2020年06月16日
6月16日のFX自動売買ソフト M と W
アウディR8クーペは扱いやすく身近に感じられるハイパフォーマンスマシン
進化したR8こそアウディスポーツの真髄
1980年に創立され、アウディのモータースポーツ活動を一手に担ってきたのが「アウディスポーツ」。4輪駆動のクワトロを武器に80年代のWRCで見せた大活躍や、DTM、ルマン24時間に代表される耐久レースでの常勝ぶりなど、レーシングマシンの開発とマネジメントに関して非常に高い実力を持つ集団だ。
そこでアウディは16年、同ブランドのスポーツイメージをさらに強化するため「アウディスポーツ」をサブブランド化。前後して、これまでR8やRSモデルの開発を行ってきた「クワトロ社」もアウディスポーツに一本化し、市販車の分野では高性能モデルの拡充に努めると発表した。
本格的なサーキット走行までも視野に入れて開発されるRSシリーズは、アウディの各プラントで製作した半完成の車体をネッカーズルムの専用ラインに持ち込む。一部手作業も含めて特別仕立てのエンジンやパーツを組み込み、ボディのカスタマイズなどを行うという、とても手の込んだ過程の末に完成する。標準型のボディをベースとするシリーズとは、製造工程からしてまったくの別物というわけだ。
このRSシリーズとは独立して進化しているモデルが「R8」だ。RSシリーズの頂点であり、アウディスポーツのアイコンでもある。初代R8が登場したのは07年。ルマン24時間レースで伝説的な連勝記録を打ち立てたレーシングカーと同じ名前を冠した初の市販ミッドシップスポーツだった。
R8はベースモデルを持たず、すべてが専用設計。車体はアルミの押し出し材とダイキャストで構成したフレームにオールアルミの外皮を貼り込むASF(アウディスペースフレーム)構造を採用。当初は4.2LのV8 FSIエンジンが搭載されたが、後に5.2LのV10FSIを追加。これもR8専用の大排気量/高回転型自然吸気ユニットと言えた。
R8は16年にフルモデルチェンジを受け、現在の2代目に移行したが、車体の基本構造や自然吸気の5.2L V10エンジンなどは、時代に合わせて進化させつつも基本的に変わっていない。今回試したR8 V10パフォーマンスは、最高出力を過去最高の620ps/580Nmまで高めた最新/最強モデルである。
R8を試すのは久しぶりだが、このクルマを前にするといつも感じることがある。ノーズは短くキャブフォワードも進んでおり、フロントまわりはとても軽快な雰囲気。これに対してX型のブレース下に巨大なV10エンジンをマウントするリアまわりのボリューム感がスゴイ。まるでエンジンを運ぶことを最優先させたパッケージングとも思える。
ヒップポイントがかなり低いので、乗降事の体制変化はやや大きめだが、乗り込んでしまえば横方向の余裕が大きい上に、ヘッドクリアランスもしっかり取れていて、2シーターながらリラックスできるキャビン空間だ。
それに側方/前方の視界が開けていて、取り回しやすいのもR8の大きな魅力。兄弟車と言えるランボルギーニ ウラカンはスーパースポーツらしく閉塞感が強く、直下視界も限られ取り回しに神経を使ったが、R8はワイドなボディ後半さえ意識していれば、まるで小型スポーツのように気軽に扱える。
そんな中、ひとつだけ残念だったのは、タイヤハウス確保の関係か、右ハンドルのR8の場合、アクセルペダルがやや左にオフセットしていること。ペダルルーム自体が大して広くないので、スリムなドライビングシューズを履けばより運転しやすそうだ。
前方の視界が開けていて扱いやすく、まるで小型スポーツカーのように扱える。
走る醍醐味を味わえる大排気量自然吸気エンジン
ステアリングスポーク右にある赤いスタート/ストップボタンを押してエンジンを始動する。目覚めた直後のV10エンジンは最初の1分ほど、やや高い回転域で甲高い音のアイドリングを続ける。住宅地での早朝の出発ではちょっと神経を使う場面だ。
しかしそれを過ぎれば静かなサウンドに落ち着く。多気筒の自然吸気エンジンと言えば高回転域になるほど響きを強める高周波音が魅力だが、平常時のR8は非常にジェントルだ。
高回転型エンジンのため最大トルクの発生ポイントも6600rpmと高めだが、R8のV10エンジンは排気量に余裕がある上に、車重が比較的軽量ということもあって、渋滞やタウンスピードでも実に扱いやすい。しかもこのエンジン、アイドリングストップはもちろんのこと、低負荷時に片バンクを休止させるシリンダーオンデマンド(COD)や、コンフォートモードでのコースティング機能なども盛り込まれ、社会性にも一定の配慮を見せている。
