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2017年12月21日
自己啓発にハマったA美D A美は黄金の龍。そして私は
今回のお茶会で行われている「アカシックリーディング」。
A美がハマっている自己啓発セミナーとは一切関係がありません。
ですが、この界隈はどうも結びつきが強いようです。
ジョリーさんによる原田光子さんのリーディングが終わりました。
6000円という価格で得たものは背中を押された(と思えるような言葉)
と下手くそな落書きの絵でした。
A美「福部サリーさん(仮名)からアカシックリーディングを学んだんですよね?」
ジョリー「ええ、すごい力にあふれている人よ。やっぱり彼女にはオーラがあるよ」
私「へえ、オーラも見えるんですか」
二人「・・・」
6000円にツッコんでからどうも浮いてしまったような私。
もう周囲の目も気になり、どっと疲れてどうでもよくなってきました。
さあ、A美がリーディングを受ける番です。
「目を閉じて」と言うより早く、決意したように目と口をぎゅっとするA美。
「星野キキさん、いいですか。リラックスして、感性に身をゆだねて…」
「目を閉じると暗いでしょう。でもその中に…」
A美「星たちが見えますね。みんな笑っているみたい」
あんた、まだジョリーさんが話してる途中でしょうが…
鼻息荒いA美に吹き出しそうになるのをこらえる私。
隣の原田さん恐る恐る聞いてみました。
「この様子を写真に撮ってもいいですかね…」
A美がくわっと目を開けました。
「あんたお母さんに見せる気でしょ。やめてね」
「ごめん、インスタ映えするかと思って。インスタやってないけど」
原田さんとジョリーさんに少し受けました。
後ろの席の若いカップルにも受けたようです。
「私は真面目にやってるんだから、ふざけないでね」
眉間にしわを寄せて言うA美。
何かに真剣な人たち。
それを見下して馬鹿にする人。
本当によくないと思います。
でも、こうして少しでも場を和ませないと、
私は「お前らこそいい加減ふざけんな」ってもうすぐ口に出しそう。
「馬鹿にされるから、もう辞めるわ」って
いますぐA美に言ってほしい。
この場では私が浮いているけど、
世間ではあなた達が明らかにかなり浮いた存在だよ。
お金をつぎ込んで、根拠のない教えを有り難がって、またお金を使って。
今もこうして信者内でお遊びみたいな占いでお金を回し合って、
最後にはそのお金が教祖様に行くんでしょう。
A美のリーディングが再開。
ジョリー「星が見えると言いましたね」
A美「小さな星たちに囲まれて大きな月も見えます。広大な宇宙です」
こんなに頭が悪かったんだなあと情けなくなってきました。
お星さまと月。絵本かよ。平面図なのかよ。
こんな幼稚な会話を聞かされることに時間を費やして、私なにやってんだろう…
A美「金色に輝く龍が泳いできました。ぷかぷかと楽しそうに」
目を閉じたままノリノリの星野キキさんことA美。
ジョリーさんも原田さんも思わず笑っています。
私は笑ったふりをしてがっくりとうなだれました。
ジョリーさんの絵が完成しました。
中心に大きな満月。土星のような輪がある惑星がいくつか。
原田さんに描いたさっきのヘビとさほど変わらないような龍が月に向かって泳いでいます。
黒いペンなので金色ではないですが、
さっきの絵よりはいくぶん立体的な構図か。
こんなことで感心してしまう自分が悲しいですね。
「龍というのは、特別な才気を表しています。金色ならなおさらね。
広い世界をぷかぷかと自由自在な才能です。月という大きな目標に向かって
その特別な才を活かして生きていくのでしょうね」
ジョリーさんの言葉に、大きく頷き、頭を下げるA美。
確かに聞こえのいい言葉をかけられたかもしれない。
でも、これが何??
