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2014年10月17日

柿色づく

柿
事務局の前畑の柿が色づいてきたと写真が届きました。前回(八月)は青柿でしたが、いよいよ「柿、赤実果也」(和名抄)の柿色に熟れはじめたのですね。

「柿食えば鐘がなるなり法隆寺」という有名な句は正岡子規ですが、大和の御所ガキを見て法隆寺の門前の茶屋で詠んだものですね。柿は室町時代から茶菓子として串ガキが利用されていましたから、江戸時代には品種も増えていました。

「柿が赤くなれば医者が青くなる」とことわざにあります。それほど、薬効のある果物だということでしょう。一説では、栄養価が高いことを意味しているともいわれています。一般の人々にとって医者の代りをしてくれるほど利用しやすい果物だったということでしょう。

柿果にはビタミンAとCが豊富なこと、また含まれる果糖には利尿作用のあることから、風邪の予防、二日酔い、また肺を潤すのでせきを止める薬効があるといわれています。

また、ビタミンCが、肝臓の働きを活発にするから、アルコール分が抜け、気分がすっきりするし、お酒を飲む前に、柿を一つか二つ食べておくと悪酔いしないと聞きますね。何はともあれ柿の季節です。カキをしっかり味わいたいですね。(参考『野菜と果物図鑑』『広辞苑』『植物短歌辞典)

では、短歌を二首あげておきます。

碇 登志雄(『神幸』1952)
もぎたての柿はうまかり応召してともに居たりし話はつきず   

窪田 空穂
(『さざれ水』)
ただ一つなりて赤らむ大き柿もみぢせる葉に紛れなむとす


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