2018年11月28日
書評『R62号の発明』
こんにちわ、小谷中広之です
「小谷中広之」が読んだ本の書評をします。「小谷中広之」なりに感じたこと(感情)を書き、少しでも皆様の何かのきっかけになれればこのうえない喜びです(定期的に書評は更新していきます)
「小谷中広之」が感じ、思った事を書きたいと思っております
今回のご紹介する本は、安部公房様の「R62号の発明 鉛の卵」です
このような方にお勧めです
「短編小説好き SF好き」
著者の方のプロフィール
「東京生まれ 1951年「壁」で芥川賞を受賞 「砂の女」は読売新聞賞とフランス最優秀外国文学賞を受賞 」
まとめ
12の物語になっている短編集
私は抽象的な登場人物が出てくる小説が好みでもちろん今回の短編集にも登場する
しかし抽象的な登場人物が出ては来るが「やし酒飲み」や「短くて恐ろしいフィルの時代」のように絵を描きたくなるような思いにはならなかった(個人的すぎるが)
が、イマジネーションを大分刺激された
最も大きな刺激剤が「人+生き物(人間以外の臓器)=?」という式
見かけは人間でも、例えば腸は鳥類のものを移植することで人間はどのような生活を抑制されてしまうのか?
鳥は飛ぶために自らの体を軽くすることが生存戦略の一つであり、そのためには食べたものをすぐに排泄しなければならない
そうなるには腸を短くすることが重要だが、鳥はウンと短い
その短い腸を人間に移植するのだから、どうなるかは想像しやすいだろう
そんな抽象的な人物が出てくる物語を想像するのは実に面白い
このような発想をくれた作品が6話目の盲腸だ
これはイマジネーションを刺激されたというよりは、不思議な体験をすることが出来た作品
10話目の耳の値段
一般的に人間自体にかける保険は命やケガ、病気などの保険を言うが各パーツに保険がかけられるというのが耳の値段の意味となるが
各パーツというのは、足、手、腕、そして耳などを指す
ちょうど耳の値段を読み終えて、車で移動中のラジオから驚きの内容が私の耳に入ってきた
それは、日本国内ではまだそのような各パーツにかける保険はないが、海外ではその保険があるとのことで、タレントやお笑い芸人、ミュージシャンなど日本人もその保険に加入している人が多いそうだ
例えば、私の好きな芸人の「小島よしおさん」は腹筋に保険をかけているそうだ
海外のアーティストでは、名前は忘れてしまったがギターリストの人で手(指)に保険をかけていたりする
本に戻るがこの短編集は昭和28年から32年にかけて発表された作品集
その時代に海外で各パーツの保険があったのかわからないが、私は無かったと思う
もちろん国内でもそのような保険は存在していないだろう(現在も国内ではそのような保険は無いそうだ、ラジオ調べだが)
そんな時代に著者のイマジネーションで出来上がった「耳の値段」が私個人ではあるが読み終えた直後にラジオから各パーツ保険の内容が流れてくるとは、何とも不思議な体験をさせてもらった
しかし、各パーツに保険を付けることを最初に始めた外国人、もしかして「耳の値段」読んだのかな?
ここまで読んでいただきありがとうございます。読んでいただいた方の人生での何かのお役に立てればとても嬉しいです
この本の他の文章が気になった方下記のサイトで購入可能です。
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