その曰く特別な才能で何をやるとか具体性も何もなく、占いと言えるのか…
こんな程度なら特別な資格を持っていなくても私にも言える。
当初からあったであろうジョリーさんへの猜疑は大きく膨らみました。
原田さんが占われていたときは特に何も感じなかった。
でも、自分の友人がまさに今、私の基準では「騙された」。
6000円の対価が、こんなもので終わった。
「自分の中に隠れていたものがようやく表に出てきた感じがします」
自ら補足するように言いながら、その言葉を噛み締めるA美は紅潮した顔。
私も呼応するわけではないですが、隠れていた怒りがだんだんと沸いてきました。
あんたはこんなもので満足してこれからもお金を払っていくの?
家族や友人から呆れられ、それでも「自分の勝手」で生きていくの?
うつむいて歯を食いしばるのを見透かしたのでしょうか。
ジョリーさんが声を掛けてきました。
「しいなきさん、あなたはお友達についてきただけよね」
「はい」
「だったらもしかしたらリーディングは難しいかもしれないね」
「はい? それはなぜですか」
「疑いの気持ちがあったり、自分を信じられないと見えないの」
なんだそりゃ。
疑われたら見えないって。
じゃあ信者だけにしか使えないんじゃねえか。
詐欺じゃないか。
「そうなんですか、これから私がお金持ちになれるかどうか見てほしいんですが」
少し強い口調で言いました。
ジョリーさんは少し笑い、
「お金儲けのことや、ギャンブルのことなどは見えません。
アカシックレコードという誰でも必ず持っているものにアクセスするの。
あらかじめ決められた宇宙意思を検索して、それを感じて生きていくためのものなの」
「はあ。じゃあ決まっているものなのに、私だけ見ていただけないんですね。
疑っていようがどうだろうが、決まっているなら関係ないような気がしますけど」
メモをとれなかったのでうろ覚えですが、おおよそこんな感じのやりとりでした。
「A美、私の分のお金は振り込んだんだよね」
私はA美をにらみつけるようにして言いました。
ケンカ腰のやり取りをした私を少し驚いたように見ていたA美。
「いや、そうだけど、疑うならやめといたらいいじゃない。
ジョリーさんにも迷惑だと思うわ」
すっかり場の空気は凍ってしまいました。
原田さんは困ったような顔をしています。
ジョリーさんは私の分の返金を申し出てきました。
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2017年12月19日
自己啓発にハマったA美C 戦慄のお茶会…
たくさんのコメントありがとうございました。
未承認でかまいませんという声も多くいただきました。
Mahoさん、カイチさん、%%5ch%%さん、翼さん、
時間をかけたメッセージや体験談ありがとうございます。
この場で御礼申し上げます。
すごく励まされ、どれも全部興味深く読ませていただきました。
(前回までのあらすじ)
自己啓発セミナーにハマったわが友人。
興味があるフリをし、私も信者同士のお茶会に参加しました。
(登場人物)
しいなき・・・私
A美・・・自己啓発にハマった友人。SNS上のペンネーム星野キキ(仮)
原田光子さん・・・A美のSNS上での友人で初対面
ジョリーさん・・・A美がハマっている自己啓発団体の認定講師
カフェの席につく4人。
私の隣に原田さん。私から見て真正面にジョリーさん。その隣にA美。
一通り自己紹介や談笑が終わり、私の緊張も多少ほぐれたところで、
「では、リーディングセッションを始めていきましょうか」とジョリーさん。
リーディングとは…?
