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2023年08月14日
地域性のある「コオロギ食品」が各地で販売される時代が来るかも
#昆虫食 #食品ロス
「昆虫食が普及しない理由は二つある」
そう語っているのは、械ugMo(バグモ)の社長です。
その二つを伺うと
・利用価値がわかりにくい
・均一な品質・供給量を可能とするサプライヤーがない
という事でした。
「えっ!?」って思ったのは自分だけでしょうか。見た目や安全性の不安などから「食」という認知がどうしてもできないことが大きいと思っていましたが、そこはすでに問題として認識していないのかもしれません。
「コオロギ」といっても種類はたくさんいて、その中でも食用コオロギとして商業的に養殖が許可されているのは3種類。
FAO(国連食糧農業機構)が昆虫食に関する報告書を発表して以来、コオロギは世界の食糧難を解決する有力な候補として注目を集めているものの、なかなかどうして、、、という感じなんです。
そんな中でも械ugMoは社長自身の「おいしかった」という経験から企業に踏み切ったわけです。
その経験談とは、大学卒業後の農業支援でカンボジアを訪れた際、強盗に襲われてしまい無一文になったのだそうです。
現地の人に宿として泊めてもらえることになったようですが、そこでふるまわれた食事に感動したのだそうです。
捕まえてきたアリを煎ってご飯の上に振りかけてくれた、、、、これが「おいしかった」のだと。
生活の中で食べ物を調達して自分たちで食べたり、市場で売ったりするって当たり前のように行われていますが、「何を」が違うだけなんですよね。
当面の狙いは、欧米市場との事でビジネスは進んでいるようですが、わたしが注目したのは、食品ロスに関連したある取り組みです。
コオロギは餌によって風味が大きく変わる性質があるという特性から、地域固有の食品残渣に焦点を当てて養殖を試みています。
京都府だと、酒造メーカーが酒粕の廃棄に困っているとの事で「酒粕を餌にしたコオロギ」、穀倉地帯の神河町では、大量に廃棄される「米ぬかを餌にしたコオロギ」というように、土地ごとの特徴を打ち出しながら、一定の収量を上げるための餌のバランスなどを調整する。
こうした難しさにチャレンジしています。
話を聞いてみると、食用として一切視野に入れていなかった昆虫食も「ありかな?」とかほんのちょっとだけ思ったりもしました。
社長の熱意が届いたってことですかね。いや、食べてくれって熱く語ってはいないんですけど、一生懸命に取り組んでいる内容に心動かされたというか、面白そう!って思ったんです。
食べることはなくても、こうして情熱をもってチャレンジしている方の話って、感化されちゃいます。
こちらもよろしくお願いします。
おっさんが、休みの日に動画を投稿
https://youtube.com/shorts/a8o1vcN7WM4?feature=share
「昆虫食が普及しない理由は二つある」
そう語っているのは、械ugMo(バグモ)の社長です。
その二つを伺うと
・利用価値がわかりにくい
・均一な品質・供給量を可能とするサプライヤーがない
という事でした。
「えっ!?」って思ったのは自分だけでしょうか。見た目や安全性の不安などから「食」という認知がどうしてもできないことが大きいと思っていましたが、そこはすでに問題として認識していないのかもしれません。
「コオロギ」といっても種類はたくさんいて、その中でも食用コオロギとして商業的に養殖が許可されているのは3種類。
FAO(国連食糧農業機構)が昆虫食に関する報告書を発表して以来、コオロギは世界の食糧難を解決する有力な候補として注目を集めているものの、なかなかどうして、、、という感じなんです。
そんな中でも械ugMoは社長自身の「おいしかった」という経験から企業に踏み切ったわけです。
その経験談とは、大学卒業後の農業支援でカンボジアを訪れた際、強盗に襲われてしまい無一文になったのだそうです。
現地の人に宿として泊めてもらえることになったようですが、そこでふるまわれた食事に感動したのだそうです。
捕まえてきたアリを煎ってご飯の上に振りかけてくれた、、、、これが「おいしかった」のだと。
生活の中で食べ物を調達して自分たちで食べたり、市場で売ったりするって当たり前のように行われていますが、「何を」が違うだけなんですよね。
