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2016年01月01日

日本くぎづけ大学に考える”言葉の力”

年末の特番ということで、日本テレビで放送されていた「日本くぎづけ大学」。

副題として「五郎丸ポーズ作った女性コーチが伝授するメンタルを強くする法」と名付けられ、番組の後半では、ワールドカップラグビー日本代表のメンタルコーチを務める荒木香織さんをゲストに迎え、今年流行した”ルーティン”に関するエピソードを紹介していきました。

この内容がとても良かったです。
”五郎丸ポーズ”という内容とは少し違うかもしれませんが、私はこの番組から”言葉の力”を一つ学ぶことが出来たと思います。

それはどういうことかといいますと・・・

まず、荒木さんが五郎丸ポーズを作り上げる過程で取り組んだ事は、
「感覚を文字に置き換える」
ということでした。

感覚は有意識・無意識を含めた情報を総合的に結びつけたもので、それぞれの人間に固有のものです。
また、絶えず移り変わり、形をとどめることがありません。
記憶という形で蓄積されていくとは思いますが、それを「感じたときの状態」で100%再現することはかなり難しいことだと思います。
それが感覚というものです。

番組では荒木さんが「文字で言うと?」「考えてる?」と五郎丸選手に繰り返し問いかける映像が流されていました。これは、その瞬間に「五郎丸選手が感じていた感覚」を後で再現すること、つまりルーティン化する手助けをしていた、という事なのだそうです。
これを聞いて、感覚という曖昧なものに、「言葉」というフレームを嵌め込むことで、記憶の中から再現することを容易にするための仕掛けが作れるのだろうなという事です。
分かりやすく言えば、トリガーとか、タグといった類のものだと思います。

感覚を単独で思い出すことはなかなか難しいです。
しかし、特定の言葉や行動に「その時感じていた感覚」を結び付けることができれば、次はその言葉や行動で「その時感じていた感覚」を呼び起こすことができるのならば、感覚の再現率は飛躍的に上がるのかもしれません。
(五郎丸選手もインタビューの中で「波が小さくなった」と話していました。これは感覚の再現率が上がったということの証だと思います)

これが私がこの番組から学んだ「言葉の力」です。

また、このエピソードが示唆するのは、「言葉」というものは一見共通の記号でありながら、実は個人個人に固有のものだという事です。
言葉にはそれぞれの個人が固有の記憶・感情をリンクさせているからです。
五郎丸さんに「ドレミファソラシド」という言葉が浮かび上がらせるイメージと、音楽家が「ドレミファソラシド」と聞いた時に浮かび上がらせるイメージとは、全く別のものになるはずです。

例えば「父」という言葉一つとっても、円満な家庭に生まれ育った人は何だか優しいイメージを連想するかもしれませんが、ギャンブル狂で家庭を壊してしまった父親を持つ子どもにしてみたら相当に暗いイメージを連想させるでしょう。

言葉を他人に対して使う際には、このことに留意しておくことで、話の「ズレ」を防げると思います。

ということで、「言葉」に対しての思考を深めるきっかけになる、良い番組でした。
面白かったです。
タグ:言葉
posted by 霧島もとみ at 2016年01月01日 | Comment(0) | TrackBack(0) | そこはかなきこと
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他人との距離感をいつも遠く感じながら生きてきました。高校の体育祭のフィナーレでは、肩を抱き合って大はしゃぎする光景に「何でこんなに盛り上がれるんだろう・・・?」と全く共感できませんでした。共感できない自分が理解できず、いつも悩んでいます。そんな私でも面白いと思うことはこの世界に一杯あります。それが私の生きる糧でした。面白いことが増えていけば、よりたくさんの人が楽しく生きられるはず。そんな世界を夢見ています。
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