「アカシック・リーディング」という未来を予見するような占いの類いです。
A美はこのようなあらゆるスピリチュアルに手を伸ばし、
この日もお金を払ってジョリーさんに占ってもらうことにしたのでした。
ジョリーさんという女性は、自己啓発セミナーの認定講師と同時に、
アカシックリーダーの資格を持っているとのこと。
…資格商法のオンパレードですね。
鞄の中からクリアファイルと手帳を出したジョリーさんは
「どなたから始めましょうか」
すぐ正面に座る私と目があったので、思わず首を振ってしまいました。
「では、年功序列にしましょうか」
そう言ってほほ笑む原田さんが手を挙げて立候補しました。
なんて上品で穏やかな人…
だからこそこういう世界を疑うことなくにハマってしまうのでしょうか。
ジョリーさんはクリアファイルの中からA4サイズぐらいの白い紙を出し、
ペンを走らせました。
「今から原田光子さんの潜在意識にアクセスしていきます…」
「目を閉じて深呼吸をしてください。力を抜いてリラックスして…」
「何かが見えてきましたか?」
原田「何か…もやもやと白い光が…」
ジョリー「それが宇宙の意思です。今からあなた自身が検索しようとしているものです」
原田「緑の風景が見えてきました。大きな木があって、リンゴがなっています」
ジョリー「動物はいますか」
原田「えー鳥が飛んでいるかな」
ジョリー「うーん、おそらく木の影に白ヘビがいますね」
ああ、もうだめだこりゃ…
こういうものを一切信じていなかった私は、どうしても
真剣にこの状況を味わおうとしている方々を見下した気持ちになっています。
酷いことだということも分かります。
私って人間ができていないんだなあと自己嫌悪に。
ただ、当初の動機からして興味本位の野次馬根性が大勢を占めての参加ですから
仕方ないこと。
少女のように目を輝かせるA美とは対照的に、
私はこの光景を顔を真っ赤にしながら、
笑いをこらえるように渋い顔で見てしまうのでした。
だってほかにお客さんがいるのに「目を閉じてなんたらかんたら」って。
異様な集団です。
私が細かに手帳にメモをしているのを見て、
「なになに? ちゃんと勉強してえらいわあ〜」と小声で茶化すA美。
ごめん、ただずっとあんたらの一言一句を逃さずメモしてんだわ…
そうこうしているうちに、
ジョリーさんの手元の紙に、お世辞にもうまいとはいえない絵が完成。
丘の上のリンゴの木からヘビがにょきっと顔を出しています。
まるで小学生の落書きのよう。
ジョリー「あなたの意志の強さを表す太い幹の木。
真っ赤なリンゴはあなたがこれからつくっていく未来を表します。
意志を貫いた先にある大きな成果ということですね。
ヘビは幸運の使者ですが、あなたの邪魔をする存在でもありますね。」
原田「すごい。やっぱり見えてしまうんですね。
実はこれからハンドメイドのネットショップを立ち上げようとしているんです
でも、家族から反対されていて…うちの旦那みたいなヘビさん。うふふ」
A美「すごいすごい! うわあ、ちょっと鳥肌が立ちました!」
いやいやいや、全部こじつけ…
何にでも言えること…
何にでも成果や障害はあるでしょうよ…
絵を手渡され、いとおしそうにそれを見つめる原田さん。
ジョリー「もし道に迷ったら自分でももう一度イメージしてみてください」
A美「これでモニター価格6000円は安いですね。背中を押されたんじゃないですか」
!?
ろ、ろくせんえん!!??
このど下手な絵と今の言葉で!?