当面の狙いは、欧米市場との事でビジネスは進んでいるようですが、わたしが注目したのは、食品ロスに関連したある取り組みです。
コオロギは餌によって風味が大きく変わる性質があるという特性から、地域固有の食品残渣に焦点を当てて養殖を試みています。
京都府だと、酒造メーカーが酒粕の廃棄に困っているとの事で「酒粕を餌にしたコオロギ」、穀倉地帯の神河町では、大量に廃棄される「米ぬかを餌にしたコオロギ」というように、土地ごとの特徴を打ち出しながら、一定の収量を上げるための餌のバランスなどを調整する。
こうした難しさにチャレンジしています。
話を聞いてみると、食用として一切視野に入れていなかった昆虫食も「ありかな?」とかほんのちょっとだけ思ったりもしました。
社長の熱意が届いたってことですかね。いや、食べてくれって熱く語ってはいないんですけど、一生懸命に取り組んでいる内容に心動かされたというか、面白そう!って思ったんです。
食べることはなくても、こうして情熱をもってチャレンジしている方の話って、感化されちゃいます。
こちらもよろしくお願いします。
おっさんが、休みの日に動画を投稿
https://youtube.com/shorts/a8o1vcN7WM4?feature=share
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2023年08月12日
氷山の一角はフードロスにも当てはまる。実は2,000万トンの廃棄
食品加工業や畑などの生産現場で発生する「食品端材」って、フードロスとして捉えられずに、毎年約2,000万トンも廃棄されているらしいです。
これを含めずして、国内では年間約600万トンの「まだ食べられるのに賞味期限切れなどで廃棄されている」と情報が発信されています。
日本の食品ロスは年間600万トン、これは聞いたことがあるのではないでしょうか?自分も600万トンと記憶していたのですが、「隠れフードロス」とでも言える野菜の端材などが約2,000万トン廃棄されているという話は衝撃的でした。
野菜の端材は水分を含み傷みやすく、輸送効率が悪いという点もあるかもしれませんが、これらを低コストでパウダー状に加工する食品乾燥装置「加熱蒸煎機」を開発し、ビジネスとした会社があります。
加熱蒸煎機は300-400℃に加熱した水蒸気と熱風を、あらかじめ数ミリに刻んだ原料にあてて乾燥させます。とくちょうとしては加熱時間が5-10秒程度で原料へのダメージが最小限で済み、酸化させないことが挙げられます。
しかも、水蒸気で焦がすこともないため、熱風乾燥での茶色くなってしまう現象がなく、緑の野菜は緑のままパウダーとなり、栄養価の損失も熱風乾燥に比べると少ないのだそうです。
画期的な乾燥加工は、高温にしたセラミックに水を噴射して瞬間的に加熱水蒸気を発生させるユニットになるのだそうです。もちろん特許出願中であり、これはボイラーレスを実現させ、低コストにつなげているとの事です。
2020年8月創業の「ASTRA FOOD PLAN梶vの隠れフードロスへのアプローチは大手外食チェーンとの取り組みにもつながり、みんな大好き(個人的によく通う)葛g野家ホールディングスと、焼きたてパンのチェーン店を運営する潟|ンパドウルによる「オニオンブレッド」の共同開発プロジェクトとなりました。
吉野家では、セントラルキッチンで牛丼用の玉ねぎをスライス加工しているのですが、芯をくりぬいてスライスする際に、規格外の端材は発生するそうです。
その量、1日で最大700kgという事で、隠れフードロスに貢献(?)していたわけです。キャベツや白菜などの端材は飼料として動物園に寄贈するなど、「廃棄」とならないように努めてきているものの、玉ねぎは動物が摂取すると、中毒症状を起こす可能性があり、堆肥化か廃棄しか処分方法がない、、、、という問題があったのだそうです。
この「玉ねぎ端材」の有効活用に一役買ってビジネスとなりだしたのが加熱蒸煎機を開発したASTRA FOOD PLAN鰍ネんですね。
実際に、このパウダーを商品加工に使用して付加価値を高めるものにしようと、ポンパドウルでの採用が決まり、オニオンブレッドが誕生しました。
パン生地に練りこんで焼き上げると、香りがとてもよくなり、少量スタートの製品化だったのが、大好評で数量を増やしていきたい!というお話でした。
さらに、ビジネスの仕方なんでしょうが、加熱蒸煎機を吉野家に導入してもらい、パウダーをASTRA FOOD PLANが仕入、ポンパドウルに販売するという流れにしていこうとしています。
