TECH21から2チャンネルの歪みに空間系エフェクトを加えたシンプルなエフェクトペダルのPaul LandersシグネチャーモデルPL1 PAUL LANDERS SIGNATURE FLY RIG(以下PL1)が発売されます。
Paul Landersは、長期に渡りSansAmp GT2とSansAmp PSAを愛用して来たTech21ユーザーで、Fly Rigシリーズのコンセプトは気に入っていましたが、彼に必要な仕様は揃っていなかったようです。そして、今回のコラボレーションが実現する前の2017年ツアーのリハーサル中に使用していたデジタルアンプとfx機が使用不可に陥るアクシデントが発生した時に応急策として手にしたのがGT2だったようです。その結果、クルーやエンジニア、Paul本人を含む全員が「GT2の方が、エアー感がある」と言う意見で一致したようです。これがPaulのシグネチャーFly Rig「PL1」の誕生を決定づける出来事だったようです。
PL1には、歪みを司るFeuer(Fire)セクションとクリーンを司るWasser(Water)セクションを備えているようです。Feuer(Fire)セクションには、DRIVE、LOW/MID/HIGHの3バンドアクティブEQ、MID SHIFT、LEVELを備えているようです。DRIVEは、ゲインやオーバードライブ(歪み)レベルを調整し、音量を上げた時のチューブアンプ出力段のサチュレーション効果が得られるようです。LOW/MID/HIGHは、アクティブのポストEQのようです。矢印が描かれている12時方向がフラットで、右に回すとブースト、左に回すとカットされるようです。そして、LOWとHIGH:1kHzを中心としたシェルビングEQ(± 12dB)のようです。MID SHIFTは、MIDでコントロールする中心周波数を700 Hz(± 12dB)/1400 Hz(± 12dB)で切り替えるようです。LEVELは、SansAmp セクションの出力レベルを調整するようです。調整レベルのレンジが広いため、様々な機器との接続に対応できるようです。
Wasser(Water)セクションには、COMP、LOW/HIGHのデュアルバンドアクティブEQ、LEVEL、BITEを備えているようです。COMPは、圧縮量(コンプレッション)をコントロールして、非常にソフトなコンプレッションから無限のサスティーンを生み出すハードなコンプレッションまで幅広く設定できるようです。LOW/HIGHは、アクティブのポストEQのようです。矢印が描かれている12時方向がフラットで、右に回すとブースト、左に回すとカットされるようです。そして、中心周波数はLOWが120 Hz(± 12dB)、HIGHが3.3 kHz(± 12dB)のようです。LEVELは、SansAmpセクションの出力レベルを調整するようです。調整レベルのレンジが広いため、様々な機器との接続に対応できるようです。BITEは、オンにするとプレゼンスが強調されてハーモニクスと僅かなパンチが加わり、ノートの明瞭度が上がるようです。
PL1には、ポストSansAmpブースト/カット機能があり、最大+6dBブースト、-10dBカットがコントロールで設定できるようです。そして、PUNCHをオンにすると中域が強調され、ソロに適したサウンドになるようです。オフの状態では、音に脚色の無いピュアなボリュームブーストのようです。また、DLAセクションのTAP/TUNERスイッチでアクセスできるクロマチックチューナーが装備されており、チューナー使用中は出力が自動的にミュートされ、チューナーのLEDが点灯するようです。
PL1には、タップテンポ付きディレイ、ヴィブラート、アンビエンスのセクションであるDLA(ディレイセクション)があり、ディレイはビンテージのテープエコーのサウンドをベースにデザインされているようです。DLAセクションには、TIME、REPEATS、LEVEL、TAP TEMPO、VIBRATO、AMBIANCE、SIZEを備えているようです。TIMEは、最大750msecの範囲でディレイタイムを調整でき、アナログディレイと同様に演奏中にこのコントロールを操作するとピッチが変化するようです。Vibratoモードではヴィブラートのスピードを調整するようです(最小値=遅い/最大値=速い)。このコントロールは、タップテンポでも操作可能のようです。REPEATSは、ディレイ信号を入力に戻してリピート音を発生するようです。最少設定(7時)では1回だけリピートが聴こえ、設定を上げるにつれてリピート数が増えるようです。そして、最大設定では自己発振を始めるようです。LEVELは、DLAセクションの出力レベルを調整し、ディレイレベルの調整のみで全体の音量には影響しないようです。また、信号クリップ時はこのツマミが赤く点灯するようです。Vibratoモードではヴィブラートのデプス(深さ)を調整するようです。TAP TEMPOは、テンポに合わせてフットスイッチを踏んでディレイタイムを設定するようです。このスイッチを踏むと、連動してLEVELが点灯しタイムを表示するようです。VIBRATOは、ヴィブラートの機能をオンにするようです。Vibratoモード時はREPEATSを使用しないようです。AMBIANCEは、空気感を調整するようです。WASSERとFEUER(SANSAMP)いずれかのモードがオンになるとAMBIANCEは自動的にオンになるようです。不要な場合は設定を最小にする必要があるようです。SIZEがオフの時はマイクをスピーカーのコーンに近づけたような「オンマイク」のサウンドで、オンの時は空気感のある「ルームアンビエンス」のサウンドになるようです。
PL1の入出力は、1MΩの楽器レベル入力で、チューブアンプと同様の感度や負荷で動作するよう設計されているため、一般的なエレキギターと同じ信号レベル(-10dBm/250mV)を入力するようです。また、出力端子は1/4インチフォーン出力とバランスXLR出力のようです。1/4インチフォーン出力は、1kΩのローインピーダンス/ 楽器レベルのアンバランス出力で、高いインピーダンスのギターアンプ入力、低いインピーダンスのミキサーやレコーダーの入力、どちらにも接続することが可能のようです。バイパス時の出力レベルは、ユニティーゲイン(入出力レベルが同じ)のようです。また、長いケーブルで接続しても入力インピーダンスが低いため、信号の劣化はほとんどないようです(バイパス時を含む)。
バランスXLR出力は、ローインピーダンスのバランス出力で、ミキサーやオーディオインターフェースの接続に使用するようです。XLRスイッチを押す(ダウンポジションにする)と、グランド(アース)が接続されるようです。また、このスイッチをアップポジションにすると本機のグランドがリフト(アースが切れた状態)され、接続されているミキサーなどのグランドに接続されていない状態になるようです。
TECH21からPaul Landersシグネチャーモデルが出ますね。Paul Landersのファンの人は検討してみてはいかがでしょうか。
PL1についてはこちらを参照してください。