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2022年05月25日
ジョナ
肩に乗る 鳥の重さよ 12グラム

ほんの12gの十姉妹ではあった。
でもその喪失感は地球以上に重たい。
わずか4年半の命。
ジョナは青年の真っ盛りで逝ってしまった。
いや、死なせてしまった。
あれから1カ月、今でもジョナはどこ? と
夫婦二人で家中を探すこともよくある。
そして、そうか、もういないのかと
深い溜息をつく。
毎日、12時間もの深い眠りの後、
タオルにくるんだ暗闇から解放され
鳥カゴが食卓の上に置かれる。
目覚めたジョナがチュチュルルルチュチュルルと
軽く唄い、エサをパクつく。
やがて早くカゴから出せといわんばかりに鳴き騒ぐ。
私が朝食のパンを食べ始めるのを
待つかのように肩にとまり、催促する。
これが彼と私の日課だ。
お昼には妻の肩でゴハン粒をバク食いする。
おやつは茹でたトウモロコシが大好物だ。
お腹が一杯になると掌ほどの大きさの器に飛び込んで
バシャバシャと大水浴び。
毛繕いを済ませ疲れてくると、
天井近くの隠れ家に入って昼寝。
コロナのせいで隠遁生活が長くなり、
ジョナといる時間も大幅に増えた。
たまに妻と外出して帰り、
玄関を開ける音に鋭く反応して
大声で鳴きまくる。早くカゴから出せ! 
旨い物喰わせろと
騒いでいるのだ。

何もしてやれなかった。
怪我だか病気だかも分からなかった。
ある日突然、それまで私の頭をかすめ
家中を飛び回っていたジョナが
カゴに戻ってから
頭を真っ赤に染めるほど血を吐いた。
何もできなかった。
病院に連れていくのも遅れた。
いろんな神々やご先祖様たちにも
ジョナを助けてくれと
お願いもしたが、
日に日に弱っていくばかりで、
最期の1週間は唄うことも
鳴くことも飛ぶことも
満足に食べることすらできなくなっていた。
ただ、最期の日の前夜。
それまで弱弱しく閉じていた
両目をカッと見開き鬼気迫る表情で
ジョナは餌を搔き込んだ。
食欲が出て来たんだ、
まだ生きてやるという意欲が湧いてきたんだ、
明日もう一度病院でみてもらい、
いい薬をもらえばもっと良くなると
安心したのが間違いだった。
エサを食べ終わったジョナは
いつものように身体を震わせ寒がり、
掌に飛び込んできた。
しばらく膝の上で寝かせてから
仕方なく目を醒まさせ
いつも以上にカゴに入るのをいやがるジョナを
無理やり押し込んだ。
翌朝、カゴの中は静まり返り
ジョナは冷たい骸になっていた・・・。
ジョナよ、帰って来い! また唄え!水浴びしろ! 
食べろ! 遊び回れ! 飛び回れ!
みんなの肩に頭にとまりに来い!
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Posted by たまてつ at 14:30 | 十姉妹 | この記事のURL
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たまてつ
北九州市小倉生まれ。妻子持ち。 70歳。千葉在住。故郷離れて はや48年。 小倉弁の素晴らしさ、 面白さをこの川柳とエッセイで 全国に広めちゃる!
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