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2016年05月08日

補足6:フランス人記者の証言


フランス人記者であるロジェ・ファリゴとレミ・クーファーによる中国の諜報機関を扱った"The Chinese Secret Service"という本の中でも川島芳子の生存説について取り上げられている。この書は黄昭堂訳で『中国諜報機関』1990年光文社出版と日本語訳があるのだが、この日本語版は一部しか翻訳されていない抄訳でちょうど川島芳子生存説の部分は抜け落ちているため、全体を知りたい人は英語版あるいはフランス語版を参照してほしい。

著者のフランス人記者であるロジェ・ファリゴとレミ・クーファーはフリー・ジャーナリストを名乗っているが、その著作がほとんどスパイ物という経歴から見ると、記者というのは表向きの身分で本当はフランス情報機関の人間である可能性が高い。

フランス人記者2人によるこの書は主に康生という毛沢東の時代の中国情報機関のボスの伝記を中心に書かれている。この康生という男は中国特務機関のボスとして麻薬取引や文化大革命を背後から指揮し恐れられた人物である。元女優の江青を毛沢東に近づけて篭絡し、背後から毛沢東を操ろうとしたのも康生であった。

この書の中では川島芳子が次のように紹介されている。「中国の“マタ・ハリ”。満州国で生まれ、日本人により育てられた。土肥原大佐の情報機関のために働いた。中国のラスト・エンペラーを日本の支持の下で満州国の皇帝にしようとした。数多くの情報工作に関わったが、康生のためにも動いたとされている。国民党により捕縛され北京で銃殺されたが、今なお北京で生きているという説もある。」

ここで注目したいのは、川島芳子が北京で生きているという説をフランス人記者が耳にしていることである。これは川島芳子が長春の郊外で方おばあさんと名乗り暮らしていたという話とは矛盾しない。なぜなら方おばあさんが長春にいたのは夏の数カ月だけで、そのほかの時期には各地の工作拠点に出没していたからである。方おばあさんはしばしば北京で元首相の息子であった西園寺公一を訪問していたという情報がある。そもそも西園寺公一が民間大使として中国に派遣されたのは、1957年に溥傑の長女の慧生が表向きは恋人との心中自殺という名目で殺害され川島芳子を日本の皇室との秘密外交に使えなくなったためである。

さらにフランス人記者は中国共産党の情報機関のボスであった康生と川島芳子が協力関係にあったとほのめかしている。では康生と川島芳子とは具体的にどのような関係にあったのであろうか。本文の別の部分を読むと、康生は1930年代にモスクワから中国に戻ると満州国皇帝溥儀の統治下にあった中国東北地方の情報活動を始めた。そこで溥儀の宮廷で料理人をしていたある男から情報を得て、その男を通じて川島芳子とも連絡を取っていたというのである。大変にグルメであった康生は満州国崩壊後に溥儀の宮廷でコックをしていたこの男を雇い入れて自分専属の料理人とした。後に康生亡き後このコックはケ小平によって暗殺されたそうだ。ともかく川島芳子が康生を通じて中国共産党と連絡があったというのは注目すべき情報である。

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