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2014年06月26日

山法師・やまぼうし

山法師

久留米市の石橋文化センターの睡蓮の咲く池から離れ、山に入ろうとする所に満開の山法師の花があった。

ミズキ科の落葉高木。古語ではツミ(柘桑)である。秋に赤い実をつけ、くわの実に似ているところから山桑ともいう。

語源は、山の法師という意味で、木の葉の上に沢山の法師が頭巾を被って並んでいる姿に見えるところからきている。

(参考『語源辞典』東京堂出版)


山法師



万葉集 三386
この夕べ柘(つみ)のさ枝の流れ来ば簗(やな)は打たずて取らずかもあらむ


この歌は、柘枝伝説に寄せた歌です。

柘枝伝説は、吉野の川に梁を設けて魚を取っていた男「味稲(うましね)」が、その梁に柘の枝が掛かったので、手に取ると美女に化し、「味稲」はその美女と相愛(め)でて結婚・同棲したが、後に夫を残して昇天したという天の羽衣説話の型をもつもの。

この伝説を踏まえて、【柘枝(つまのえ)仙媛が化した「柘の小枝」を梁を使わないで取れないだろうか】と詠んだ歌ですね。

(碇弘毅 記)

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