「機械」を販売するんですね。フードロスを削減する「機会」を販売するんですね。
これまで不必要なものだった、副産物、未使用部位など、問題意識がなければこうした事例も起こりえなかったと思います。
食品業界に身を置いているのでこうした話も聞こえてくるのですが、食品に限らず「問題意識」「持続可能性」そんなことを意識してみると、まだまだチャレンジしていないことがたくさんあるんじゃないかと感じました。
これを含めずして、国内では年間約600万トンの「まだ食べられるのに賞味期限切れなどで廃棄されている」と情報が発信されています。
日本の食品ロスは年間600万トン、これは聞いたことがあるのではないでしょうか?自分も600万トンと記憶していたのですが、「隠れフードロス」とでも言える野菜の端材などが約2,000万トン廃棄されているという話は衝撃的でした。
野菜の端材は水分を含み傷みやすく、輸送効率が悪いという点もあるかもしれませんが、これらを低コストでパウダー状に加工する食品乾燥装置「加熱蒸煎機」を開発し、ビジネスとした会社があります。
加熱蒸煎機は300-400℃に加熱した水蒸気と熱風を、あらかじめ数ミリに刻んだ原料にあてて乾燥させます。とくちょうとしては加熱時間が5-10秒程度で原料へのダメージが最小限で済み、酸化させないことが挙げられます。
しかも、水蒸気で焦がすこともないため、熱風乾燥での茶色くなってしまう現象がなく、緑の野菜は緑のままパウダーとなり、栄養価の損失も熱風乾燥に比べると少ないのだそうです。
画期的な乾燥加工は、高温にしたセラミックに水を噴射して瞬間的に加熱水蒸気を発生させるユニットになるのだそうです。もちろん特許出願中であり、これはボイラーレスを実現させ、低コストにつなげているとの事です。
2020年8月創業の「ASTRA FOOD PLAN梶vの隠れフードロスへのアプローチは大手外食チェーンとの取り組みにもつながり、みんな大好き(個人的によく通う)葛g野家ホールディングスと、焼きたてパンのチェーン店を運営する潟|ンパドウルによる「オニオンブレッド」の共同開発プロジェクトとなりました。
吉野家では、セントラルキッチンで牛丼用の玉ねぎをスライス加工しているのですが、芯をくりぬいてスライスする際に、規格外の端材は発生するそうです。
その量、1日で最大700kgという事で、隠れフードロスに貢献(?)していたわけです。キャベツや白菜などの端材は飼料として動物園に寄贈するなど、「廃棄」とならないように努めてきているものの、玉ねぎは動物が摂取すると、中毒症状を起こす可能性があり、堆肥化か廃棄しか処分方法がない、、、、という問題があったのだそうです。
この「玉ねぎ端材」の有効活用に一役買ってビジネスとなりだしたのが加熱蒸煎機を開発したASTRA FOOD PLAN鰍ネんですね。
実際に、このパウダーを商品加工に使用して付加価値を高めるものにしようと、ポンパドウルでの採用が決まり、オニオンブレッドが誕生しました。
パン生地に練りこんで焼き上げると、香りがとてもよくなり、少量スタートの製品化だったのが、大好評で数量を増やしていきたい!というお話でした。
さらに、ビジネスの仕方なんでしょうが、加熱蒸煎機を吉野家に導入してもらい、パウダーをASTRA FOOD PLANが仕入、ポンパドウルに販売するという流れにしていこうとしています。
「機械」を販売するんですね。フードロスを削減する「機会」を販売するんですね。
これまで不必要なものだった、副産物、未使用部位など、問題意識がなければこうした事例も起こりえなかったと思います。
食品業界に身を置いているのでこうした話も聞こえてくるのですが、食品に限らず「問題意識」「持続可能性」そんなことを意識してみると、まだまだチャレンジしていないことがたくさんあるんじゃないかと感じました。
2023年08月11日
新しい食は社会に受け入れられるのか?が鍵となる「代替たんぱく」
先に書いた記事から、フードテックを社会実装するためには、科学・技術の発展が前提となりますが、新規開発食品が我々消費者に受け入れられるか?という「受容性」の課題があると言えます。
フードテックとは違いますが、代替たんぱくとしの「昆虫食」のように、個人的には受け入れ難いものだったりすると広がることはないでしょう。
いや、個人的なだけで「昆虫食」って意外と抵抗ないものですか?
