2015年01月14日
すいせん・水仙
事務局の庭のそこここに水仙が咲き出しています。
〈そのにほひ桃より白し水仙花〉〈水仙や寒き都のここかしこ〉と蕪村が詠んでいますね。
寒さの中に清楚で凛とした姿に惹かれますね……と花信が届きました。
水仙は、ヒガンバナ科、スイセン属の多年生草本で、地中海沿岸の原産。古くシルクロードを通って東アジアに渡来、日本へは中国を経て伝わったとされています。日本の書物に初めて登場するのは室町時代で、漢名「水仙華」、和名「雪中華」とあります。どうやら鎌倉から室町時代に渡来したらしいですね。
「水仙」という名は中国に由来します。スイセンが何故「水の仙人」なのでしょう。
ギリシャ神話に始まる花物語に通じるものがあるようですね。水に映るわが姿に恋して死に、水仙の花に化したという美青年ナルシス(ナルキッソス)の物語がそうですね。
スイセンの属名Narcissus (ナルキッサス)は、このギリシャ神話の美少年の名前にちなむものですね。(参考:『広辞苑』『季節の花300』『植物語源辞典』『花の履歴書』)
では、短歌を三首あげておきます。
佐々木信綱(『おもひ草』)
風にいでし法師は未だかへり来ず人なき居間の水仙の花
碇 登志雄(『夕光』)
月冴ゆる寒夜ながらにふるさとは野生の水仙白く匂はむ
大隈 寛人(『姫由理』2015)
畑隅に二列に植ゑし水仙の早も咲き初む師走も待たずに
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