2020年05月03日
栄養価の摂取基準改定でカロリー300kcalもアップ!?
「日本人を太らせる気か!!」
そんなことを思うか思わんかは人それぞれですが、「日本人の食事摂取基準」が4月に改定されました。
これは、厚生労働省が5年おきに改定して公表します。「健康な個人並びに集団を対象として、国民の健康の保持・増進、生活習慣病の予防のために参照するエネルギー及び栄養素の摂取量の基準」という位置づけに成ります。
私たちは健康や病気予防のために、エネルギー・栄養素をどう摂るべきなのか?の指標となりますが、自身の食生活でちゃんと気を遣ってますでしょうか。
実は「食事摂取基準」というものは、明治時代から作られていました。
1969(昭和44)年に厚生省(いまの厚生労働省)が策定してから5年ごとに改定され、名称も変えながら現在に至っています。
では最新の2020年版での必要エネルギー量はどうなのか?を紹介します。
1日の必要エネルギー量、30代男女とも50kcalアップ
すみません。タイトルが釣りである事が判明しました!各栄養価の変化と言うものはそれぞれ微妙な変化なのですが、長い視点で捉えると移り変わりに気付きます。
1日あたりに必要とするエネルギーの量は、1970年度から徐々に高まっており、特に男性の上がり方は顕著なんです。1970年度の2400kcalからすると、2020年度は300kcalも高まることになります。
そう、2020年から2024年まで使われる摂取基準では30代男性で2700kcalとならければなりません。今と昔では、体格の変化により昔よりも基本的にエネルギーを浪費するようになった事から、その分のエネルギーをより多く摂取する必要性が生じているのだと考えられます。
まさかここに都市伝説を求める事もないでしょう。「摂取基準を調整して学校給食の内から食生活の欧米化を進めるのだ」なんてね。
しかし、今回の改定は将来を見据えたポイントがしっかりと含まれており、今まで根拠の蓄積が少なかった高齢者についての基準が充実するという点があります。
昨今問題視されている、高齢者の低栄養・フレイルの予防などがキーワードとなっています。
また,策定方針にも以下3点について検討するように案が出されています
•高齢社会の更なる進展(2025 年問題とその先の社会)への対応
•EBPMの推進への対応
•健康・栄養に関する国際的取組への対応
•EBPMの推進への対応
•健康・栄養に関する国際的取組への対応
このうち,最初の項目については,具体的に以下のような内容のことが書かれていました.若干噛み砕いて説明すると,
•高齢者の低栄養およびフレイル予防のための目標量(目指す摂取量)を設定しよう
•個人差に対応するため,体重別の基準量などを設けよう
•高齢者の年齢区分をわかっている範囲で細かくしよう
•栄養素の説明について高齢者向けの内容を充実させよう
•個人差に対応するため,体重別の基準量などを設けよう
•高齢者の年齢区分をわかっている範囲で細かくしよう
•栄養素の説明について高齢者向けの内容を充実させよう
といった内容になります.これを見てもわかるように,今回の改定のポイントは,高齢者向けの内容の充実になろうかと思います。しっかり我々の未来を考えてくれているんです。
ちなみにさっきから出てくる「フレイル」ってなん?って事で説明残して置きます。
「フレイル」とは65歳以上の高齢者に起こりがちなある状態のことを指します。それは、「要介護状態になる前の段階」です。
例えば、硬いものが食べにくいからと、軟らかいものばかり食べていると、栄養状態が悪化し、口周りの筋力も弱まります。このような状態。口からの食に関するフレイルは、「オーラルフレイル」と呼ばれています。
東京大学の追跡調査によると、平均年齢73歳2044人のうち、オーラルフレイルだった人は、そうでない人に比べて、要介護になるリスクが2.4倍、総死亡率リスクは2.1倍高いという結果。
オーラルフレイルには、口が渇く、お茶や汁物でむせるといった特徴もあるそうです。
他にも、関節の痛みから、着替えや日常生活が困難になったり、尿もれや頻尿が気になって引きこもりやうつ状態になったり、さらには転んだ拍子に骨折して、そのまま起きるのがおっくうになるケースもフレイルとされています。
「歳のせい、、、、」とか言っている症状の事ですね。だからと言って諦めるのではく、可能性を信じて必要な栄養価と運動を組み合わせる事で、長く健康でいられる事が実現します。
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