2018年06月09日
保育士は女性よりも男性の方がストレスが高い!?〜保育士の離職率、勤続年数を考える
最近見た記事でこのようなものがありました。
「保育士は女性よりも男性の方が高ストレス者の割合が高い…?」
保育士は「ブラック」というイメージがあり、実際にキツイと考える人が多いのですが、女性よりも男性の方がストレスが高いというのは、どう理解したらよいのでしょうか?
男性保育士の平均勤続縁数は女性保育士よりも短い
厚生労働省の会議資料『保育士キャンペーン資料』
を見てみましょう。
出典:「140804保育キャンペーン資料」厚生労働省
それによると、平均勤続縁数は
女性:8.0年
男性:4.7年
と男性の勤続年数が半分近く短い状況になっています。
他の仕事、一般企業の場合、結婚や出産で辞める女性がいるので、勤続年数は「男性>女性」になっているのが普通ですよね。保育士の場合、なぜ男性のほうが続かないのでしょうか?特に「男性保育士だからすること」ってないはずですよね・・。
私の保育園に来た男性保育士の事例
実は去年、私が勤める保育園に男性保育士の方が就職しました。前職が販売員で、保育士資格を持っていたので、落ち着いて働きたくて、資格職である保育園に転職してきたそうです。
いい感じで溶け込むかな〜と思っていたら、わずか一週間で来なくなり、そのまま退職してしまいました。その間、特に彼に大きな負担をかけたことはなく、むしろ、新人保育士ということで、責任がある仕事は免除していました。
結局、その男性保育士が来なくなり、辞めてしまった理由を聞くことができませんでした。
考えられる「男性保育士が続かない理由」
私なりに、男性保育士が続かない理由を彼の例も踏まえて考えてみたいと思います。
1.女性の職場である
別の記事で述べたように、保育士は95%以上が女性です。したがって、あまりに異性だけの職場なので、いたたまれないというのがあると思います。女子高に一人だけ男子がいても、彼は気軽に話せる同性がいないので悩みを溜め込んでしまいます。そのため、いつか我慢できなくなり、職場を辞めて楽にならざるを得ないというわけです。
2.問題児、訳アリが保育士になりやすい?
保育士は1970年代後半に男性「保父」として開放されるまでは、100%女性という職業でした。現在でいう「助産婦」は男性がなれない、のと同じレベルで「男子禁制」だったわけです。
そういう雰囲気、「保育士は女性の仕事」という社会的な認知によって、一段下に見られているのも確かです(残念ながら「保育士にしかなれなかった」という態度の人はいます)。
その中で保育士を選ぶ男性は、「絶対にここで成功してやる!」というパイオニア精神にあふれた人は、何をやってもダメなので仕方なく保育士を選ばざるを得なかったという人のどちらかでしょうか?
一週間で辞めた彼は、どうやらメンタルを病んでいたことがあるようです。だからダメということではなく、一般的に男性がやる職業と思われていない保育士を選ぶ人は
・意識が高く本気でやりたい人、目的がある人
・変な人、訳アリ
という両極端の属性を持つ人が、他の職業よりも多いものだと思われます。
目的が高すぎて夢破れた人も、変わり者で保育士になってみたもののやはり無理という人も、訳アリで保育士を選ばざるを得なかった人も、他の職業の男性よりも辞めやすいのかもしれません。
3.女性は「保育士になりたい」と夢を持っている人が多い
もう一つの考えとして、「男性保育士の離職率が高い」のではなく「女性保育士の離職率が低い」という見方です。
「第一生命」が毎年実施している「大人になったらなりたいもの」のアンケートで、女の子部門の「幼稚園・保育園の先生」は1989年の統計開始以来、ほとんど上位3位に入っています。
子どものころからのあこがれの職業であり、女性保育士の場合は積極的に保育士になった人が多いことが考えられます。したがって、仕事に対するモチベーションも高く、つらいことがあっても続けることができるのかもしれません。
4.保育士では家族を養えない?
最後は年収の問題です。ご存知のように保育士の年収は低く、男女で大きな差はありません。つまり、男性の場合、結婚して子どもが生まれた場合、保育士の収入では家族を養えないと思って、別の仕事に転職してしまう人が少なからずいる、ということになります。
幼稚園の先生や小学校の先生は、年齢とともに年収も上がっていきますが、保育士の場合、ある程度管理職的な立場にならないと、高い収入を得られない職場が多いようです。そこまで頑張れればいいのですが、自分と家族の生活がかかっているため、「戦略的撤退」をせざるを得ないということになります。
そこでストレスがなぜ男性の方が高いのか?
離職率や勤続年数についてはわかりましたが、それがストレスにつながるのでしょうか?つながるのだといえます。
1→ストレスをこぼす相手がいない
2→ストレス処理がもともと下手
3→女性の方がやる気があるのでストレスが溜まらない、相対的に男性のストレスが高くなる
4→家族を養うプレッシャーというストレス
確かにどの切り口からでも、男性保育士のストレスが高くなりそうですね。今回のニュースからいろいろ考えてしまいました。
「保育士は女性よりも男性の方が高ストレス者の割合が高い…?」
保育士の総合健康リスクは、男女共に全国平均を大きく下回っており、その他職種と比較しても低めの数値となっています。しかし、男性の保育士については、高ストレス者の割合が約15%と、とても高い数値が算出されました。
保育士は「ブラック」というイメージがあり、実際にキツイと考える人が多いのですが、女性よりも男性の方がストレスが高いというのは、どう理解したらよいのでしょうか?
