2020年02月19日
2月18日のFX自動売買ソフト M と W
【日常性と走行性とのベストミックス】ポルシェ・マカンGTS 2.9L V6ツインターボ
マカンの人気は衰えることがないようだ。ポルシェの新グレードの投入を見ると、焦りがまったく感じられないほど。
そんなマカンにGTSグレードが遅れて追加となった。果報は寝て待て、ということわざは、あながち間違いではなさそうだ。
ポルシェ・マカンGTS(欧州仕様)ポルシェのGTSグレードといえば、間違いなくモデル内のスイートスポット的なクルマ。モータースポーツの流れを汲むシリアスなGTグレードに、日常的な使いやすさを与えた、絶妙なバランスにある。
ポルシェにおいてもレス・イズ・モアが必ずしも当てはまらないのが現実だが、GTSの場合、価格がさらに上のクルマにも迫る訴求力を備えていることは通例。より長時間乗っていたいポルシェなら、GTSの方だったりする。
GTSの成り立ちは、従来どおりシンプル。サスペンションの設定はより走りにフォーカスされ、パワーとスタイリングに僅かな追加が施された。グレードの優位性を明確に周囲へ伝えるために。
実際に得られる変化は、追加された部品や手直しの合計より、より沢山の効果として現れている。それも従来どおりだ。
標準のマカンと比べて車高は15mm低く、GTSはモデル内で最も低いスタンスを取る。ただし、オプションのエアサスペンションを選んだ場合、低くなるのは10mm。試乗車には、PTVトルク・ベクタリング・リアデフなど、運動性能を高めるオプションもいくつか追加されていた。
従来比で20psと2.2kg-mの向上低められたサスペンションには、改良を受けたアダプティブダンパーが組み合わされ、高速域での優れた姿勢制御を実現。専用のRSスパイダー・デザインの20インチホイールと、鮮やかな赤色で塗られたブレーキキャリパーが、足元を彩る。
最大の変更点はエンジン。従来までの3.0L V6ツインターボから、最新の2.9L V6ツインターボに置き換わっている。マカンSのエンジンをパワーアップしたのではなく、マカン・ターボを少し穏やかにしたユニットだ。
ポルシェ・マカンGTS(欧州仕様)Vバンクの内側にターボをマウントする、ホットVと呼ばれるレイアウトで、最高出力381ps、最大トルク52.9kg-m。従来比で20psと2.2kg-mの向上を果たした。
特徴となるのが、最大トルクがわずか1750rpmから沸き立ち、5000rpmまで維持されること。ステアリング精度を高めるため、エンジンマウントも高剛性のものとなり、スポーツエグゾーストからはゾクゾクする息づかいを楽しめる。
7速PDKの制御も見直され、変速は鋭くなった。最新の4輪駆動システムには、ポルシェ・トラクション・マネージメント(PTM)機能を採用。後輪駆動ベースの操縦性とバランスを実現させているという。
ドライビングを楽しめる道に出てみる。控えめなパワーやトルクの増加以上の、走行性能の向上をマカンGTSは獲得していることを実感する。幅広い回転域でフラットなトルクカーブと、シャープさを増したトランスミッションの組み合わせで、GTSは意のままに進んでいく。
ハンドリングもブレーキも不満なしマカンGTSの1-100km/h加速は4.9秒だが、より値の張るターボと同じくらい速く感じる。スポーツクロノ・パッケージを選べばさらに0.2秒縮めることができるという。
ステアリングホイールのダイヤルで、GTSとしてベストな、スポーツ・モードかスポーツ+モードを選択する。アクセルレスポンスは適度にシャープになり、エグゾーストからはアクセルオフで破裂音が響くようになる。
ポルシェ・マカンGTS(欧州仕様)GTSの直線的なエネルギーの高まりと確実なハンドリングがあれば、目的地までの移動手段として完璧なマシンとなるだろう。
ステアリングはクイックで重み付けも好印象。ターンイン時の食いつきも目をみはるほどで、少々オーバースピードでコーナーへ侵入しても、PTMがマカンのアンダーステアに対抗してくれる。
中速コーナーでのバランスも良好。アクセルを早めに踏み込むとリアタイヤがわずかにムズがるが、フロントタイヤへ即座にトルクが分配され、弾かれるようにコーナーを脱出する。身のこなしは素早く落ち着きがある。より小さく軽量なホットハッチのような印象すら与えてくれる。
車重は1910kgもあるマカンGTSだが、標準のスチール製ブレーキディスクでも、強力な制動力と耐フェード性を備える。ペダルを踏んだフィーリングと、ブレーキの反応は完璧な一致を得ている。