しかも実はこれは事前振り込みなのです。
私の分はA美が立て替える約束をしていたのですが、
まさかこんな内容にそんなに払わないといけないなんて。
先にいくらか聞いておかなかったことを後悔しました。
いろんな意味で痛すぎる。
「ろくせんえんなの?」
思わず小さく口にしてしまいました。
少し凍ったような間があって、
原田さんが上品に言いました。
「お金じゃないのよね。自分が感じたいものに気持ちよく支払うの」
A美が少しいら立ったような口調で言います。
「あのね、しいなき。これ破格だと思うよ。
このリーディングを体感して学べるんだから。それに、ぎいさんが言ってるよ。
お金のブロックを外すこと。価値観を変えるとお金はまた入ってくるんよ。
まだ大きい額は無理でもこうして少額から(メモ不鮮明につき略」
6000円あれば家族でちょっといい外食ができる。
こんな誰でも思いつくような言葉と落書きもらうより
焼肉でも食べにいったほうがよっぽど幸せになる。
また入ってくるの根拠はなによ。
やっぱりその教祖、本当にろくでもないな…
平気で素人である教祖・ぎいさんのコンサートに1万円出すA美には、
これから自分だけに作られた宝物をもらうような心境なのでしょう。
形のないものに6000円はとても…
これは貧乏性なんかではない普通の金銭感覚だと思うのですが…
私の胸の奥にあった「もし信者に会って話して馴染んでしまったらどうしよう」
という小さな懸念は、この瞬間にさっぱりと消え去ったのでした。
長くてすみません。
続きます。
2017年12月12日
自己啓発にハマったA美 (お知らせ)
いつも閲覧ありがとうございます。
更新していない期間も多くのアクセスがあり、本当に励みになります。
このたび、非公開コメントも含めていくつか、
自己啓発セミナー教祖らを仮名ではなく実名にしてのブログ更新を求める声をいただきました。
今後もこういった声を多くいただけるのであれば、
仮名ではなく実名での告発ブログにできたらと思っていることをお知らせします。
あくまでも一般の信者名は避け、本を出していたり、高額のセミナーを展開している人物や
関わりかたや距離感を誤ると危険だと思われる人名(芸名)だけですが・・・
実は最近、嫌がらせらしきコメントが多くなってきています。
承認制にしていて表示されないにも関わらず、です。
特定人物への批判ともとられることになれば、私もさらに相応の覚悟で臨まなければいけません。
そして、どんな信者獲得の手法でも、社会通念に外れていることであっても、
それが違法でないのであれば被害者と加害者を分けるものは難しく、
否が多くとも賛否両論はあるということを考慮しなければなりません。
ただ、そうしたセミナー通いや新興宗教のような教えへの傾倒について、
自己責任論だけを言い始めれば、家族と周囲の心配などは初めから無意味になってしまいます。
これからも変わらないことは、あくまでも今回のA美に対してのように
注意喚起、自己啓発の本来の意義、そして何かに依存することの怖さを
どうにかしてうまく伝えられるように訴えていかなければならないということです。
趣味で始めた育児ブログとは趣旨が離れてきたので、
移転も含めて本格的な告発ブログを検討したいと思っております。
(実はブログ更新の仕方やコメント承認などの操作が複雑でおっくうになっている部分も・・・)
ご意見やアドバイスなどいただけるようでしたら、ぜひお気軽にお寄せください。
2017年12月09日
自己啓発にハマったA美B 信者との対談へ
A美がわけの分からないスピリチュアルの話を
一方的にまくし立てているだけでしたが、
少しずつ時間は過ぎて、
お互いに子どもを保育園に迎えに行く時間になりました。
「肯定はできないけど、信じるものは人それぞれだと思う。
今は一つだけ、あなたが依存状態にあることは意識していてほしい」
それだけを正直に伝えました。
「心配ありがとう。多少はわかってる部分もあるよ。でも…」
A美は納得しない様子で、様々なセミナー生の商売の成功例や、
スピリチュアルや「引き寄せ」の効果を語り続けるのでした。
「女性性のきらめき、綺麗な宝石、宇宙の神秘や不思議なことは
女の子ならだれでも興味があるはずでしょう」
人それぞれという私の言葉が聞こえていなかったのか
