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2020年05月12日

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【数々の世界初】メルセデス・ベンツ 創業から120年


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120周年を迎えるメルセデス・ブランドダイムラーのディーラーであるエミール・イェリネック(1853-1918)は、ダイムラーのクルマに娘の名前「メルセデス」という名を冠する案を思いついた。これが最初に使われたのがメルセデス35PSであった。
1926年、ダイムラーはカール・ベンツの会社と合併し、社名をダイムラー・ベンツに、ブランド名をメルセデス・ベンツとした。


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メルセデス・ベンツ300SLカール・ベンツが世界初の「クルマ」と呼べるものを発明したのは1885年のことだ。
135年が経った今も、彼の名を冠する会社は衰えを知らず、今でも世界をリードするプレミアムカーメーカーだ。これも長年の間より良いクルマ作りのため新たなテクノロジーを開発し続けた成果である。
世界初のクルマ:ベンツ・パテント・モーターワーゲン1886年にすべては始まった。この年、カール・ベンツ(1844-1929)が世界初の自動車を発明したのだ。
単気筒954ccのエンジンを搭載し、1psにわずかに満たないほどのパワーであり、最高速度は16km/h程度であったが、維持費は馬よりも安かった。


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ベンツ・パテント・モーターワーゲンベンツは妻であるベルサ(1849-1944)にも大きく助けられることになる。彼女が資金調達に貢献しただけでなく、1888年には世界初となる自動車旅行を行なったのだ。
およそ200kmの旅の間、ブレーキが摩耗していることに気づいた彼女はブレーキをレザーで覆うことを思いついた。これがブレーキパッドの始まりである。
スーパーチャージャー:メルセデス(1921)当時のクルマにとって、パワー不足は永遠の課題とも思われていた。
スーパーチャージャーによって空気をあしゅくすることにより、エンジンにより多くの酸素を取り込んで多くの燃料を燃やし、結果として低回転でもより大きなパワーが得られるのだ。


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メルセデス(1921)その発明こそ1880年代に遡るが、市販車に初採用されたのは6/25/40hpおよび写真の10/40/65hpであった。
これらのモデルにつけられた「コンプレッサー(Kompressor)」という名称は最近まで使われていた。
8速MT:マイバッハDS8(1931)現在8速マニュアル・ギアボックスは非常に少なく、7速ですら一般的ではない。
しかし1931年にこれを搭載していたのだ。そのモデルは8.0L V12を搭載するマイバッハ・ツェッペリンDS8だ。


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マイバッハDS8(1931)マイバッハは第二次世界大戦中ティーガー戦車などのパワフルなエンジンを作るメーカーであったが、1960年にダイムラー・ベンツに買収された。
ディーゼル:メルセデス・ベンツ260D(1936)ルドルフ・ディーゼルが自身の名を冠するエンジンを開発したのは1890年代のことであった。このエンジンは効率性やトルクの面においてすぐにその価値が認められることになった。
このエンジンは当初船舶や潜水艦に用いられたが、1908年には初めてトラックに搭載された。


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メルセデス・ベンツ260D(1936)このエンジンを小型軽量にするのは困難であったが、自動車メーカーらは第一次世界大戦後にこの問題に取り組み始めた。シトロエン、ザウラー、プジョーなどがプロトタイプを製作した。
しかしこれを最初に乗用車向けに搭載したのはメルセデスであり、それがこの260Dだ。2545ccの4気筒エンジンは46psを発生し、最高速度は95km/hに達した。1940年までに2000台が生産されたが、第二次世界大戦の始まりとともに生産が中止された。
ターボディーゼル:メルセデス・ベンツ300SD(1978)1970年代、ディーゼルエンジンが再びメルセデスにチャンスをもたらした。この時はガソリン価格が急騰し、ディーゼルの価値が再び上昇したのだ。
今回はディーゼルの欠点であるパワー不足を解消するため、ターボが搭載されたのである。その最初のモデルはW116型300SDであったが、米国向けのみの設定とされた。


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メルセデス・ベンツ300SD(1978)この3.0L直列5気筒エンジンはターボ付きにもかかわらず最高出力はわずか113ps、最大トルクは23.2kg-mであった。
原油価格の高騰に苦しむアメリカでは、10.6km/Lという燃費の良さが人気を呼び、1980年までに2万8634台が販売された。次期型となるW126型Sクラスにはよりパワフルなエンジンが搭載され、米国のみで1985年まで販売された。
電子制御ABS:メルセデス・ベンツSクラス(1978)メカニカルなABSこそ1960年代から存在していたが、現代でも使われる電子制御のABSが登場したのは1978年のことだ。メルセデスはこれをW116型Sクラスに搭載した。
これは以前のメカニカルABSよりも効率的かつ素早い動作を可能とするものだ。


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メルセデス・ベンツSクラス(1978)欧州では2004年以降、米国でも2013年9月1日以降すべての新車にABSの搭載が義務付けられている。
簡単に言えば、ABSの搭載により制動距離が短縮されるのだ。強い制動力が必要な場合、単にブレーキを力一杯踏み込むことで、そのシステムが自動的に最適な制動力を与えてくれる。
自動ロールオーバー・バー:メルセデス・ベンツSLクラス(1989)コンバーチブルは横転時の安全性が問題となり、規制の対象となっていた。これに対応すべく、ポルシェなどは911に半オープンとも言えるタルガ・ルーフを設定してきた。
メルセデスはR129型SLでこの問題に1つの答えを出した。


