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日々起きる問題を、検証することで、
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2019年05月15日

親にできることは?    〜いじめから子供を守るには?〜

いじめからひきこもり あの時の親に今伝えたいこと

中2で不登校に。26歳で一人暮らしを始め、職業訓練を受けて仕事に就いたが…

活発だった幼少時代、中1で生活が暗転

 「小学校までは友達もいたし、時にはけんかもしたしで、元気な子だったと思います」

 トシさんは穏やかに語り始めました。笑みを絶やさない、優しい物腰の男性です。

 実家は首都圏近郊のベッドタウン。両親や妹、祖父母と暮らしていました。物静かなサラリーマンの父と、専業主婦の母に優しい祖母。当時は、家族関係に大きな問題はありませんでした。勉強も得意で、成績表は毎回、5段階評価の「5」と「4」が並びました。しかし中学1年の時、意地の悪い同級生に目を付けられ、生活が暗転します。クラス中に嘘を言いふらされ、担任も同級生の肩を持ちました。このため、友人たちが次第に離れていったのです。

 2年に進級すると、いじめ常習犯のグループが「トシがナイフを振り回した」とでたらめを言い、教師たちも同級生もそれを信じ込みました。「その結果、クラス中に『トシはいじめてもいい』と容認する空気が生まれたんです」(トシさん)。剣道部の生徒に棒で殴られるなど、暴力はエスカレート。10人くらいに馬乗りで押し潰されて「圧力で本当に眼球が飛び出る、と思ったこともあります」。

 テニスのラケットで頭を10発以上殴られた時は、帰宅して泣きながら家族に訴えました。しかし両親は、さほど問題視しなかったといいます。表面上は普通に登校していたので、深刻さが伝わらなかったのだと思います。自分自身すら当時は、不登校になどならないと思っていました」。しかし実際は、学校まで歩くのもつらい状態。「糸が切れた操り人形みたいに、何もする気が起きませんでした」


ここでもやはり、実態を見抜けない「先生」の姿があります。
虐め常習犯を認識してはいなかったのでしょうか?
情けない話です。

中学の出席扱いになるからと、不登校児を対象とした学習センターに通い始めます。しかし勉強する時間はあまりなく、ビデオを見たり、読書をしたり。「だから数学や英語など、中2で止まっている知識がすごく多いです」。用事ができてやむなく中学へ行く時は、顔も上げられず「視野が真っ黄色になって、吐きそうになりました」

 そんなトシさんを面白がって、同級生たちは家をのぞきに来ました。友人や家庭訪問に来た先生から「みんながどれだけ迷惑していると思ってるんだ」と責められもしました。当時はやっていたテレビドラマや音楽は、同級生が同じものを楽しんでいると思うと、見たくも聞きたくもありません。

ゲームですら「同級生に見つかったら『学校を休んでゲームしている』と言いふらされる」という恐怖がつきまとい、日が暮れて雨戸が閉まるまで、電源を入れられませんでした。学習センターへ通う時も、親の車の中で身を縮めていました。

 母親には「(加害者に)負けるもんか、こんちくしょうと思わないの?」と言われましたが、トシさんに戦う力など湧いてきません。高校に進学しても、加害者から逃れることはできませんでした。彼らは登下校の電車でトシさんに偶然会うと、友人にわざと「トシはいかにおかしなやつか」を声高に語ったのです。電車にも乗れなくなり、1年ほどで退学。ひきこもり生活が始まります。


この親は、「育児放棄」みたいなもんですね。
全然、子供の現状を理解しようとしていない。

自分の子供を信じられないほど、悲しい事はありません。


家族関係まで崩れていく どん底の中、たたき壊した卒業アルバム

 トシさんが、過去に育んできた「正しいことをすれば報われる」という価値観は、いじめによって根底から覆されてしまいました。同級生の嘘や暴力がまかり通る中、親から教わった道徳心や正義感は何の役にも立たない、むしろ自分を追い詰めたという不信感さえ生まれました。

 こうして両親との関係も、悪化していきます。父親は、貧しい中で大学を卒業した、真面目で勤勉な人物です。それだけにひきこもりの息子は、理解し難い存在でした。

 「なぜ五体満足なのに、そんなことをしているんだ」
 「俺たちは、毎日頑張ってるのになあ」


 父親の嘆きを聞くたびに、トシさんは「もっともだ」と思い、自分を責めました。母親も始終、泣いたり怒ったりしました。トシさんはそんな母親にいら立ち、怒鳴りつけたこともあります。「僕自身、出口の見つからない苦しみの真っただ中にいました。でも親は『ゲームばかりしている』と思ったようです」。トシさんのつらさに、寄り添ってはくれませんでした。

 優しかった祖母が亡くなり、家庭での孤立はさらに深まりました。


おばあちゃんはきっと、この子の心情を理解できていたのではないでしょうか?
そんな気がします。

「同級生のいない街」に安心 故郷離れ一人暮らし始める

 しかしこの後、トシさんに少しずつ、外の世界で「リアル」を体験したいという思いが芽生えます。23歳の頃、好きなゲーム音楽のコンサートがあるとネットで知り、行くことを決意。親に電車賃をもらって電車を乗り継ぎ、道に迷いながらも会場を目指しました。

