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2021年06月14日

高校演劇を色々観て〈後編〉

先週の前編に続き、録り溜めていた高校演劇を観ての感想完結編。

・NHK Eテレ
青春舞台 2017

第63回全国高等学校演劇大会の会場は仙台銀行ホール イズミティ21。ここも以前立った事がある劇場。搬入口裏にあるお店で牛タンを食べたっけ。

沖縄県立向陽高等学校「HANABI」
県民性なのかダイジェストで観ても伸び伸びとしていてとてもいい。アメリカの大型バイク、ハーレーダビッドソンを演じたのには驚いた。

最優秀賞は兵庫県立東播磨高等学校「アルプススタンドのはしの方」。
完成度の高さにとても驚いた。
舞台上にはアルプススタンドを思わせる柵とベンチがあり、登場するのは演劇部の二人と元野球部員と優等生の4人。甲子園に出場する華やかな野球部員達の熱戦の中で、彼らのコンプレックス、劣等感がコントラスト鮮明に細やかに描かれている。
ボールの行方を追う演技や大阪弁の緩急豊かに飛び交うセリフはプロのようだった。
作は当時顧問の薮博晶先生。調べると19年にプロが上演して20年には映画化もされたらしい。そして今年21年のセンバツに同校野球部が21世紀枠で出場。映画化で注目されたのも一因らしい。
今年浅草で舞台が再演されて副部長役だったコが同じ役でプロの舞台に立ったとの事。
「いい」と感じるものは皆さん同じらしい。

密着映像の中で時々見る発声訓練。「アッエッイッウッエッオッアッオッ!」というやつ。僕も昔、養成所時代によくやったけど、何故やるのか、やる意味まで考えてやっているのか少し疑問に思った。
野球も昔と今では定説が違う。昔は水を飲むとスタミナがつかないと言われていたし、根性論が美徳だった。
最近の演劇界はシアターゲームを取り入れて表現の幅を広げようとしている。だけどやったらセリフが言えるようになる訳ではないから、まだ野球ほど指導要項が出来ていないのが現実。
もし演劇部で何も考えずにやっている事があるとしたら、皆さんで考える必要があると感じた。

・NHK Eテレ
青春舞台 2019

第65回大会は佐賀県鳥栖市民文化会館。(残念ながらここは立っていません。)
これまでの番組は2時間の中に出場校の作品紹介と密着、その後に最優秀賞のノーカット放送だったけど、この回は出場校の紹介の回と優秀賞のダイジェスト、最優秀賞のノーカット放送の2番組に別れていた。
帯広北高等学校は在籍していた3年生が卒業したので、入部間もない1年生が参加。部員は4人で二人芝居。それでも優秀賞を獲ったのだから凄い。
2017年最優秀賞の「アルプススタンド〜」のセリフにもあったが、地区大会は秋で全国大会は翌年の夏。最優秀賞と優秀賞3校が出演出来る国立劇場はその後になるのだろうけど、このスケジュールはどう考えてもおかしい。
このスケジュールを初めて知ったが、高校野球のような流れにしないと生徒が可哀想だ。大人達でしっかり考え直してもらいたい。

密着部分に多く時間が裂かれたのはカンテレ 7RULES(セブンルール)でも観た屋久島高等学校。題目は「ジョン・デンバーへの手紙」。
実在した屋久杉伐採の被害を映画で食い止めた方のお話。密着ではモデルになった方も登場して当時の様子を語った。
劇はYouTubeにフルサイズでアップされているようなので、気になる方は是非ご覧ください。

最優秀賞は逗子開成高等学校「ケチャップ・オブ・ザ・デッド」。作は飛塚周・逗子開成高等学校演劇部。
とても完成度が高かった。
大学生が映画を森に撮りに行ったらゾンビに遭い、ゾンビと試行錯誤しながら映画を撮る、という内容。会場からは手を叩きながらの笑い声があったり、とても面白く最後はゾンビの死についてもしっかり描かれていた。
タイトルにもあるケチャップの扱い方が面白かったけど、下に何か敷いていたのかもしれないが、国立劇場でもやる勇気が凄い。
これもどこかでやっているか調べた流れで演劇部コーチの話が掲載されていたのを読んだ。作でコーチの飛塚先生は山形東で高校演劇をやり、東北大会で坂口安吾「桜の森の満開の下」で敗れ、いつか審査員全員に評価される事を目標に大学進路を変え、高校に赴任し、演劇部コーチになり、この作品を書き、全国大会初出場で見事日本一になったらしい。その執念に天晴れを贈りたい。「見返してやる!」という思いはどこか黒く正当な感情ではなく感じられるけど、人を奮い立たせ強くするアーティストにとって大切な発奮材料だと思う。

高校演劇を沢山観て色んな疑問を感じたが、一番大きいのは観た中に最優秀賞で既存の戯曲はなかったという点。
顧問が書いたり、部員や自分達で書いたものが殆ど。
その新しい視点、アイディアが採点に有利という事なのだろうか?
一番のメリットは現代の言葉遣い、普段の言葉遣いでセリフを交わせるという点だろう。
ただでさえ舞台でセリフを言うのは難しいのに、普段使い慣れない言葉だと更に難しくなる。普段の日常語で成り立っている芝居が観る方も観やすくなり、採点評価も上がるという事なのだろうか。(個人の感想です。)
だから顧問に本が書ける先生がいらしたら、相当有利なんだろう。もし高校野球みたいに学校の宣伝になると演劇も思われたら、東京などで活躍している劇作家が雇われたり、演技指導に俳優が呼ばれたりするようになるのかな。そうなればなったで、演劇界が潤うからいいのか…。

って事で、最優秀賞を獲ったら高校のイメージアップに繋がりますから、学校関係者の皆様、僕らを呼んでみませんか?プロが大切にしている本の読み方、声の出し方、正しいイントネーション、力点の置き方、舞台の動き方、その他基礎的な事をお教えします!


話の方向が変わってしまったけど、高校演劇に青春を捧げる姿は本当に素晴らしい。その純粋さを蘇らせたい。

スポーツが出来ず、クラスの一軍になれず、これといって楽しくない生徒の皆さんは演劇部はいかがでしょうか?
出る役以外にも音響、照明、演出、舞台装置など裏方の仕事もあります。みんなで一つのものを創るのは簡単ではないですが、やり終えた時の達成感は何物にも変えられない人生の財産を得られるはずです。

だけど、部活を機会に卒業後プロを考えるのはあまりオススメしませんが…。

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