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2015年01月20日

薺・なずな(なづな)

IMG_9118aa.JPG
前畑の畦に白く可愛い薺(なずな)が咲いていますよ。清少納言が「草は、……薺(なづな)、いとをかし。」(『枕草子』五十四段)と書いているあの花です。……と、事務局から可愛い花の写真が届きました。

なずなは、・アブラナ科、ナズナ属の越年生草本です。夏は枯れていて秋に芽を出し、早春に花を開きます。

春の七草の一つです。

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 学名は、Capsella bursa-pastoris と言い、属名のCapsella は英語のカプセルと同じで、小さい容器・小さな箱・小さな袋の意味で、実の姿からきていますね。さらに、種名のbursa-pastorisは羊飼いの財布の意味ですね。こちらは実の形に由来するものです。

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ところで、日本では、風に揺れたときの音からペンペン草(ぺんぺんぐさ)や、実が三味線の撥(ばち)に似ているところから三味線草」(しゃみせんぐさ)という別名で親しまれています。父によると、幼少時代に、祖母から「ネコのシャミセン」(猫の三味線)と教わり、音がするといって振って遊んでいたそうです。

「薺」は「撫菜」(なでな)の義にて、愛づる意(『大言海』)から変化したものといわれ、なでたいほどかわいい菜ということですね。  

また、夏に枯れて無くなることから「夏無(なつな)」から変化したという説もあります。

ともあれ、古くから春の七草として、薬用食糧として撫で慈しまれてきた植物ですね。止血剤、痛風、赤痢、解毒、利尿などの薬として使われるそうです。(参考:『植物語源辞典』『広辞苑』『植物短歌辞典』『季節の花300』『枕草子通解』)

では、短歌を三首あげておきます。

木下 利玄(『みかんの木』)
鎌倉の山あひ日だまり冬ぬくみ摘むにゆたけき七草なづな
なづななづな切抜き模様を地に敷きてまだき春ありこゝのところに


岡 麓(『涌井』)
みやこより移り住みては七種の薺摘まむに雪のつもれり


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