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2021年07月02日

賞味期限改ざんで引責辞任「がんこフードサービス」

 コロナで最も打撃を受けた業界の一つが飲食業界です。昨年からの歓送迎会や忘年会、新年会などの宴会需要を失った大規模店舗を運営する企業の被害は多大なものでした。

未だ過去形に出来ない話でもありますが、ここで残念な事件が起きてしまいました。

結果として、6月27日付け、責任を取る形で会長が辞任するという結末となりました。


 関西で知名度抜群の和食チェーンである「がんこフードサービス」、グループで約100店を運営しており、鉢巻をした元会長の似顔絵は同社のトレードマークとして、TVコマーシャルや街の看板などで知る人も多いでしょう。

主力の顧客層は日本人の宴会客と外国人観光客。特に「お屋敷」シリーズといわれる豪商や名家などの屋敷をそのまま使用した豪華な店舗は、リーズナブルな価格でも高級料亭の雰囲気を味わえると好評を博し、業界でも「がんこ」ブランドは確固たる地位を築いていました。

しかし、コロナの猛威により、消滅したインバウンドも大きく、大幅な赤字を余儀なくされました。

これは、誰が見ても明らかな飲食業界の流れであり、関係者にとっては特段の驚きは無く、逆に長期化を見越し、いち早くシンジケートローンによる資金調達計画を策定した事は、安心材料の一つになっていたでしょう。

そうした店舗の苦境が続いている中、5月11日に「賞味期限改ざん事件」が発覚。

昨年11月に賞味期限を迎えていた冷凍「笹蒸し寿司」計234セットで、最長9カ月後の今年8月まで期限を改ざんし販売していました。

一般顧客への通信配売や、問屋を通じてギフト用として流通していました。

この賞味期限ラベルの改ざんを支持したのは、同社外販部の管理職2名。

「前年から販売を始めた新商品だったが、売上見込みが甘く、在庫を抱えていた」という理由から「がんこ」のブランドを大きく失墜させてしまった事件でした。

これに対し、即座に利害関係の無い弁護士2名、税理士1名による独立調査委員会が組織され、その指揮監監督下に顧問弁護士を責任者とする社内調査チームが立ちあげられました。

原因究明と再発防止に努めていく事を表明しましたが、名物会長は辞任するという結末になってしまいました。

いや、結末はまだまだこれからかもしれませんが、ワクチン普及から飲食店需要の回復がある事は間違いありません。

「がんこ」ブランドが再び関西の街に活気を与えてくれる事は出来るのでしょうか。

残念なニュースでした。




タグ:賞味期限
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