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2023年10月01日
これ、名作だなぁ。 映画「続・深夜食堂」
年間映画館で100本以上は
観る。
家での配信やDVDなどを合わせれば
多分200本以上になる。
けれど案外覚えていない。
’
今回たまたま観たこの作品も映画館で鑑賞済みなのに
ストーリーがかすかに頭に残っているだけ。
だから、楽しめる。
だから、また泣ける。
頭悪いって、得することもあるだなぁ。
’
ストレスが溜まると喪服を着る女。
子離れ、親離れが出来ない蕎麦屋の親子。
詐欺に引っ掛かり上京してきた老婆。
’
どれも良かったー。
あはは、ほとんど初めて観るような感動。
もう一度、こっそり皆さんにお伝えしますね。
あのね、頭悪いって、捨てたもんじゃないです。
’
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三度目の読了 「風よあらしよ」 村山由佳 ’
常識からはるかに逸脱している
人間、小説に惹かれる。
アナキストの大杉栄、伊藤野枝も
そのひとり。
これまでも二人にまつわる本はたくさん
読んできたけど、村山由佳さんが
渾身の力で小説にしてくれた。
’
先人の作家では寂聴の「美は乱調にあり」
だが、村山さんは持ち前の優しさとセンチメンタル
さがにじみ出て、激しさの中に柔らかさのある
伊藤野枝像になっている。
少し長くなるが、気に入った文章を引きながら
この小説を紹介したい。
’
「幼い頃から口減らしのためにあちらこちらへ
やられ、その都度、違った風習や異なる考え方に
さらされてきた」野枝は、
「あれが辛かった、これが悔しかった、と一つ
ひとつ話せば話すほど、腹の中で黒々と煮詰まって
いる怒りがいいかげんに薄まってしまうのがいやだ。
いっそこの黒い塊を、石炭を備蓄するように溜めて
おいて、いつか思い切り燃やしてやる。正しく仕返し
をしてやるのだ」と思うほど、熱い少女だ。
’
やがて野枝は、親が勝手に決めた男との結婚を
すぐにやめ、元の担任だった
辻潤と恋に落ち、女として人として目覚めていく。
平塚らいちょうを始め女性の自立を問いかける、
日本初のフェミニズム誌「青踏」にも自ら志願し、参加。
そして運命の男、大杉栄と恋に落ちる。
大杉は無政府主義者だが、
「大杉にとって最も大切なのは、主義や運動や革命云々
以前にただ自由であり、精神そのものだ」
と著者は書く。
ここは僕も、右に同じ。激しく共感。
さらに印象的なシーンがある。
’
喫茶店の部屋の壁に
(お前とならばどこまでも 栄)と落書きした
大杉に対し、
(市ヶ谷断頭台の上までも 野枝)と隣に書きつけた。
「かかしゃん、うちは……うちらはね。
どうせ、畳の上で死なれんとよ」と
母に告げた野枝の激しさがとてもよく出てるシーンだ。
’
人間的にも思想的にも決して褒められた二人で
はないが、少なくとも
貧しき側に立ち、死ぬまで闘った足跡は心を打つ。
作家が己の技術を駆使し、魂を込めた書いた一冊と
いうのがある。
’
たとえば中上健次なら「岬」、梶井基次郎なら「檸檬」。
村山由佳の「風よあらしよ」はまさしく、そんな熱量を
感じる一冊だ。
2023年09月30日
スマートなフーディーをめざして。「お客さん物語 飲食店の舞台裏と料理人の本音」 稲田俊輔
飲食業に関わって二十余年になる。
主に広告と企画、売り上げの戦略を
考える仕事だ。
’
常に視点はお客さん側でモノを考えてきたが、
飲食店側の気持ちもよくわかる。
そんな僕にとってこの本は、かゆいところに
手が届く感じで、日ごろ思っていることを
代弁してくれる。
’
著者は人気の南インド料理専門店「エリックサウス」の
総料理長。
お客さんの炎上を避けるために、柔らかい物腰で
いる飲食の人の割には、結構ストレートに気持ちを