高速道路に入ったところでアクセルペダルを強く踏み込む。以前試したV10エンジンは排気音は良かったものの、高回転域では「ギャイーン」というメカニカルノイズも盛大だった。しかし今回試した最新のV10パフォーマンスはメカノイズがかなり少なくなり、むせび泣くようなエンジンサウンドがより強調されていた。
6000rpmあたりから高まりを見せ始め、リミットの始まる8500rpmまで楽しめ、もちろんパワーの方も上昇にしたがって爆発的な盛り上がりを見せるので実に刺激的だ。先にエンジンを運ぶようなパッケージングと書いたが、このエンジンは実に運びがいのある貴重なユニットである。
ワインデイングでは足まわりがよりハードとなり、7速DCTの反応もよりダイレクトになるパフォーマンスモードを中心に試した。ここのクルマはどのモードで走ってもライドフィールが非常にスムーズだが、それはパフォーマンスモードも例外ではなかった。
ハンドリングは敏感過ぎず、操作に忠実かつリニア。ターンインが非常に軽快な上に、パワーを掛けて行った時のリアの抜群のスタビリティはフルタイム4WD「クワトロ」の恩恵だろう。内外装のアクの強さは控えめだし、操縦感覚や乗り心地も超優等生。考えてみればこんなスーパーカーは稀だ。いかにも実用性と高性能を両立させるアウディスポーツらしい作品と言える。(文:石川芳雄)
アウディ史上最強を誇る5.2L V10自然吸気は、 620ps/580Nmという圧倒的パフォーマンスを発揮。
■アウディR8クーペ V10 パフォーマンス 5.2FSI クワトロ 主要諸元
●全長×全幅×全高=4430×1940×1240mm
●ホイールベース=2650mm
●車両重量=1670kg
●エンジン= V10DOHC
●総排気量=5204cc
●最高出力=620ps/8000rpm
●最大トルク=580Nm/6600rpm
●駆動方式=4WD
●トランスミッション=8速DCT
●車両価格(税込)=3001万円
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進化したR8こそアウディスポーツの真髄
1980年に創立され、アウディのモータースポーツ活動を一手に担ってきたのが「アウディスポーツ」。4輪駆動のクワトロを武器に80年代のWRCで見せた大活躍や、DTM、ルマン24時間に代表される耐久レースでの常勝ぶりなど、レーシングマシンの開発とマネジメントに関して非常に高い実力を持つ集団だ。
そこでアウディは16年、同ブランドのスポーツイメージをさらに強化するため「アウディスポーツ」をサブブランド化。前後して、これまでR8やRSモデルの開発を行ってきた「クワトロ社」もアウディスポーツに一本化し、市販車の分野では高性能モデルの拡充に努めると発表した。
本格的なサーキット走行までも視野に入れて開発されるRSシリーズは、アウディの各プラントで製作した半完成の車体をネッカーズルムの専用ラインに持ち込む。一部手作業も含めて特別仕立てのエンジンやパーツを組み込み、ボディのカスタマイズなどを行うという、とても手の込んだ過程の末に完成する。標準型のボディをベースとするシリーズとは、製造工程からしてまったくの別物というわけだ。
このRSシリーズとは独立して進化しているモデルが「R8」だ。RSシリーズの頂点であり、アウディスポーツのアイコンでもある。初代R8が登場したのは07年。ルマン24時間レースで伝説的な連勝記録を打ち立てたレーシングカーと同じ名前を冠した初の市販ミッドシップスポーツだった。
R8はベースモデルを持たず、すべてが専用設計。車体はアルミの押し出し材とダイキャストで構成したフレームにオールアルミの外皮を貼り込むASF(アウディスペースフレーム)構造を採用。当初は4.2LのV8 FSIエンジンが搭載されたが、後に5.2LのV10FSIを追加。これもR8専用の大排気量/高回転型自然吸気ユニットと言えた。
R8は16年にフルモデルチェンジを受け、現在の2代目に移行したが、車体の基本構造や自然吸気の5.2L V10エンジンなどは、時代に合わせて進化させつつも基本的に変わっていない。今回試したR8 V10パフォーマンスは、最高出力を過去最高の620ps/580Nmまで高めた最新/最強モデルである。