畳みかけてくるA美。
そんな下らない物に没頭するより、仕事や家事や子育てをこなし、
目の前のことをきちんと一つ一つやってから趣味を楽しむ。
私はそんな人のほうを信頼します。
「体験すれば絶対に納得してもらえる。
見もしないで否定するのはおかしいよ」
そういうA美の押し付けが、正直に言って不快でした。
…ただ、これは一つのチャンスかもしれない。
このとき私はそう思ったのです。
一度、そのセミナーなどに潜入したり、関係者と会うことができれば
その矛盾やおかしな所を指摘してA美に突き付けてやれるじゃないか、と。
そのためのしっかりとした理論武装も必要ですが。
「どうしてそこまでこだわるのか知りたいし、何か行けるところはあるの?」
恐る恐る言うと、A美は破顔一笑。
「認定講師さんに、モニター価格でカウンセリングを申し込むよ!」
金払うんかい…
正直うんざりでしたが、仕方ありません。
モニター価格というならそこまではしないだろうし
(後にひっくり返ることになるとは思いもしない私)
A美がトイレに立ったときに、泣き出しそうなお母さんにお詫びをして
「思い通りには行きませんでしたが、アプローチを変えて粘ってみます」
「いろいろと試してみますので、お母さんはちょっと静観していてください」
そう伝えました。
お母さんも少しは安心したようで、私に何度も丁寧に頭を下げていました。
「どうかあの子を見捨てないで友達でいてあげてください」
その言葉が、私が動くための燃料としては十分でした。
日取りはすぐにA美から送られてきました。
ぎいさん(仮)認定講師のお茶会のような少人数の会に参加することになりました。
ちょうど何もない日だったので、
「楽しみにしています」と心の中で棒読みのメッセージを送っておきました。
連絡から5日後。
集合場所は都内某所のホテルのロビー。
A美と合流するとびっくり。
やはり化粧は濃いめでしたが、それよりも
首から大きな宝石のようなものをぶら下げています。
「それすごいね…」
「これは女神巻きのアンダラクリスタルといって世界で私一つのうんちゃらかんちゃら」
「いくらぐらいするの??」
「ん、まあ3万円ぐらいだったかなあ?」
私に咎められるのを恐れたのか、ごまかしたような言い方でした。
こぶし半分サイズぐらいの青い石。
夜店でみたことがある子どものおもちゃのような色使い。
私ならどんなに気に入っていても人前では恥ずかしくて付けられません。
以前のA美は、そこまでジュエリーにこだわるタイプではありませんでした。
女性として抑えていたものを開放したとでも言いたげです。
ホテル併設のカフェへ。
そこにはもうA美の顔見知りという人が待っていました。
「うわあ感激ー、初めましてー!星野キキです」
それ、マジで言っちゃうんだ…
そう思いました。
上記のカギかっこ内の挨拶を発したのはその人ではなくA美なのです。
A美はSNS上では「星野キキ」(仮)として活動しています。
私はうつむいてすっぱいものでも食べたような渋い顔をしました。
「キキさん、いつもフェイスブック見てます。お会いできて嬉しいです」
穏やかにそう話す人は、40代ぐらいでしょうか。
特別に若作りしているわけでもなく淡い色のカーディガンを着ていて、
ただ優しくおとなしそうで、裕福そうな人という印象です。
原田光子さん(仮)という方でした。
ペンネームとは思えないのでおそらく本名でしょう。
「キキの友達のしいなき(姓のみ)です…」と私もしかたなく一礼。
緊張やら恥ずかしさやら情けなさがごちゃ混ぜになり顔が真っ赤になりました。
それと同時ぐらいに、原田さんが私の後ろに向かって大きく手を振りました。
ぎいさん(仮)塾の認定講師の登場です。
仮名ばかりで申し訳ないのですが、
その人はジョリーさんという明らかなペンネームでした。
「遅れて申し訳ありません。初めまして」
原田さんよりは恐らく若く、30代後半から40代前半ぐらいでしょうか。
指輪やイヤリングが大きくて目立ちますが、優しそうな笑顔で
丁寧な挨拶からも、まったく悪い人には見えません。
どうしてこんなに悩みのなさそうな普通の人達が、
明らかにうさんくさくて高額な自己啓発なんかにハマってしまうんだろう。
浮かんだ疑問は、彼女らと話しているうちにすぐに瓦解しました。
