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2022年07月26日

読書感想文『若本規夫のすべらない話』

アナゴさんや独特のナレーションで有名な声優、若本規夫さんの本『若本規夫のすべらない話』を読んだ。

なぜ手に取ったかというと僕は役者やアーティストが書いた本から参考にする点を見つけるのが好きで、若本さんがどのように取り組んでいるか知りたかったから。
この本もとても糧になる一冊だった。

普通の読書感想文なら、「この本には〜と書かれていて…」となるのだろうけど、ネタバレになるし、このブログで本に書かれている内容を得るべきではないと思うから避けます。
しかし、避けてどう書くべきか…。


どのような境遇から声優の世界に入ったかや企業秘密のようなとっても大切な事を惜しみなく書かれているこの本。

僕が読んで感じたのは自分がやってきた事は間違いではなかったという事。
若本さん程ではないにしろ似たような事をこれまで僕もやってきていて、それが間違いではない事が分かり、今後の活動に繋がる自信を得た。

僕はこれまで芸の為になるような演劇関係の本を読んだり、ワークショップに行ったり、発声に関しては芝居の発声練習以外に声楽、ボイストレーニング、能、浪曲、落語などをやってきて、最近はナレーション、声優技術を学ぶボイスレッスン(早々にカリキュラムが終了しました!)など色んな声の出し方を学んできていて、様々な声の出し方を知っていた方が芸の幅が広がり良いのではないかと思っていたのだけれど、それは間違いではないらしく、若本さんは僕以上にやられていた。

この本には半生も書かれていて、興味深いのはそのどれかが欠けていたら声優のスタートは切っていなかっただろうという点。
天才や才能がある人は遺伝もあるとは思うけれど、育った中で自然と努力を積み重ねている人なのだろうと改めて思った。

テレビで活躍されているアイドルやタレント、歌手に芝居が上手な方が多いけれど、その理由も本から発展して分かった。
人前で歌やダンスをしたり、バラエティ番組などでトークを展開する事が演技レッスンになっているようだ。

例えば大泉洋さん。
北海道で演劇をやりつつ、ローカル番組に出ていた事で喜劇に必要な技術を体得し、芝居にとって良い経験値を得ていたのだと思う。
現在芝居が面白く、セリフが自然に感じるのはこの積み重ねからであり、「番組で売れただけ」では決してないはずだ。それだけならここまで長く活躍出来ないし、紅白の司会まで出来るはずがない。

僕で言えば、現在青森のラジオ番組を担当していて、毎回違ったトークを考えてやっているけれど、気がつかなかったがこれも演技にとって良い経験値になっているのだろう。最近はあまりやっていないけれど、YouTube動画で色々喋ったり、ライブでの歌やMCも良い経験値になっているのだろう。
芝居で場数を踏めない分、ライブをやってきた部分もあったけど、結果的に間違いではなかったようだ。

「役者は台本に書かれているセリフが言えたら良い」と思われがちだけれど、そうではないとこの本で確信した。


…と感想を得たお薦めの一冊。
お手に取られてはいかがでしょうか?


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