どちらもCMのスタンドインというお仕事。
CMというのは放送分は30秒などと短いけれど、照明のライティングやカメラのアングルを細かく調整するのでとても時間がかかるもの。それに本役のキャストがずっと付き合うのは大変。という事で背格好など似た人が代わりに立ったり、演じるのがスタンドイン。
このスタンドインというお仕事はプロフィールで公にされるものではない。
以前、スタンドインの仕事をやったという方に「誰の代わりだったんですか?」と聞いたけど、口を閉ざされた事があり、出役じゃないからか言いたくない仕事のようで、業界的には低く見られる傾向にあるのかもしれない。
だけど、演ってみるとこれも立派な役者の仕事だと感じた。
何を求められ、どんな内容かを汲んでやらないとスタッフチームのテストにはならない。またその内容を汲むというのは役者にとってとても大切な能力。
特に二件目に関しては僕の演技を見て本役にどうやってもらうかを検討する部分もある重要な実験台で演技の引き出しが試された。
演っている時は考えられなかったけれど、僕の演技次第で商品の売り上げが変わり、大変な額のお金が流れる。僕の演技で日本経済が変わる。…と、まで言うとオーバーですね。
かと言って、オーバーでもない。深く考えると生半可な気持ちではやれなくなる。
今まで色んなバイトをしてきたけれど、ドリンク、お弁当(朝からだと3食)を頂けて、ギャラもあるこの仕事を低くはとても考えられない。芝居と全く関係のない肉体労働より数倍良い。芝居で培ったコミュニケーション能力を教えるワークショップの仕事をされている方や演技講師をやられている方もいらっしゃるけれど、それと同様に出役以外にも役者の仕事は色々あるようだ。
普通の仕事も難しい世の中で、どう俳優として生きていくか、これから考えるべき事なのだろう。
職業に貴賎なし。
社会に役立つ仕事は他にもたくさんあるんだろうと思ったのでした。
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