他のモデルと同様、タングステン・カーバイド層を与えたPSCB(ポルシェ・サーフィスコーテッド・ブレーキ)や、カーボンセラミック・ブレーキも選択はできる。だが、標準のブレーキでも必要以上の性能を持っていると思う。
圧倒的な走行性能と日常の使いやすさもし不満を上げるのなら、乗り心地が想像より良くないこと。スポーツモードやスポーツ+モードでは、完璧な姿勢制御を披露するが、ハイスピード・コーナリング中の起伏では、跳ねてしまう可能性がある。
ノーマルモードでは柔軟性が若干高まり、路面の処理も上手にこなせるようになる。それでもサスペンションのストロークは短く、低速域では強めの振動が、不規則に車内へ届いてしまう。
ポルシェ・マカンGTS(欧州仕様)残りのGTSは、想像どおりのマカン。アルカンターラのインテリアは設えも完璧。乗り心地も穏やかで快適な部類に入るし、家族でのドライブにも充分な広さを備えている。マカン並みに、ポルシェ製モデルで一緒に暮らしやすいクルマは多くはない。
高性能SUVに対する意見は分かれるところ。しかし技術的な到達度の高さや、ドライビングマシンとしての完成度を見れば、ポルシェ・マカンは他に例がないほどの仕上がりを得ている。
手を焼きそうなカーブの続く道でも、トリックでも隠されているかのように、ハイスピードで駆け抜ける。マカンでもGTSは、やはり圧倒的なパフォーマンスと日常の使いやすさを、見事に融合させていた。
マカンGTSは、注目すべきオールラウンダーだ。この内容でマカン・ターボより1万ポンド(143万円)も安いという点も、見逃せないだろう。
ポルシェ・マカンGTSのスペック価格:5万8816ポンド(841万円)
全長:4697mm
全幅:1923mm
全高:1624mm
最高速度:260km/h
0-100km/h加速:4.9秒(スポーツクロノ・パッケージ:4.7秒)
燃費:10.4km/L
CO2排出量:218g/km
乾燥重量:1910kg
パワートレイン:V型6気筒2894ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:381ps/5200-6700rpm
最大トルク:52.9kg-m/1750-5000rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック
by AUTOCAR JAPAN
text:James Disdale(ジェームス・ディスデイル 氏)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治 氏)
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ポルシェ・マカンGTS(欧州仕様)ポルシェのGTSグレードといえば、間違いなくモデル内のスイートスポット的なクルマ。モータースポーツの流れを汲むシリアスなGTグレードに、日常的な使いやすさを与えた、絶妙なバランスにある。
ポルシェにおいてもレス・イズ・モアが必ずしも当てはまらないのが現実だが、GTSの場合、価格がさらに上のクルマにも迫る訴求力を備えていることは通例。より長時間乗っていたいポルシェなら、GTSの方だったりする。
GTSの成り立ちは、従来どおりシンプル。サスペンションの設定はより走りにフォーカスされ、パワーとスタイリングに僅かな追加が施された。グレードの優位性を明確に周囲へ伝えるために。
実際に得られる変化は、追加された部品や手直しの合計より、より沢山の効果として現れている。それも従来どおりだ。
標準のマカンと比べて車高は15mm低く、GTSはモデル内で最も低いスタンスを取る。ただし、オプションのエアサスペンションを選んだ場合、低くなるのは10mm。試乗車には、PTVトルク・ベクタリング・リアデフなど、運動性能を高めるオプションもいくつか追加されていた。
従来比で20psと2.2kg-mの向上低められたサスペンションには、改良を受けたアダプティブダンパーが組み合わされ、高速域での優れた姿勢制御を実現。専用のRSスパイダー・デザインの20インチホイールと、鮮やかな赤色で塗られたブレーキキャリパーが、足元を彩る。
最大の変更点はエンジン。従来までの3.0L V6ツインターボから、最新の2.9L V6ツインターボに置き換わっている。マカンSのエンジンをパワーアップしたのではなく、マカン・ターボを少し穏やかにしたユニットだ。