R8を試すのは久しぶりだが、このクルマを前にするといつも感じることがある。ノーズは短くキャブフォワードも進んでおり、フロントまわりはとても軽快な雰囲気。これに対してX型のブレース下に巨大なV10エンジンをマウントするリアまわりのボリューム感がスゴイ。まるでエンジンを運ぶことを最優先させたパッケージングとも思える。
ヒップポイントがかなり低いので、乗降事の体制変化はやや大きめだが、乗り込んでしまえば横方向の余裕が大きい上に、ヘッドクリアランスもしっかり取れていて、2シーターながらリラックスできるキャビン空間だ。
それに側方/前方の視界が開けていて、取り回しやすいのもR8の大きな魅力。兄弟車と言えるランボルギーニ ウラカンはスーパースポーツらしく閉塞感が強く、直下視界も限られ取り回しに神経を使ったが、R8はワイドなボディ後半さえ意識していれば、まるで小型スポーツのように気軽に扱える。
そんな中、ひとつだけ残念だったのは、タイヤハウス確保の関係か、右ハンドルのR8の場合、アクセルペダルがやや左にオフセットしていること。ペダルルーム自体が大して広くないので、スリムなドライビングシューズを履けばより運転しやすそうだ。
前方の視界が開けていて扱いやすく、まるで小型スポーツカーのように扱える。
走る醍醐味を味わえる大排気量自然吸気エンジン
ステアリングスポーク右にある赤いスタート/ストップボタンを押してエンジンを始動する。目覚めた直後のV10エンジンは最初の1分ほど、やや高い回転域で甲高い音のアイドリングを続ける。住宅地での早朝の出発ではちょっと神経を使う場面だ。
しかしそれを過ぎれば静かなサウンドに落ち着く。多気筒の自然吸気エンジンと言えば高回転域になるほど響きを強める高周波音が魅力だが、平常時のR8は非常にジェントルだ。
高回転型エンジンのため最大トルクの発生ポイントも6600rpmと高めだが、R8のV10エンジンは排気量に余裕がある上に、車重が比較的軽量ということもあって、渋滞やタウンスピードでも実に扱いやすい。しかもこのエンジン、アイドリングストップはもちろんのこと、低負荷時に片バンクを休止させるシリンダーオンデマンド(COD)や、コンフォートモードでのコースティング機能なども盛り込まれ、社会性にも一定の配慮を見せている。
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6000rpmあたりから高まりを見せ始め、リミットの始まる8500rpmまで楽しめ、もちろんパワーの方も上昇にしたがって爆発的な盛り上がりを見せるので実に刺激的だ。先にエンジンを運ぶようなパッケージングと書いたが、このエンジンは実に運びがいのある貴重なユニットである。
ワインデイングでは足まわりがよりハードとなり、7速DCTの反応もよりダイレクトになるパフォーマンスモードを中心に試した。ここのクルマはどのモードで走ってもライドフィールが非常にスムーズだが、それはパフォーマンスモードも例外ではなかった。
ハンドリングは敏感過ぎず、操作に忠実かつリニア。ターンインが非常に軽快な上に、パワーを掛けて行った時のリアの抜群のスタビリティはフルタイム4WD「クワトロ」の恩恵だろう。内外装のアクの強さは控えめだし、操縦感覚や乗り心地も超優等生。考えてみればこんなスーパーカーは稀だ。いかにも実用性と高性能を両立させるアウディスポーツらしい作品と言える。(文:石川芳雄)
アウディ史上最強を誇る5.2L V10自然吸気は、 620ps/580Nmという圧倒的パフォーマンスを発揮。
■アウディR8クーペ V10 パフォーマンス 5.2FSI クワトロ 主要諸元
●全長×全幅×全高=4430×1940×1240mm
●ホイールベース=2650mm
●車両重量=1670kg
●エンジン= V10DOHC
●総排気量=5204cc
●最高出力=620ps/8000rpm
●最大トルク=580Nm/6600rpm
●駆動方式=4WD
●トランスミッション=8速DCT
●車両価格(税込)=3001万円
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さて、わたしが
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