2017年12月06日
自己啓発にハマったA美A 反論したい気持ちを抑え…
このブログは自己啓発のすべてを否定するものではありません。
それによって気持ちが楽になったり、
何かを成し遂げる力にできたり
本来はそういった助けになるのが自己啓発の意義だと思います。
ただ、私の友人のA美は、
それが日常にあふれ出し、生活を脅かす状態に陥ったのでした。
私とお母さんの指摘によって激高し、
「私は間違っていない」とA美は怒鳴りました。
もちろん正解も不正解もありません。
そして何が善で何が悪かも問いません。
ただ、本来は自己啓発を施した自分が進んでいく方向は、
今のA美の状態のように周囲から異質に思われたり、
自己中心的な考えになるものでは決してないはずです。
A美の話を聞いていくと、いろいろなセミナー講師やブロガーの
根拠のない思想や教えが世には溢れていることを知りました。
カルト宗教にしか見えないような思想も多数あります。
子育てに疲れたり、親やパートナーとうまくいかなかったり、
介護に追われたり、幼いころのトラウマから抜け出せなかったり
そういった心の弱った人達が、
偶然にも突き当たった手触りの良い教義を妄信してしまう。
その後の「依存」や「洗脳」が最も危険です。
多くの場合は教祖や、一見成功している人への「憧れ」も加わって
A美のように舞い上がった突飛な行動で周囲を不快にしていたり
子育てを放棄し、パートナーに見捨てられてしまうのでしょう。
「子どもの泣き声が嫌いで、作業を中断されることが腹立たしい。
思ったことを口に出すようにしたり、ノートに書くことで気持ちは楽になる」
子どもは泣くよ。だからって子育てが苦手とか嫌いとかにつなげないで。
自分の子だよ。自分が導いてあげるしかないでしょう。
思ったことをそのままぶつけられた人はあなたのことを信用するかい?
ノートに書いたネガティブな文字は、書いた事実とともにずっと消えないよ。
「頑張りすぎないことが大切。自分のやりたいことだけをやって生きて
なんとかなるって、ぎいさん(仮)が教えてくれた」
頑張らなくてもいいのはその通り。
でも、それを決めるのは自分でないと。
そのぎいさんとかいう教祖はA美の人生についての責任は一切とらないよ。
自分の人生がなんとかなるかどうかは自分で決めるしかないんだよ。
「お金は使えば使うほど入ってくる。ブロックを外さないと」
入ってこない。現実を見なさい。
ブロックなんて外さなくていい。
あんたの生活費は旦那さんが一生懸命働いてもらってくるんでしょう。
A美の話を聞きながら、こんなふうにすぐに反論して断罪したい気持ちを抑え、
少しでもA美に私達の気持ちが伝わることを待ちました。
結局のところ、A美は楽しそうに見えるものに飛びつき、
すべて自分の見える範囲に置こうとしているだけのように思えます。
そうでなければ、お世辞にも歌がうまいと言えないただのセミナー講師の
一回1万円もするコンサートツアーになんか普通は行きません。
人気アーティストのS席が取れてしまう金額です。
お母さんもついに涙ぐみ、私もしばらくは黙って聞いていました。
A美は、「認定講師になる」と宣言しました。
そのぎいさんとかいう普通のおじさんが定めたセミナーに通い、
お墨付きを得ようとしているのでした。
公的なものでも、就業に役立つものでもありません。
ぎいさんに支払う高額の対価で得る認定です。
小中学生のようなくだらない師弟ごっこにすぎません。
「今度、夏ちゃん(仮)の物販に行くから、お母さんお金貸してよ」
女性らしさを売りにしたスピリチュアルのカルト教祖が、
定期的にナプキンやグッズなどの販売をしているようで、
A美はそれの通うことも生きがいにしてしまっているようでした。
むしろこちらのほうが気味が悪く、限りなくタチが悪そうです。
「夏ちゃんみたいな可愛らしく大勢に囲まれて輝いている女性になる」
「いつか本を出すことが目標。お母さんもしいなきも応援してほしい」
国語の成績が悪かったあなたが何の本を出せるっていうの。
聞けば聞くほど絶望的な状況で、どうにも答えが出せそうにありません。
このままA美は根拠もあいまいなおままごとの世界にどっぷりとハマって、
お金を絞られるだけ絞られ、
「それでもいい」と笑う人になるのでしょうか。