男性保育士の平均勤続縁数は女性保育士よりも短い
厚生労働省の会議資料『保育士キャンペーン資料』
を見てみましょう。
出典:「140804保育キャンペーン資料」厚生労働省
それによると、平均勤続縁数は
女性:8.0年
男性:4.7年
と男性の勤続年数が半分近く短い状況になっています。
他の仕事、一般企業の場合、結婚や出産で辞める女性がいるので、勤続年数は「男性>女性」になっているのが普通ですよね。保育士の場合、なぜ男性のほうが続かないのでしょうか?特に「男性保育士だからすること」ってないはずですよね・・。
私の保育園に来た男性保育士の事例
実は去年、私が勤める保育園に男性保育士の方が就職しました。前職が販売員で、保育士資格を持っていたので、落ち着いて働きたくて、資格職である保育園に転職してきたそうです。
いい感じで溶け込むかな〜と思っていたら、わずか一週間で来なくなり、そのまま退職してしまいました。その間、特に彼に大きな負担をかけたことはなく、むしろ、新人保育士ということで、責任がある仕事は免除していました。
結局、その男性保育士が来なくなり、辞めてしまった理由を聞くことができませんでした。
考えられる「男性保育士が続かない理由」
私なりに、男性保育士が続かない理由を彼の例も踏まえて考えてみたいと思います。
1.女性の職場である
別の記事で述べたように、保育士は95%以上が女性です。したがって、あまりに異性だけの職場なので、いたたまれないというのがあると思います。女子高に一人だけ男子がいても、彼は気軽に話せる同性がいないので悩みを溜め込んでしまいます。そのため、いつか我慢できなくなり、職場を辞めて楽にならざるを得ないというわけです。
2.問題児、訳アリが保育士になりやすい?
保育士は1970年代後半に男性「保父」として開放されるまでは、100%女性という職業でした。現在でいう「助産婦」は男性がなれない、のと同じレベルで「男子禁制」だったわけです。
そういう雰囲気、「保育士は女性の仕事」という社会的な認知によって、一段下に見られているのも確かです(残念ながら「保育士にしかなれなかった」という態度の人はいます)。
その中で保育士を選ぶ男性は、「絶対にここで成功してやる!」というパイオニア精神にあふれた人は、何をやってもダメなので仕方なく保育士を選ばざるを得なかったという人のどちらかでしょうか?
一週間で辞めた彼は、どうやらメンタルを病んでいたことがあるようです。だからダメということではなく、一般的に男性がやる職業と思われていない保育士を選ぶ人は
・意識が高く本気でやりたい人、目的がある人
・変な人、訳アリ
という両極端の属性を持つ人が、他の職業よりも多いものだと思われます。
目的が高すぎて夢破れた人も、変わり者で保育士になってみたもののやはり無理という人も、訳アリで保育士を選ばざるを得なかった人も、他の職業の男性よりも辞めやすいのかもしれません。
3.女性は「保育士になりたい」と夢を持っている人が多い
もう一つの考えとして、「男性保育士の離職率が高い」のではなく「女性保育士の離職率が低い」という見方です。
「第一生命」が毎年実施している「大人になったらなりたいもの」のアンケートで、女の子部門の「幼稚園・保育園の先生」は1989年の統計開始以来、ほとんど上位3位に入っています。
子どものころからのあこがれの職業であり、女性保育士の場合は積極的に保育士になった人が多いことが考えられます。したがって、仕事に対するモチベーションも高く、つらいことがあっても続けることができるのかもしれません。
4.保育士では家族を養えない?
最後は年収の問題です。ご存知のように保育士の年収は低く、男女で大きな差はありません。つまり、男性の場合、結婚して子どもが生まれた場合、保育士の収入では家族を養えないと思って、別の仕事に転職してしまう人が少なからずいる、ということになります。
幼稚園の先生や小学校の先生は、年齢とともに年収も上がっていきますが、保育士の場合、ある程度管理職的な立場にならないと、高い収入を得られない職場が多いようです。そこまで頑張れればいいのですが、自分と家族の生活がかかっているため、「戦略的撤退」をせざるを得ないということになります。
そこでストレスがなぜ男性の方が高いのか?
離職率や勤続年数についてはわかりましたが、それがストレスにつながるのでしょうか?つながるのだといえます。
1→ストレスをこぼす相手がいない
2→ストレス処理がもともと下手
3→女性の方がやる気があるのでストレスが溜まらない、相対的に男性のストレスが高くなる
4→家族を養うプレッシャーというストレス
確かにどの切り口からでも、男性保育士のストレスが高くなりそうですね。今回のニュースからいろいろ考えてしまいました。
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