語ってくれる。
僕が最も、そうだと納得したのは、こんな文章。
’
飲み物は飲みたくなければ注文しなくていい、
というのは、それはそれで正論です。
しかし、仮にそういうお客さんばかりに
なってしまうとほとんどのお店は潰れて
しまうのも、如何ともし難い事実。
基本的に料理はあまり儲かりません。
欧米で生まれた「レストラン」という
システムそのものが、お酒で利益を出す
ビジネスモデルなのです。
’
……さらにこんな文章。
’
イタリアンのリストランテでカップルが
それぞれパスタ一皿ずつだけを食べている
光景は、シェフに小さなため息を吐かせるでしょう。
そこで一緒にシーザーサラダをシェアし、
傍にカシオレが置かれ、食後にまたそれぞれ
デザートとコーヒーを楽しんでくれれば、
想定に近い「利益」は確保できるかもしれませんし、
オペレーションも特に乱しません。
しかしそれもやっぱり、シェフの心を少しだけ
ざわつかせます。
’
お店の勝手な自己実現欲求に、お客さんの側が
いちいち気を遣って合わせてあげなければ
いけない道理は、確かに無いのかもしれません。
しかし、(これはあくまで個人的な意見ですが)
お店が作り出そうとしている世界観を理解し、
それに身を委ねることは、そのお店を最大限に
楽しむための最も確実な方法だと思います。
’
……ほんとにその通り。お金を払ってるのだから
何を食べようと自由、と思ってる人も多いけど、
少なくともレストランの悦楽を味わうためには、
お客にもそれなりのルールがあるんだよな。
’
スマートで楽しいフーディー、目指してます。
’
飲食業に関わって二十余年になる。
主に広告と企画、売り上げの戦略を
考える仕事だ。
’
常に視点はお客さん側でモノを考えてきたが、
飲食店側の気持ちをよくわかる。
そんな僕にとってこの本は、かゆいところに
手が届く感じで、日ごろ思っていることを
代弁してくれる。
’
著者は人気の南インド料理専門店「エリックサウス」の
総料理長。
お客さんの炎上を避けるために、柔らかい物腰で
いる飲食の人の割には、結構ストレートに気持ちを
語ってくれる。
僕が最も、そうだと納得したのは、こんな文章。
’
飲み物は飲みたくなければ注文しなくていい、
というのは、それはそれで正論です。
しかし、仮にそういうお客さんばかりに
なってしまうとほとんどのお店は潰れて
しまうのも、如何ともし難い事実。
基本的に料理はあまり儲かりません。
欧米で生まれた「レストラン」という
システムそのものが、お酒で利益を出す
ビジネスモデルなのです。
’
……さらにこんな文章。
’
イタリアンのリストランテでカップルが
それぞれパスタ一皿ずつだけを食べている
光景は、シェフに小さなため息を吐かせるでしょう。
そこで一緒にシーザーサラダをシェアし、
傍にカシオレが置かれ、食後にまたそれぞれ
デザートとコーヒーを楽しんでくれれば、
想定に近い「利益」は確保できるかもしれませんし、
オペレーションも特に乱しません。
しかしそれもやっぱり、シェフの心を少しだけ
ざわつかせます。
’
お店の勝手な自己実現欲求に、お客さんの側が
いちいち気を遣って合わせてあげなければ
いけない道理は、確かに無いのかもしれません。
しかし、(これはあくまで個人的な意見ですが)
お店が作り出そうとしている世界観を理解し、
それに身を委ねることは、そのお店を最大限に
楽しむための最も確実な方法だと思います。
’
……ほんとにその通り。お金を払ってるのだから
何を食べようと自由、と思ってる人も多いけど、
少なくともレストランの悦楽を味わうためには、
お客にもそれなりのルールがあるんだよな。
’
スマートで楽しいフーディー、目指してます。
2023年09月28日
もっと真摯に。 「プロフェッショナル ふたりのキネマ 〜山田洋次と吉永小百合〜」 ’
とんでもないドキュメントを観た。
