2024年04月20日
【短編怪談】部屋に盛り塩【洒落怖】
私はよく金縛りにあうので、
部屋に盛り塩をしているが、
気づけば塩が皿から散らばっていることもよくあった。
何日か前、それに気づかずに布団にはいった。
すごく静かな夜で、外から車の音もしなく、
家の中からも何の音もしない。
ふと嫌な予感が走った。
その時にはもう体は動かなく、私の上には何かが乗っていた。
腹の中心部で何かが上下に動いている。見たこともない爺さんだ。
体は小さめでガリガリに細く、
体には合っていない大きい服を着ていた。
顔は暗くなっていてよく見えないが、
頭の形は大きく飯櫃(いびつ)だ。
腹の中心あたりで動いているので、
だんだん息苦しくなってきた。
そこでふっと金縛りから解放された。
息は荒く汗もかいていた。
何か音が欲しいと思い、
コンポのリモコンに手を伸ばそうをした瞬間、
目眩のような感覚に襲われた。
起き上がる力もなく、横になったままの状態になった。
同じものが私の体に乗っていた。
何度も何度も繰り返し私の上で動く。
もうこの状況には諦めるしかなくなっていた。
そのまま目を閉じると、目は開いていて、
私はリモコンを手に取り、上半身を起こしている状態だった。
そのまま歌を大きめにかけ、眠った。
次の朝、布団の感じがザラザラしていることに気がついた。
盛っていた塩を見てみると、塩は散らばっていて、
布団の中をもう1度、見ると盛り塩らしきものが光っていた。
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