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ブラフマーBrahma

前回紹介した、インドの三神のひとりのブラフマーBrahmaについて、
詳しくご紹介します。

ブラフマーは、元来宇宙の根本原理(ブラフマン(梵))が観念化した神様です。そのため、抽象的な神様といった位置づけです。また、ブラフマーは自らを創造した者(スヴァヤンブー)であり、すべての生類の主(プラジャーパティ)であり、神々の父でもあり、他の神々の相談役のような存在です。

 インドの神話では、宇宙に何もない時代に気配だけの存在のスヴァヤンブーが最初に水を作り出し、その中に一粒の種を沈めました。すると、その種の中にブラフマーの元が生まれ、成長し、一年後に人の形をして外界に生まれました。
 その時は、世界には水と種の他には何も存在していませんでしたが、ブラフマーが生まれた時に割れた卵の振動で、天と地が作られました。
 その後、ブラフマーは次々と色々なものを創造していったのです。そのとき、言葉と識別の女神であるヴァーチュ神も創造しました。ヴァーチュとの間に生まれた子供が人間であると言われています。

ブラフマーは、天地を創造したにも関わらず、後発の神のシヴァやヴィシュヌたちと、誰が本当の創造主なのかという争いを起こすこととなります。

また、インドではブラフマーのプライドの高さ、シヴァやビシュヌの親しみやすさ、情報操作になどにより、ブラフマーの人気はとても低いです。

 日本では・・・。

 ブラフマーはインドラとともに最も早い時期に仏教に取り入れられた神で、漢訳仏典では梵天(ぼんてん)と呼ばれます。梵天は、釈迦が悟りを開く際、その悟りを自分一人のものとせずに万民に説くようにすすめました。その逸話を「梵天勧請(ぼんてんかんじょう)」と言います。

こちらは、ブラフマーのマントラです。





インドでは、マントラはとても身近な存在です。
家族の幸せを願うとき、事業を成功させたいときなど、その状況に応じて家にある神様の置物に一心にマントラを唱えます。

次回は、シヴァをご紹介します。







仏像の天竺堂 仏教美術 中

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