ハイラルに伝わる 王家の伝説
そこに 一人の少年が 登場する
巨悪と戦い ハイラルを救ったのち
彼は、伝説から 姿を消した
時をこえた戦いを終え
彼は 人知れず 旅に出た
冒険の終わりで別れた
かけがえのない 友を探す旅に・・・
・・・という導入の字幕で始まるムジュラの仮面。
少年とは時のオカリナのリンク、友とはナビィの事であると一般的に考えられている様だ。
友と言えばムジュラの仮面では印象的な台詞がある。
月の中のオドルワの仮面を着けた少年の台詞だ。それは以下の様な物である。
キミの 友だち は・・・
どんな・・・ひと?
そのひとは・・・
キミのことを・・・
友だちと 思ってるのかな・・・
ここで悪魔的に短絡的な筆者の頭脳に電流が走り、恐ろしい結論を導き出してしまう。
友とはナビィの事らしいから、つまり・・・、
ナビィはリンクの事を友と思っていなかった。
お、恐ろしい・・・。俺は何故こんな結論を・・・。
(王泥喜法介並感)何故、誰もこの説を提唱しないのだろう。友と言う共通の言葉が単純だから誰でも思いつきそうな物だ。
それはきっと、この説が余りにも残酷なので、
思いついても、あえて誰も口にしなかったのかもしれない。
まだ幼いリンクにとってナビィは冒険を通じて大切な存在となった仲間だっただろう。
しかし、ナビィにとってリンクとは単なる仕事の関係だったのかもしれない。
思えばナビィはデクの樹サマに言われて仕方なく妖精を持たないリンクと組んだのだった。
言わばナビィがリンクと一緒に居たのは義務でしかなかったとも言える。
それなのに当のリンクは敵に何度も倒されたり、謎解きで何日も行き詰まったり、
挙句の果てにはストーリーと関係ない寄り道に何日も費やしたりする。
(※プレイヤーによります)そんなリンクとの仕事の関係を少しでも早く終わらせて別れたいとナビィが思っていた可能性も、
悲しい事に全く無いとは言い切れないのだ。
ガノンとの戦いが終わり、やっとの思いでリンクから解放されたナビィ。
しかし、なんとリンクは姿を消したナビィを探し始めてしまう。
このままではリンクと再会してしまい、また気苦労の絶えない生活に逆戻りだ。
そこでナビィはリンクから逃げ続ける。だから、いくらリンクが探してもナビィは見つからないのだ。
オニごっこ・・・か、いいな
そうだ、それがいい
いいか・・・オマエが オニだ
オニは にげるだけだ
それでも いいよな
これは月の中のムジュラの仮面を着けた少年の台詞である。
これも良く見ると不可解な台詞である。まず、鬼が逃げると言う点。普通は逆である。
それから「鬼ごっこか、いいな」という言い回し。
普通は、「鬼ごっこ
が、いいな」とでも言いそうな物である。
つまり、鬼ごっこはムジュラの仮面を着けた少年の発案ではなく、
会話の相手であるリンク由来の発想である可能性がある。
そうだとすると、ここで言うリンクが鬼である要素とは何だろうか。
それは、ナビィを追い求める事なのかもしれない。
ナビィはリンクという鬼から逃げていたのかもしれない。
そして、「鬼は逃げるだけ」というのは、ナビィを追う鬼であるリンクは、
ナビィがリンクを友と思っていないという現実から逃げ続けていたのかもしれない。
キミの しあわせって
どんな・・・こと?
キミの しあわせは・・・
ほかのひとも・・・
しあわせ なのかな・・・
これは月の中のゴートの仮面を着けた少年の台詞である。
ここで言う「幸せ」とはタルミナでリンクが助けて来た人々の幸せであるという考えが主流かもしれないが、
その場合、「キミの幸せ」という表現では少し違和感がある。
リンクが、他人の幸せが自分の幸せであるという聖人君主である可能性も大いにあるが、
もっと単純に考えると、リンクの幸せとは、
冒頭でも語られた様に、ナビィと再会する事なのではないだろうか。
リンクとナビィが再会する事が、リンクにとっては幸せな事でも、
ナビィにとっては幸せな事では無かったのかもしれない。この様な悲しいテーマだからこそ、最初と最後で友と言う共通のキーワードが使われたのかもしれない。
この月の中の少年の台詞は実はナビィの事を想うリンク自身の自問自答だったのだろうか。
タルミナとは葛藤に苦しむリンクの、風邪をひいている時にみる悪い夢の様な世界なのかもしれない。
人知れず世界を2つも救った英雄であっても、大切な友と思っている相手と再会する事も叶わない。
そんな黒い任天堂のダークでブラックな一面を覗かせる寂しい結末があったかもしれない。
・・・と、ここまでナビィが極端にリンクを避けていなかったとしても、
リンクがナビィに対して抱いているほど、ナビィはリンクに友情を抱いていなかった可能性は無くはない。
幼いリンクが冒険中ずっと世話をしてくれたナビィに好意を抱いたとしても、
ナビィに特にリンクと再会したいという気持ちが無かったため、二人が再会する事は無かった。
そんな、何となく甘酸っぱい結末ではあったかもしれない。
オンラインゲームで優しくしてくれた女性キャラにガチ恋してしまうキッズの様な感じ。絶大な人気のある名作に対して何と酷い考察だ。もし、こんな
駄文がファンに見つかったら怒られてしまう。
読むなよ?
絶対に読むなよ? あと
ネタバレ注意だ!
しかし、こんな駄文の俗説を圧倒的に引っ繰り返す台詞が見つかったので最後に引用する。
出会いがあれば
必ず 別れは 訪れるもの
ですが、その別れは
永遠では ないはず・・・
別れが 永遠になるか
一時になるか・・・
それは アナタしだい
サンキューお面屋
おわり