球ロボットとして、生きると誓った
星飛雄馬は、何処へ行ったかー！

黙れ！伴！

くそぉ
何がクリスマスじゃあい！
畜生ー！

そろそろ、みんな来る頃だ
早く帰ろう


星がクリスマスの招待状？
へっはっは
こいつは傑作だよぉ

ふっはっはっはっは

ふっはは
あいつ、給料倍増を要求してから
頭が少しおかしくなったんじゃないの？

それで？花形くん
君は行くのかい？

ふん
クリスマスケーキを食べに
どうして　わざわざ
巨人宿舎まで行かなくちゃならないんだ
野球一筋に生きる火の男、星飛雄馬
それ以外の星くんには全く興味がないね
反吐が出る

なーあ、あんちゃん
星飛雄馬からクリスマスの招待状が来とったろ？
今日ばい？行かんでよかと？

お前たちの方が、先約じゃったけんのう

あははー！
星飛雄馬なんて　やめとけ　やめとけー！

やめとけ　やめとけー！

星くん
わしは君に借りがありますたい
君のその借りば返すために
わしの心が鬼になっとることば
君は知らんとですか


ん？

おー、星、ここだったか

あ、先輩ですか

今日の昼間、お前に葉書が来てたんだよ

あっ、すいません

花形と左門からだぞ
んじゃ

星くん
来年は　この左門
命ば賭けて大リーグボールば打ち込んで見せますたい
パーティーはそれからでん　おそうなか

メリークリスマス
こんなことは無用だ
君と僕との間に交わされる言葉は　これのみ
勝負！

うぐぅ
くそぅ
んん
姉ちゃん、もしかしたら
お

星さん、あんたに電報じゃよ

ああ、すいません

ザンネン　ユケヌ　アキコ

父ちゃんだ
父ちゃんの手前、来れないんだ
どうせ新聞を読んで俺のこと扱き下ろしてるに違いない
だから姉ちゃん、遠慮して来れないんだ
結局、誰も来なかったというわけか。

ふっふっふっふっふっふっふっふ
誰も来なかった、それは当たり前だ
クリスマスは人間同士でやるものだ
貴様がこれだけの支度をして待っていた
しかし　誰も　こない
それは　みんなが
貴様を野球ロボットだという事を知っていたからだ
ロボットはクリスマスはやらん！

ん、んんん

なんならどうだ？星
ロボットはロボット同士
俺とやらんか
メリークリスマス！
はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは

くそぉ
誰が
誰が貴様なんかと

さあ、野球以外なにも出来ない野球ロボットのため
乾杯だぁ！
はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは

誰が、貴様なんかと！

メリークリスマス！
はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは

ちきしょうー！

さあ、俺と一緒に乾杯だ！
はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは

ちきしょう、こんなもの！
ちきしょうー！

メリークリスマス！
はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは

ちきしょうー！

メリークリスマス！
はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは

ちきしょうー！
誰が、貴様なんかと！
ちきしょうー！
ちきしょうー！
ううっ
貴様なんか
貴様なんかニッポンに来たら
ううっ、ぐぅ
ニッポンに来たら
叩きだしてやる
叩きだしてやるぞぉ
ああ、ううっうっうっ
ちきしょうー
俺は人間なんだ
人間なんだぞ
ちきしょうー