話がそれましたが、食の歴史は、意外とテクノロジーの歴史ともいえると思います。多くのものが生まれては消えて、といった歴史があります。
例えば、包丁は、機械にとってかわられることなく、様々な自然淘汰を経て現在の形に進化してきたと言えます。
新しい食の何が消え、何が残るのか?新規開発食品は何が重要で何が重要でないか?を考えることは意外と難しいかもしれません。
その理由として、車や携帯電話のような他分野のテクノロジーは新しいものが比較的受け入れられやすいのですが、食のテクノロジーの受容は、食べる人の心理、思想、文化、価値観などの影響がかなり大きいからです。
自分なりに考えてみたところで、フードテックによる新しい食が生き残る条件を挙げてみます。
・過去から現在の食の歴史に基づいているか(食の進化論)
・食べる側の心理的な影響を考えているか(食物新規性恐怖)
・個人の価値観に寄り添ったものか(思想、アイデンティティ)
・倫理的に問題がないか
・社会的課題の解決につながるか(持続可能性、動物愛護など)
わたしたちの求める「料理」は、食材や調理法などが限られている場合、選択肢は限定されますが、フードテックの発展は、その制限を解消し選択肢の幅を広げ、それによって自分の価値観により会った多様性のある職を選ぶ機会が増えてくると思います。
最近は、消費者がSDGsなどの社会的課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行う「倫理的消費(エシカル消費)」が取り上げられることが多くなっています。
その背景には、フードテックによって食の生産・加工・流通・消費の幅が広がり、各自が選ぶことができる食品の種類が増えていることがあるでしょう。
最後にちょっとしたお話を、、、、
フランスの美食家として知られるブリア=サヴァランの言葉
「普段何を食べているのか行ってごらんなさい。あなたがどんな人だか言って見せましょう」
というものがあるのですが、今後、過去や現在よりもテクノロジーが駆使された多様な食がより自由に選べる世界においては、食を供給する側、消費する側の両方にとって、より一層責任のある言葉となると思います。
フードテックとは違いますが、代替たんぱくとしの「昆虫食」のように、個人的には受け入れ難いものだったりすると広がることはないでしょう。
いや、個人的なだけで「昆虫食」って意外と抵抗ないものですか?
話がそれましたが、食の歴史は、意外とテクノロジーの歴史ともいえると思います。多くのものが生まれては消えて、といった歴史があります。
例えば、包丁は、機械にとってかわられることなく、様々な自然淘汰を経て現在の形に進化してきたと言えます。
新しい食の何が消え、何が残るのか?新規開発食品は何が重要で何が重要でないか?を考えることは意外と難しいかもしれません。
その理由として、車や携帯電話のような他分野のテクノロジーは新しいものが比較的受け入れられやすいのですが、食のテクノロジーの受容は、食べる人の心理、思想、文化、価値観などの影響がかなり大きいからです。
自分なりに考えてみたところで、フードテックによる新しい食が生き残る条件を挙げてみます。
・過去から現在の食の歴史に基づいているか(食の進化論)
・食べる側の心理的な影響を考えているか(食物新規性恐怖)
・個人の価値観に寄り添ったものか(思想、アイデンティティ)
・倫理的に問題がないか
・社会的課題の解決につながるか(持続可能性、動物愛護など)
わたしたちの求める「料理」は、食材や調理法などが限られている場合、選択肢は限定されますが、フードテックの発展は、その制限を解消し選択肢の幅を広げ、それによって自分の価値観により会った多様性のある職を選ぶ機会が増えてくると思います。
最近は、消費者がSDGsなどの社会的課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行う「倫理的消費(エシカル消費)」が取り上げられることが多くなっています。
その背景には、フードテックによって食の生産・加工・流通・消費の幅が広がり、各自が選ぶことができる食品の種類が増えていることがあるでしょう。
最後にちょっとしたお話を、、、、
フランスの美食家として知られるブリア=サヴァランの言葉
「普段何を食べているのか行ってごらんなさい。あなたがどんな人だか言って見せましょう」
というものがあるのですが、今後、過去や現在よりもテクノロジーが駆使された多様な食がより自由に選べる世界においては、食を供給する側、消費する側の両方にとって、より一層責任のある言葉となると思います。