92歳の監督と78歳の女優が
本気でモノを作っている。
女優(最近はジェンダー的に俳優と
呼ぶらしいが、僕はこの言葉が好きだから)、
吉永小百合は試写を観て言う。
「この映画を観て心洗われたようになり、
楽しく思う人は多いと思うけど、
私はまだまだだなぁ、と。
もっと思いを表現できるような女優に
ならないとダメ、だと、思いました。
もっと勉強して、自然に演技できるような
人になりたい。
辞めようかと思ったこともあったけど、
いまは、もっとやりたい、もっと勉強したい」
前にも書いたけど、二人のレジェンドが
タッグを組んだ本作は、説明台詞が多すぎて
正直きつかったけど、
92歳で現役で映画を作ってる人、
78歳で初々しく美しい人が、同時代に
生きてるんなんて、それだけでスゴイことだよね。
https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/trailer.html?i=40027&fbclid=IwAR0Jn5amKseCiLCUJMCzN6RJ3SzXdTZ9zxTlUoh_SBsLDSlge7KeMZf_NgI
2023年09月27日
2023年09月23日
いやー、話には聞いてたけど。 「ディア・マイ・ミスター 私のおじさん」
ネットフリックス、全16話の
うち、まだ8話なんだけど、
今まで観た韓国ドラマでベスト
だなー。
’
不器用だけど真摯でひたむきに生きている
中年男性と、過酷で悲惨な人生を歩いて
きたために、人も世間も全く信じていない
若い女性との邂逅が、まぁー細やかに、ただの
色恋にならないように、ナイーブに、けれど
ドラマティックに描かれていて、
いやー、ほんと見事な脚本です。
’
さすがに全部を一度に見る体力はもうないので
今日はこの辺で止めるけど、
まだ未見な方はぜひ。
これは並大抵のドラマじゃないですよ。
うち、まだ8話なんだけど、
今まで観た韓国ドラマでベスト
だなー。
’
不器用だけど真摯でひたむきに生きている
中年男性と、過酷で悲惨な人生を歩いて
きたために、人も世間も全く信じていない
若い女性との邂逅が、まぁー細やかに、ただの
色恋にならないように、ナイーブに、けれど
ドラマティックに描かれていて、
いやー、ほんと見事な脚本です。
’
さすがに全部を一度に見る体力はもうないので
今日はこの辺で止めるけど、
まだ未見な方はぜひ。
これは並大抵のドラマじゃないですよ。
2023年09月22日
うーん 「バーナデット ママは行方不明」
2023年09月21日
2023年09月20日
まさか、実話だとは。 「グランツーリスモ」
レースものは、基本、映画と
相性がいい。
古くは、「グラン・プリ」、
「栄光のル・マン」を始め、
疾走する車をスクリーンで
見るだけで、快感とスリルが味わえる。
’
本作も、その気持ち良さを十分に
感じさせてくれるのは、もちろんだが、
さらに面白いのはストーリー。
カーレースのゲーム、「グランツーリスモ」の
達人が、本物のレーサーとなり、
活躍するというマンガみたいな話、
これがまさかの実話を基にしたというから
驚きだ。
’
日産、プレイステーションと、仕掛けた
企業名がストレートに出てくるのも、
ドキュメントのようで、嬉しい。
さらに父と息子の葛藤、愛情もきちんと
描いていて、ドラマとしてもじんとくる。
ぜひ映画館で観て欲しい。
’
2023年09月19日
やったー。Tverで観られる 「俺の話は長い」
31歳のダメニートなくせに
屁理屈は一人前。
家族を煙にまく、しようもない
論理をベラベラ。
なんてドラマなんだけど、これが
面白くて、どこか配信しないかなぁと
思ってたんだよね。
いやー、嬉しいなぁ。
’
ほんと、金子茂樹さんの本がいいんですよね。
ちなみに、このドラマで彼は、2020年の
向田邦子賞を受賞してます。
やっぱりなぁ。