 知らない街を歩いていると、トシさんの心は「ここには、いじめた連中は誰もいない」という安心感で満たされました。この時から、故郷を離れて暮らしたいと、強く願うようになります。26歳の時、都内で一人暮らしを始めました。職業訓練を受けて福祉系の入門資格を取り、仕事にも就けました。働き始めた頃は「毎月お金をもらえて、だんだん任される仕事も増え、新鮮でうれしかった」といいます。親からの資金援助も不要になり、貧しいながらも経済的に自立できました。

 しかし、ひきこもり生活から一転しての週6日勤務で無理を重ね、心身の余裕を失っていきます。上司や同僚との関係がぎくしゃくし、4年半で退職。次の職場も、先輩から厳しい叱責を受けて抑うつ・不安障害と診断され、1年足らずで休職しました。トシさんは「要領が悪い上にコミュニケーションが不得手で、顧客の話を聞かずに自分の話ばかりしてしまう」欠点が、自分にあるといいます。「何度就職してもうまくいかない。人と関わるのが苦手なのに、仕事を続けられるのだろうか」と、悩むようになりました。


ウソやデマを言いふらされていれば、自分の正当性を主張する行為が
過剰になっていくのは考えられます。
人の話を聞かずに、自分の話ばかりしてしまう、という感情が
わかるような気がするのですが・・・。

デマやウソを言われる前に、主張したい。
そういう気持ちが、日常に出てしまっているのではないでしょか?

いじめの環境変えてほしかった 「学校に戻る」を目標にしないで

 トシさんは、いじめを受けた時、両親には何よりも「環境を変えてほしかった」といいます。

 「両親はずっと、僕が『普通の道』に戻ることにこだわり続けました。転校させるなり、せめてクラスを変えるよう学校に頼むなりして、環境をリセットしてほしかった。不登校の子どもに『休んで元気をつけて、学校に戻ろう』と言う親がいますが、『戻る』ことを目標にしないでほしい

 両親は「中学、高校、大学へ進み正社員になるという一本道の価値観」から離れられず、それが結果的に、道から外れたトシさんを長く苦しめました。現在は、IT技術の進化などで、在宅でもスキルや知識を習得しやすくなっています。トシさんも「10代の自分がここにいたら、ゲームクリエイターになるためのプログラミングの本を渡している」と話します。

 「不登校やひきこもりは、誰にでも起こりうると思います。親はそれを、子どもが育つ道の一つとして認めてほしい。そうすれば本人の精神的な負担はだいぶ軽くなり、勉強などに前向きに取り組む余裕も生まれるのではないでしょうか」



「普通」って、一体何でしょう?

多様化している今の時代、「普通」に価値があるとは言えなくなっています。
逆にアメリカあたりでは「普通」は、「能無し」と同じに見られます。
普通ではなく「特別」が価値があると見ます。

それが「個性」ではないでしょうか?

法律で「義務教育」が決められていますが、義務教育とは
学校に行くことではなく、基本的な知識を習得することが
義務化されているわけで、学校はその一手段に過ぎない。

小学校でも中学校でもなく、校外学習や野外学校で習得してもいい。
フリースクールも全国にあります。
手段も多様化してもいい時代なのではないでしょうか?

あの「エジソン」だって、まともに学校には行ってなかったのですから。
学校が親にとって「一番楽な方法」でしかないのでしょう。
行きさえすれば、後は学校がやってくれるからです。

でも、親には「子供に義務教育を受けさせる義務」があることは
憲法にも謳われている事です。
憲法違反をしてはいけません。   WWW

手段は、現在の日本には、沢山の選択肢が用意されています。
充分ではないかもしれませんが、そういうシステムを利用させてあげることも
親の義務と捉えて、子供を守りましょう。

ここに参考になる活動をしている団体があります。
ご一読ください。


|高校生の心に、火を灯す授業|キャリア学習プログラム「カタリ場」

「カタリ場」とは、主に高校生の将来への可能性を引き出し、将来への行動へと動機付けることを目的とした、キャリア学習プログラムです。


授業を行うのは、大学生を中心としたボランティア・スタッフです。

利害関係のある“親”でも“先生”でもない、毎日付き合う“友達”でもない、少し年上の「先輩」だから、高校生たちも本音を話しやすいのです。

このような「ナナメの関係」によって生まれる“憧れ”や“刺激”、
そして対話のなかで引き出される“自己理解”や“意欲”を最大限活用するため、
カタリ場の授業は、「座談会」「先輩の話」「約束」の主に3つのパートで構成されています。

「座談会」では、生徒にスタッフが質問していくことで、生徒が好きなこと、嫌いなことを言語化するとともに、未来の夢や漠然とした不安などを引き出していきます。生徒の自己理解を促します。

「先輩の話」では、スタッフ数名が、「部活」「進路」「友人関係」などのテーマで、紙芝居形式のプレゼンテーションを行うので、高校生は興味のある話を聞きにいきます。内容は、今打ち込んでいることや夢、進路選びの失敗談や、高校生のときの失敗談や自分への後悔などさまざま。

「約束」では、これまで見つけた憧れや、見えてきた自分の興味関心などを行動につなげるために、今日からできる小さな行動をカードに書き込みます。
スタッフと「約束」をすることで、授業の興奮を日常生活につなげます。


「ナナメの関係」を実践する、認定NPO団体です。


     BY いいとこどり

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