2021年03月10日
3月10日のFX自動売買ソフト M と W
【NA V12にスーパーキャパシタ】ランボルギーニ・シアンFKP 37 限定63台 歴代最強の785ps
ランボルギーニ・アヴェンタドールを、このまま最後にしてしまうのは惜しい。そこで同じアーキテクチャを用いて、限定のスペシャルモデルが作られることになった。十分納得できる。
シアンFKP 37は、アヴェンタドールと同じフロアパンを持ち、同じ自然吸気V型12気筒エンジンを搭載する。だが奇抜なボディと、スーパーキャパシタを用いた先進的なハイブリッドシステムを採用している。
英国価格は、付加価値税など抜きで250万ポンド(3億6250万円)にも達するが、限定63台のクーペはすべてオーナーが決定済み。続く19台のロードスターも、いずれすべて売却済みになるだろう。
電圧48Vによるハイブリッドシステムにも注目が集まるとは思う。でも、やはりこのクルマの主役は6.5Lの自然吸気V12だろう。
無敵と呼びたくなるアヴェンタドールSVJ譲りのユニットだが、さらにパワーアップされている。8500rpmまで引っ張れば、785psが解き放たれる。公道用ランボルギーニとしては、歴代で最もパワフルなモデルに位置づけられる。
大型のコンデンサ、スーパーキャパシタは輝かしいV12エンジンをサポートする。トランスミッションと統合された電気モーターへ電力を供給し、最大33psを130km/hの速度までアシストしてくれる。
ライバルのスーパーカーとしては、フェラーリSF90ストラダーレが挙げられるだろう。だが向こうはプラグイン・ハイブリッド(PHEV)で、電気の力だけで走行も可能。シアンはできない。
アヴェンタドールSVJより10%鋭い加速力
そのかわりスーパーキャパシタは一般的なバッテリーより軽量で、はるかに強力な性能を備えている。バルクヘッドに固定されたパワーパックは、電気モーターと合わせて34kgしか重量がない。最大電流は600Aまでカバーし、瞬間的に巨大な電力を供給できる。
ランボルギーニによれば、シアンの同一ギアでの中間加速は、アヴェンタドールSVJより10%も鋭いという。電気モーターのアシストが有効に働いていることは、いうまでもない。
シアンを目の当たりにすると、デザイナーの描いたデザインスケッチが、そのままカタチとして出現したように思える。幅広なプロポーションとくさび形のフォルムは、1974年にマルチェロ・ガンディーニが描き出したカウンタックのオマージュ。
階段状のルーバーで覆われたエンジンカバーも同様だ。一方でフロントで睨みをきかせるY形状のデイライトは、2017年のコンセプトカー、テルツォ・ミッレニオに影響を受けたものだという。
リアビューで存在感を放つのは、ワイドなボディ両端で凄みを利かせる、幅335サイズのピレリPゼロ・タイヤ。オーバーハングには空力特性を向上させるフィンが立ち、ディフューザーがボディ下部から深くえぐられている。
リアウイングは可動式で、低速域ではボディに隠れる。6角形のテールライトが6灯、宙に浮いたように見える。リアデッキには、自動で開閉する冷却用のフラップが備わる。
獰猛なエンジンと見事なサウンド
当初ランボルギーニは、イタリアの風光明媚なエリアでの試乗を計画していたが、コロナウイルスの影響で中止に。結果として運転したのは、英国ベッドフォードシャー州のミルブルック自動車試験場になってしまった。雨上がりの午後に。
といっても、特別な環境でなくてもシアンを目にすれば気分は自ずと高揚する。インテリアは基本的にアヴェンタドールと同じデザインだが、豪華な新素材が用いられ、ダッシュボード中央には縦長のタッチモニターがレイアウトされている。
アルカンターラ張りの天井へ頭が付きそうな、頭上空間の狭さも変わらない。ヘルメット着用が指定されなくてよかった。
エンジンをスタートさせると、シアンは怒鳴りたてるように目を覚ます。ハイブリッドでも、スーパーカーだから静かに発進するとは限らない。むしろ高回転域まで吹け上がるV型12気筒の獰猛さに、今の時代がゆえに一層うれしくなる。
出だしからアヴェンタドールより勢いが良い。モーターの助力でクラッチ接続も滑らかになっているが、走行中の車内は常に騒がしい。振動も隠さない。
シアンの動的性能は甚大。モーターのアシストは、高めのギアを選んだ時の低回転域で感取できる。でも、V12エンジンへガソリンを送り込めば、そのアシストはすぐに感じなくなる。
