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2020年03月10日

3月10日のFX自動売買ソフト M と W

【称賛したくなる624psの恐竜】BMW X6 Mコンペティションへ試乗 V8ツインターボ


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少し前から、積極的な電動化技術の導入を示唆してきたBMW Mディビジョン。だが前時代的な内燃エンジンの寿命が尽きたとは考えていないようだ。
最新のX6Mコンペティションがそれを物語っている。ミュンヘンを拠点とする自動車メーカーがこれまで生み出した中で、最もパワフルでダッシュ力に優れる、ツインターボの量産SUVなのだから。


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BMW X6 Mコンペティション(北米仕様)このハイパフォーマンスSUVは、すでに不満のない性能を誇るX6 M50iをさらに増進させたようなクルマ。メカニカルな部分では、基本的に実用性で勝るBMW X5 Mと共有している。生産されるのは同じアメリカ・サウスカロライナ州のスパルタンバーグ工場となる。
大きな車体に搭載されるエンジンは、電動化技術の導入が進む中にあって、純粋なツインターボの4.4L V8。最高出力もM5やM5コンペティションと同等の数字を叩き出す。
Vバンクの内側に交差するクロスバンク・マニフォールドと、ダブルバノス・バリアブルカムシャフト・タイミング機構、バルブトロニック・フル・バリアブル・バルブタイミング機構という先進技術を総動員。高回転ユニットとして調律され、最高出力は標準のX6 Mでも600psとなる。
さらにハイチューンの電子マッピングなどを加え、英国で提供されるX6 Mコンペティションの場合は24ps増しの624psを誇る。最大トルクは共通の76.1kg-mで、1800rpmから5800rpmの回転数で生み出す。
アウディRS Q8より24psもパワフル最新のBMW X6 Mコンペティションは、先代のフラッグシップモデルのX6より49psも増強。X6 M50iと比べると94psもパワフルになった。
額面ではポルシェ・カイエン・クーペ・ターボと比べると75ps、アウディRS Q8よりは24psも勝る。どちらも同じツインターボの4.0L V8エンジンを搭載する、ブランド違いのライバルSUVだ。


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BMW X6 Mコンペティション(北米仕様)トランスミッションは、トルクコンバーター・タイプの8速ATで、ステアリングホイールにシフトパドルが付く。さらに左右の後輪でトルク配分を変化させる、Mディファレンシャル付きの4輪駆道システム、M xドライブを採用する。
BMWらしく、トルク配分は明確に後輪駆動ベース。「リアタイヤが許容できるパワーが限界に達し、さらに追加の牽引力が必要な時に限って、フロントタイヤへトルクが伝わります」 と、Mディビジョンは説明する。
足腰まわりには、X6 M50iから剛性を高めるために前後にブレースバーを追加。トレッドが広げられ、フロントタイヤのキャンバー角は強められた。モーターによってボディロールを制御するシステムにも変更が加えられ、さらにコーナーリング時の姿勢が水平に保たれる。
ホイールはフロントが21インチでリアが22インチと、異径。タイヤはフロントが295/35 ZR21で、リアが315/30 ZR22と、スーパーカーサイズだ。
もし精妙さをクルマに求めるなら、別のMモデルを考えた方が良い。X6 Mに強く惹かれる人もいるとは思う。しかしドライビング体験は、ダイレクトな精密さとは別のところにある。
息を巻くほどのコーナリング能力周囲を圧倒するような怒涛のパワー・デリバリーと、トランスミッションと4輪駆道システムによって、道路を選ばず支配するような体験。複数用意されたドライビングモードで適したものを選べば、鮮烈な記憶を生み出すだろう。
M5譲りのエンジンは、トップクラスのスーパーカーに並ぶ、揺るぎないエネルギーを放出する。0-100km/hの加速はわずか3.8秒であることが、それを表している。


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BMW X6 Mコンペティション(北米仕様)興味を持ってディーラーでオプションを選ぶ時は、Mドライバーズ・パッケージを忘れずに選択したい。リミッターが外され、289km/hの最高速度が解き放たれる。日本では非現実的だが。
さらにコンペティションなら、最も激しいドライビングモードを選べば、勇ましいバリトンボイスのエグゾーストノートも楽しむことができる。グリップ力は途方もないほど高い。
車重は2295kgと軽くないにも関わらず、コーナーの連続する区間を高速で駆け抜ける能力には息を巻く。条件が叶えば、M xドライブとMディファレンシャルが協働し、リアタイヤとフロントタイヤとの間でトルクが変化していくのを感じ取れるだろう。
最低地上高は213mmもあるが、コーナリング時の姿勢はフラット。限界付近まで積極的に振り回さない限り、ボディロールは穏やかなままだ。
ステアリングフィールは近年のMモデルらしいといえる。低速域では不要に高い抵抗感があり、クイックでダイレクトながら、高速域では有効なフィードバックが非常に薄い。
恐竜的でも褒めずにいられない技術力日常的な扱いやすさという点では、新しい通常のX6と同等。最も快適重視のドライブモードを選んでいても、乗り心地が過度に硬いということを除いて。揺れが穏やかになることはなく、大型SUVのBMWが本当に好きでなければ、我慢できないかもしれない。
インテリアはデザインに優れ、知覚品質も価格なりに高い。フロントシートの空間も広いが、荷室容量は通常の状態で580Lと、少々物足りない。ボディの見た目はアグレッシブさを増し、最も強力な3代目のX6だと、上手に主張できている。


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BMW X6 Mコンペティション(北米仕様)価格もその分安くない。より親しみやすいBMW X6 M50iより、1万7780ポンド(254万円)も高価。CO2の排出量も284g/kmと盛大だが、将来的にはクラシックモデルとして、評価される可能性もなくはない。
純粋な内燃エンジンを搭載したハイパフォーマンスSUVクーペは、生き残りの恐竜的なクルマに映るかもしれない。だが、X6 Mで達成したMディビジョンの技術力の高さを、称賛せずにはいられない。
BMW X6 Mコンペティションのスペック価格:11万3310ポンド(1620万円)
全長:4941mm
全幅:2019mm
全高:1683mm
最高速度:249km/h(リミッター/Mドライバーズ・パッケージ:289km/h)
0-100km/h加速:3.8秒
燃費:8.0km/L
CO2排出量:284g/km
乾燥重量:2295kg
パワートレイン:V型8気筒4395ccツインターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:624ps/6000rpm
最大トルク:76.1kg-m/1800rpm
ギアボックス:8速オートマティック


by AUTOCAR JAPAN
text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル氏)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治氏)



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