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高坂圭
フリーランスの放送作家・脚本家、コピーライター として活動し、33年目を迎えました。 最近は、物語プランナーとして、ストーリーの力で ビジネスをアップするクリエイターとしても活動しています。
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2023年05月17日

ハマってしまった。 「神様のカルテ」 夏川草介

僕が紹介するまでもない

ベストセラー小説。

信州松本にある24時間体制の

医院で奮闘する若い医者たちの

物語。



夏目漱石を敬愛するあまり、話し方が

古風で、妻を細君などと呼ぶ主人公のキャラが

初めはいささか作り物めいて、?だったが

読み進めていくうちにハマった。



他の登場人物たちもとてもユニーク。

年齢不詳の売れない画家、男爵。

水のように酒を飲み、さりげない

優しさを魅せる居酒屋九兵衛のマスター。

そしてなにより主人公の妻、山岳写真家の

ハルがいい。



大事な人が余命いくばくもないと知った

主人公、栗原一止(いちと)は妻のハルを

居酒屋に誘う。



「内藤先生、良くないんですね」

暗鬱な気持ちを振り払うように酒杯に手を

伸ばそうとすると、それより先に細君が

自分の杯を取り上げて、くいと一息に飲み押した。

思わず目を丸くする。

「ハル、大丈夫か、そんな勢いで飲んで」

「今日は、イチさんの分まで飲み続けます」

ぎゅっと酒杯を睨みつけてそんなことを言う。

「苦しいお酒はイチさんの分まで飲みます。

おいしいお酒は、イチさんと一緒に飲みます」

とんと胸を叩いて、「任せてください」と

澄んだ声を響かせた。



いやはや、こんなこと言われたら、たまらんでしょ。

いま、パート3の途中までですが、

2は泣かされっぱなしでした。

こんなにいい小説なら、もっと早く読めばよかった。





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感想(8件)



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