サウンドも凄まじい。アヴェンタドールSVJより音質は低く、ボリュームは大きい。レブリミット手前の1000rpmを切った辺りから、排気音は見事なハーモニーへ転調。アクセルオフで、アフターファイヤーの破裂音が響く。
言葉にできないほどの存在感
試乗したミルブルックの円形コースには、209km/hの制限速度がある。設定が低く感じられて仕方なかった。だが、タイトなカーブが連続する丘陵コースも走ったが、シアンにぴったりという印象は受けなかった。
全幅は2100mmを超え、運転席からの視界は悪い。実際以上に道幅は狭く感じられてしまう。コースは部分的に水浸しで、アクセルペダルを踏み込む機会は限られたが、少なくともグリップ力が見事なことは確認できた。
低速コーナーでは、ハイパーカーらしくないアンダーステアの予兆も。後輪操舵が標準装備でも、軽くない車重を振り回すことの難しさは、シアンでも変わらないようだ。しかしダイナミックモードに関わらず、シャシーは丘陵コースへ苦もなく順応できていた。
シアンと最も相性が良かったのは、高速コース。ステアリングホイールの操舵感は軽いものの、負荷の増大とともにフィードバックも高まる。
試乗環境は限られていたが、アヴェンタドールよりシアンの方が、運転した感覚はより生のクルマに近いといえる。一方で、印象的なまでに磨き込まれたSVJより良いともいえないだろう。
何より、シアンでわれわれを驚かせるのは、モーターショーのコンセプトカーが実際に姿を表したということ。ハイブリッドのV型12気筒が生む体験は、シアン以外で味わうことは難しい。
価格は呆れるほど高い。スタイリングも衝撃的。ベースとするのは、発表から時間の過ぎたスーパーカーだ。だがその存在感も、言葉にできないほど凄まじい。
ランボルギーニ・シアンFKP 37(欧州仕様)のスペック
価格:250万ポンド(3億6250万円)
全長:4980mm
全幅:2101mm
全高:1133mm
最高速度:349km/h
0-100km/h加速:2.8秒(予想)
燃費:4.3km/L
CO2排出量:447g/km
乾燥重量:1600kg
パワートレイン:V型12気筒6498cc自然吸気+スーパーキャパシタ
使用燃料:ガソリン
最高出力:785ps/8500rpm+33ps
最大トルク:70.7kg-m+3.5kg-m
ギアボックス:7速セミ・オートマティック
by AUTOCAR JAPAN
text:Mike Duff(マイク・ダフ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
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英国価格は、付加価値税など抜きで250万ポンド(3億6250万円)にも達するが、限定63台のクーペはすべてオーナーが決定済み。続く19台のロードスターも、いずれすべて売却済みになるだろう。
電圧48Vによるハイブリッドシステムにも注目が集まるとは思う。でも、やはりこのクルマの主役は6.5Lの自然吸気V12だろう。
無敵と呼びたくなるアヴェンタドールSVJ譲りのユニットだが、さらにパワーアップされている。8500rpmまで引っ張れば、785psが解き放たれる。公道用ランボルギーニとしては、歴代で最もパワフルなモデルに位置づけられる。
大型のコンデンサ、スーパーキャパシタは輝かしいV12エンジンをサポートする。トランスミッションと統合された電気モーターへ電力を供給し、最大33psを130km/hの速度までアシストしてくれる。
ライバルのスーパーカーとしては、フェラーリSF90ストラダーレが挙げられるだろう。だが向こうはプラグイン・ハイブリッド(PHEV)で、電気の力だけで走行も可能。シアンはできない。
アヴェンタドールSVJより10%鋭い加速力
そのかわりスーパーキャパシタは一般的なバッテリーより軽量で、はるかに強力な性能を備えている。バルクヘッドに固定されたパワーパックは、電気モーターと合わせて34kgしか重量がない。最大電流は600Aまでカバーし、瞬間的に巨大な電力を供給できる。
ランボルギーニによれば、シアンの同一ギアでの中間加速は、アヴェンタドールSVJより10%も鋭いという。電気モーターのアシストが有効に働いていることは、いうまでもない。