ポルシェ・マカンGTS(欧州仕様)Vバンクの内側にターボをマウントする、ホットVと呼ばれるレイアウトで、最高出力381ps、最大トルク52.9kg-m。従来比で20psと2.2kg-mの向上を果たした。
特徴となるのが、最大トルクがわずか1750rpmから沸き立ち、5000rpmまで維持されること。ステアリング精度を高めるため、エンジンマウントも高剛性のものとなり、スポーツエグゾーストからはゾクゾクする息づかいを楽しめる。
7速PDKの制御も見直され、変速は鋭くなった。最新の4輪駆動システムには、ポルシェ・トラクション・マネージメント(PTM)機能を採用。後輪駆動ベースの操縦性とバランスを実現させているという。
ドライビングを楽しめる道に出てみる。控えめなパワーやトルクの増加以上の、走行性能の向上をマカンGTSは獲得していることを実感する。幅広い回転域でフラットなトルクカーブと、シャープさを増したトランスミッションの組み合わせで、GTSは意のままに進んでいく。
ハンドリングもブレーキも不満なしマカンGTSの1-100km/h加速は4.9秒だが、より値の張るターボと同じくらい速く感じる。スポーツクロノ・パッケージを選べばさらに0.2秒縮めることができるという。
ステアリングホイールのダイヤルで、GTSとしてベストな、スポーツ・モードかスポーツ+モードを選択する。アクセルレスポンスは適度にシャープになり、エグゾーストからはアクセルオフで破裂音が響くようになる。
ポルシェ・マカンGTS(欧州仕様)GTSの直線的なエネルギーの高まりと確実なハンドリングがあれば、目的地までの移動手段として完璧なマシンとなるだろう。
ステアリングはクイックで重み付けも好印象。ターンイン時の食いつきも目をみはるほどで、少々オーバースピードでコーナーへ侵入しても、PTMがマカンのアンダーステアに対抗してくれる。
中速コーナーでのバランスも良好。アクセルを早めに踏み込むとリアタイヤがわずかにムズがるが、フロントタイヤへ即座にトルクが分配され、弾かれるようにコーナーを脱出する。身のこなしは素早く落ち着きがある。より小さく軽量なホットハッチのような印象すら与えてくれる。
車重は1910kgもあるマカンGTSだが、標準のスチール製ブレーキディスクでも、強力な制動力と耐フェード性を備える。ペダルを踏んだフィーリングと、ブレーキの反応は完璧な一致を得ている。
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ポルシェ・マカンGTS(欧州仕様)残りのGTSは、想像どおりのマカン。アルカンターラのインテリアは設えも完璧。乗り心地も穏やかで快適な部類に入るし、家族でのドライブにも充分な広さを備えている。マカン並みに、ポルシェ製モデルで一緒に暮らしやすいクルマは多くはない。
高性能SUVに対する意見は分かれるところ。しかし技術的な到達度の高さや、ドライビングマシンとしての完成度を見れば、ポルシェ・マカンは他に例がないほどの仕上がりを得ている。
手を焼きそうなカーブの続く道でも、トリックでも隠されているかのように、ハイスピードで駆け抜ける。マカンでもGTSは、やはり圧倒的なパフォーマンスと日常の使いやすさを、見事に融合させていた。
マカンGTSは、注目すべきオールラウンダーだ。この内容でマカン・ターボより1万ポンド(143万円)も安いという点も、見逃せないだろう。
ポルシェ・マカンGTSのスペック価格:5万8816ポンド(841万円)
全長:4697mm
全幅:1923mm
全高:1624mm
最高速度:260km/h
0-100km/h加速:4.9秒(スポーツクロノ・パッケージ:4.7秒)
燃費:10.4km/L
CO2排出量:218g/km
乾燥重量:1910kg
パワートレイン:V型6気筒2894ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:381ps/5200-6700rpm
最大トルク:52.9kg-m/1750-5000rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック
by AUTOCAR JAPAN
text:James Disdale(ジェームス・ディスデイル 氏)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治 氏)
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