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メルセデス・ベンツSLクラス(1989)ウィンドスクリーンのピラーとともに車重を支えられる強度を持ったバーが、シート後方に隠されているのだ。
横転を検知すると0.3秒以内にバーが飛び出す仕組みになっている。これはルーフを閉じた際やハードトップが装着されていても作動する。
二重ガラス:メルセデス・ベンツSクラス(1991)W140型Sクラスの重要な特徴として、防音ガラスの採用があげられる。
サイドウインドウに標準装備され、太いタイヤが発するロードノイズを低減するほか、結露も防止する。


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メルセデス・ベンツSクラス(1991)しかし、重量増およびそれにともなう燃費の悪化に繋がることから、後に廃止された。
エレクトロニック・スタビリティ・コントロール:メルセデス・ベンツCL600(1995)エレクロトニック・スタビリティ・コントロール(ESC)をはじめ、同様の名称がつけられたシステムは事故防止に大きな効果を発揮する。
このシステムは制御不能に陥ったことを検知し、各輪にブレーキをかけることでオーバーステアやアンダーステアに対応する。これを初めて搭載したのがメルセデスのCL600であった。


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メルセデス・ベンツCL600(1995)1997年には、スウェーデン行われたテストによって高速でのハンドリング性能に難があるとされたAクラスにも搭載されることになった。
このシステムの導入以降、ESCや類似システムは数えきれないほどの命を救ったと考えられている。米国では2012年から、欧州では2014年11月1日からこのシステムの搭載が義務付けられた。
ブレーキ・アシスト:メルセデス・ベンツSクラス(1996)最新のブレーキとタイヤを装備した現代のクルマは、驚くほど素早く停止することができる。
しかし多くのドライバーは緊急時に十分な踏力をブレーキペダルに与えることができず、回避可能な場面での事故につながっている。


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メルセデス・ベンツSクラス(1996)これに対応すべく、パニックブレーキを検知して自動的に最大の制動力を与えるシステムがTRWによって開発された。
メルセデスはこの技術を1998年以降全モデルに標準装備した。欧州では2009年以降の新車にこの装置が義務付けられている。
アダプティブ・クルーズ・コントロール:メルセデス・ベンツSクラス(1998年)クルーズコントロールは便利だが、交通量が多い時には使えない。
しかしアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)レーダーや時にはカメラを使用し、先行車との距離を適切に保ってくれる。


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メルセデス・ベンツSクラス(1998年)より初歩的なシステムこそ以前から存在したが、現在使われるものと同等のものを搭載したのは1998年に登場したW220型Sクラスが最初であった。
このシステムはおよそ30km/h以下では自動的にオフになっていたが、メルセデスは2005年にこのシステムをアップグレードし、完全停止も可能となった。
キーレス・ゴー:メルセデス・ベンツSクラス(1998)W220型Sクラスはもう1つ画期的な進歩を世界にもたらした。キーレス・ゴーにより鍵をポケットやハンドバッグに入れたままで済むようになったのだ。
鍵を出さずともドアを解錠し、乗り込み、さらにボタンを押すだけでエンジンを始動することができる。


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メルセデス・ベンツSクラス(1998)ラグジュアリーな機能だが、これにより鍵を探してカバンを漁る必要も無くなり、また不意に鍵をドブに落とす心配もなくなったのだ。
この技術を開発したのはドイツのVDO社である。
マッサージ機能付きシート:メルセデス・ベンツSクラス(2000)シートヒーターを1966年に初めて市販車に搭載したのはキャデラックだが、マッサージ機能付きシートの登場にはしばらくの時間を要した。
メルセデス・ベンツSクラスとキャデラック・デビルが2000年のほぼ同時期にこれを搭載した。


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メルセデス・ベンツSクラス(2000)車線逸脱防止システム:メルセデス・ベンツ・アクトロス(2000)ドライバーの注意散漫や疲労による車線の逸脱は、しばしば悲惨な事故を引き起こす。
このシステムはカメラにより白線を監視し、車線の逸脱を検知すると音声により警告するものだ。


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メルセデス・ベンツ・アクトロス(2000)このシステムが初めて市販車に搭載されたのはメルセデス・ベンツ・アクトロスであり、2000年のことであった。乗用車への初搭載を果たしたのは2001年型日産シーマ(F50)が最初となった。
現代ではこのシステムはごく一般的となっている。先進的なものではステアリングに操舵力を与えて車線に戻したり、ドライバーの異変を検知して自動的に停車させる機能を備えるものもある。
自動緊急ブレーキ:メルセデス・ベンツSクラス(2006年)渋滞末尾への追突は最もよくある事故のパターンの1つであり、高速域では特に生命を脅かすものだ。
メルセデスが2006年にW221型SクラスおよびC216型CLクラスに初めて搭載したこのシステムは、2基のレーダーにより追突の危険を探知するものだ。


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メルセデス・ベンツSクラス(2006年)音声および視覚的な警告が与えられ、これを無視すると軽いブレーキがかかる。それでも無視された場合、システムが自動的に最大のブレーキをかけることにより、衝突の被害を軽減するものだ。
現代ではAEBは一般的なシステムとなり欧州では2021年以降、米国では2022年以降の新車に義務付けられることになっている。

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