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2024年03月12日

退職金に関する税務

No.1420退職金を受け取ったとき(退職所得)
[令和5年4月1日現在法令等]





対象税目
所得税

概要
退職所得とは、退職により勤務先から受ける退職手当などの所得をいい、社会保険制度などにより退職に基因して支給される一時金、確定拠出年金法に規定する企業型年金規約または個人型年金規約に基づいて老齢給付金として支給される一時金なども退職所得とみなされます。

また、労働基準法第20条の規定により支払われる解雇予告手当や賃金の支払の確保等に関する法律第7条の規定により退職した労働者が弁済を受ける未払賃金も退職所得に該当します。

計算方法・計算式
所得の計算方法

退職所得の金額は、原則として、次のように計算します。

(収入金額(源泉徴収される前の金額) − 退職所得控除額) × 1 / 2 = 退職所得の金額

なお、確定給付企業年金規約に基づいて支給される退職一時金などで、従業員自身が負担した保険料または掛金がある場合には、その支給額から従業員が負担した保険料または掛金の金額を差し引いた残額を退職所得の収入金額とします。





(注1)退職手当等が「特定役員退職手当等」に該当する場合

特定役員退職手当等(役員等勤続年数が5年以下である人が支払を受ける退職手当等のうち、その役員等勤続年数に対応する退職手当等として支払を受けるもの)については、退職金の額から退職所得控除額を差し引いた額が退職所得の金額になります(上記計算式の2分の1計算の適用はありません。)。

「役員等勤続年数」とは、退職金等に係る勤続期間のうち、役員等として勤務した期間の年数(1年未満の端数がある場合はその端数を1年に切り上げたもの)をいいます。

「役員等」とは次のイからハに掲げる人をいいます。

イ法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事および清算人ならびにこれら以外の者で法人の経営に従事している一定の者

ロ国会議員および地方公共団体の議会の議員

ハ国家公務員および地方公務員

(注2)退職手当等が「短期退職手当等」に該当する場合

短期退職手当等(短期勤続年数に対応する退職手当等として支払を受けるものであって、特定役員退職手当等に該当しないもの)については、退職金の額から退職所得控除額を差し引いた額のうち300万円を超える部分については、上記計算式の2分の1計算の適用はありません。

「短期勤続年数」とは、役員等以外の者として勤務した期間により計算した勤続年数が5年以下であるものをいい、この勤続年数については役員等として勤務した期間がある場合、その期間を含めて計算します。





退職所得控除額の計算方法

退職所得控除額は、次のように計算します。

退職所得控除額の計算の表
勤続年数(=A) 退職所得控除額
20年以下 40万円 × A
(80万円に満たない場合には、80万円)
20年超 800万円 + 70万円 × (A - 20年)
(注1)障害者になったことが直接の原因で退職した場合の退職所得控除額は、上記の方法により計算した額に、100万円を加えた金額となります。

(注2)前年以前に退職金を受け取ったことがあるときまたは同一年中に2か所以上から退職金を受け取るときなどは、控除額の計算が異なることがあります。





税額の計算方法

退職所得は、原則として他の所得と分離して所得税額を計算します。

(1)「退職所得の受給に関する申告書」を提出している人

退職金等の支払者が所得税額および復興特別所得税額を計算し、その退職手当等の支払の際、退職所得の金額に応じた所得税等の額が源泉徴収されるため、原則として確定申告は必要ありません。

ただし、医療費控除や寄附金控除の適用を受けるなどの理由で確定申告書を提出する場合は、確定申告書に退職所得の金額を記載する必要があります。





(2)「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない人

退職金等の支払金額の20.42パーセントの所得税額および復興特別所得税額が源泉徴収されますが、受給者本人が確定申告を行うことにより所得税額および復興特別所得税額の精算をします。

(注)平成25年1月1日から令和19年12月31日までの間に支払を受ける退職手当等については、所得税とともに復興特別所得税が課されます。

根拠法令等
所法30、31、120〜122、199、201〜203、所令72、措法29の4、所基通30-3、30-5、復興財確法28

住民税の特別徴収
総務省HP引用

平成25年1月1日以降の退職所得に対する住民税の特別徴収について

 平成25年1月1日から退職所得に対する住民税額の計算方法が変わりますので、住民税額の徴収の際に、ご留意下さい。
 詳細は、お住まいの市町村にお問い合わせください。
 なお、退職所得に対する市町村民税は、退職手当等の支払いを受ける人のその退職手当等の支払いを受けるべき日(通常は、退職した日)の属する年の1月1日現在における住所の所在する市町村によって課税されることとなります。

平成25年1月1日以降の退職所得に対する住民税額は、以下のとおりの計算となります。

住民税額計算の流れ

退職所得の金額×税率(6%(市町村民税(特別区民税))4%(道府県民税(都民税)))=特別徴収すべき税額(市町村民税額(特別区民税額)道府県民税額(都民税額))

(注)
1 退職所得の金額(収入金額から退職所得控除額を差し引いた後の金額に2分の1を乗じて得た額)に、千円未満の端数がある場合は、千円未満の金額を切り捨てる(退職所得の金額は、1,000円単位)。
※勤続年数が5年以内の法人役員等については、この2分の1を乗じる措置を廃止した上で計算します。この2分の1を乗じる措置を廃止して計算する法人役員等とは、法人税法上の役員、国会議員・地方議会議員、国家公務員・地方公務員が対象となります。
2 特別徴収すべき税額(市町村民税額、道府県民税額)に、百円未満の端数がある場合は、それぞれ百円単位未満の端数を切り捨てる(特別徴収税額は100円単位)。
退職所得に対する市町村民税・道府県民税の特別徴収税額早見表

 税額計算の結果を確認できるよう、退職所得に対する市町村民税・道府県民税の特別徴収税額早見表PDFを掲示しますので、参考としてご利用ください。なお、勤続年数が5年以内の法人役員等については、早見表と特別徴収税額が異なりますので、上記計算の流れを参考に計算してください。

(注)
1 この表は、平成18年までは、「地方税法別表第一、第二」により退職所得に対する住民税額を求めていましたが、平成19年1月1日以降、退職手当等に係る住民税の特別徴収税額は、別表によらず、算出を行っていただくこととなりましたので、特別徴収税額の計算の際、その税額を確認できるよう作成したものです。税額計算の結果と早見表に相違がある場合等がありましたら、市(区・町・村)の税務担当者にお尋ね下さい。
2 早見表の退職所得控除後の退職手当等の金額は、2分の1を乗じる前の金額になります。
posted by はみ at 03:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 所得税法
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税理士及び建設業経理士1級です。日々会計・税務につき調べることが多いのでこのページでまとめてみようと思います。 ※個人がまとめた内容ですので、漏れやミスがある可能性もあります。ご了承ください。
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