シアンを目の当たりにすると、デザイナーの描いたデザインスケッチが、そのままカタチとして出現したように思える。幅広なプロポーションとくさび形のフォルムは、1974年にマルチェロ・ガンディーニが描き出したカウンタックのオマージュ。
階段状のルーバーで覆われたエンジンカバーも同様だ。一方でフロントで睨みをきかせるY形状のデイライトは、2017年のコンセプトカー、テルツォ・ミッレニオに影響を受けたものだという。
リアビューで存在感を放つのは、ワイドなボディ両端で凄みを利かせる、幅335サイズのピレリPゼロ・タイヤ。オーバーハングには空力特性を向上させるフィンが立ち、ディフューザーがボディ下部から深くえぐられている。
リアウイングは可動式で、低速域ではボディに隠れる。6角形のテールライトが6灯、宙に浮いたように見える。リアデッキには、自動で開閉する冷却用のフラップが備わる。
獰猛なエンジンと見事なサウンド
当初ランボルギーニは、イタリアの風光明媚なエリアでの試乗を計画していたが、コロナウイルスの影響で中止に。結果として運転したのは、英国ベッドフォードシャー州のミルブルック自動車試験場になってしまった。雨上がりの午後に。
といっても、特別な環境でなくてもシアンを目にすれば気分は自ずと高揚する。インテリアは基本的にアヴェンタドールと同じデザインだが、豪華な新素材が用いられ、ダッシュボード中央には縦長のタッチモニターがレイアウトされている。
アルカンターラ張りの天井へ頭が付きそうな、頭上空間の狭さも変わらない。ヘルメット着用が指定されなくてよかった。
エンジンをスタートさせると、シアンは怒鳴りたてるように目を覚ます。ハイブリッドでも、スーパーカーだから静かに発進するとは限らない。むしろ高回転域まで吹け上がるV型12気筒の獰猛さに、今の時代がゆえに一層うれしくなる。
出だしからアヴェンタドールより勢いが良い。モーターの助力でクラッチ接続も滑らかになっているが、走行中の車内は常に騒がしい。振動も隠さない。
シアンの動的性能は甚大。モーターのアシストは、高めのギアを選んだ時の低回転域で感取できる。でも、V12エンジンへガソリンを送り込めば、そのアシストはすぐに感じなくなる。
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試乗したミルブルックの円形コースには、209km/hの制限速度がある。設定が低く感じられて仕方なかった。だが、タイトなカーブが連続する丘陵コースも走ったが、シアンにぴったりという印象は受けなかった。
全幅は2100mmを超え、運転席からの視界は悪い。実際以上に道幅は狭く感じられてしまう。コースは部分的に水浸しで、アクセルペダルを踏み込む機会は限られたが、少なくともグリップ力が見事なことは確認できた。
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シアンと最も相性が良かったのは、高速コース。ステアリングホイールの操舵感は軽いものの、負荷の増大とともにフィードバックも高まる。
試乗環境は限られていたが、アヴェンタドールよりシアンの方が、運転した感覚はより生のクルマに近いといえる。一方で、印象的なまでに磨き込まれたSVJより良いともいえないだろう。
何より、シアンでわれわれを驚かせるのは、モーターショーのコンセプトカーが実際に姿を表したということ。ハイブリッドのV型12気筒が生む体験は、シアン以外で味わうことは難しい。
価格は呆れるほど高い。スタイリングも衝撃的。ベースとするのは、発表から時間の過ぎたスーパーカーだ。だがその存在感も、言葉にできないほど凄まじい。
ランボルギーニ・シアンFKP 37(欧州仕様)のスペック
価格:250万ポンド(3億6250万円)
全長:4980mm
全幅:2101mm
全高:1133mm
最高速度:349km/h
0-100km/h加速:2.8秒(予想)
燃費:4.3km/L
CO2排出量:447g/km
乾燥重量:1600kg
パワートレイン:V型12気筒6498cc自然吸気+スーパーキャパシタ
使用燃料:ガソリン
最高出力:785ps/8500rpm+33ps
最大トルク:70.7kg-m+3.5kg-m
ギアボックス:7速セミ・オートマティック
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text:Mike Duff(マイク・ダフ)
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