2014年11月04日
さくらもみじ(さくらもみぢ)
自然が四季折々に見せる表情のなかでも殊のほか美しく見せる彩り、紅葉・黄葉(もみじ)の季節です。
新入学・入社で、輝かしい未来に心を踊らせる「さくらの花」の季節とは違った美を感じますね。「郭煕(かくき)四時山」での、眠る山に至る前の装いです。
さくらは、秋になり日照時間が短くなるとクロロフィルが分解され、葉で作られた糖類やアミノ酸類をもとに新たな色素が作られ、紅葉が始まります。花の準備は、これに先立つ夏に花芽が作られ、そのまま休眠にはいります。普通、冬の寒さで休眠から醒め、春の暖かさで開花するのです。
このようにして、さくらもみじの季節には、葉はその使命を果たし、当初の役目を終えています。やがて枝から離れ散っていくわけですが、地に舞い降りた葉は微生物に分解され、土中の養分となって再び木々の生育に貢献していくのですね。
さくらは、開花のみならず紅葉も、見ているだけでも美しさに心を奪われますし、また、散って行く儚さや潔さも、美しいものがあります。
人は、秋のさくらもみじに、凛として美しい自然の摂理、役目を全うして去りゆくものの儚さ、悲しさ、そして生命の尊さを見るのではないでしょうか。
秋の紅葉は「美しい死に様」「使命を果たして老いることの美しさ」を我々人間に教えてくれているようです。(参考:『広辞苑』『マイペディア百科事典』『植物短歌辞典)
では、短歌を二首あげておきます。
峯村 国一(『耕余集』)
音もなく落ちてさくらのくれなゐの幾葉か泛(うか)ぶみづうみの上
古泉 千樫(『青牛集』)
柿もみぢ桜もみぢのうつくしき村に帰りてすこやかにあり
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