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2024年11月16日

日本昔話 かじやのババア







昔々、とある山奥の村に、腕の立つ鍛冶屋のおばあさんがいました。村の人々は彼女を「鍛冶屋のババア」と呼び、鉄鍋や農具が必要になると、こぞって彼女の家に押しかけてきました。しかし、このババア、とにかく口が悪い。
「お前の顔、見てるだけで鉄が曲がるわ!」
「このクワの刃が鈍い?お前の脳みそよりは切れるさ!」
などなど、いつも毒舌全開。にもかかわらず、彼女の作る道具はどれも一流。だから誰も文句を言えなかったのです。

ある日、奇妙な依頼が…

そんなある日のこと。山を越えた隣村から、ひとりの男がやってきました。服はボロボロ、足には泥がついており、いかにも苦労している様子。
「ババアさん、この鍋を修理してくれませんか?」
彼が差し出したのは、見るからに古くてボコボコの鉄鍋でした。

「こんなポンコツ鍋、叩いても直らんわ!新しいの買え!」と、いつものように追い返そうとするババア。しかし男は土下座をして懇願しました。
「どうかお願いします。この鍋は母の形見なんです…」

その言葉に、さすがのババアも心を動かされました。
「仕方ねぇな、やってみるか!」

奇跡の鉄鍋

ババアは鍛冶場にこもり、鍋を叩き始めました。すると、不思議なことが起こりました。
ゴンッ!ゴンッ!と叩くたびに、鍋がピカピカに光り始め、まるで新しい鍋に生まれ変わっていくではありませんか。

「おいおい、なんだこれ?鍋のくせに調子に乗りやがって!」と毒づきながらも、ババアは鍋を修理し続けました。完成した鍋は、なんと金色に輝き、触ると温かい。不思議な力を宿しているようでした。

鍋の秘密

修理を終えたババアが男に鍋を渡すと、男は涙を流して喜びました。
「これで母の魂も喜んでくれる…ありがとうございます!」
そのとき、鍋から声が聞こえました。
「ありがとう、ババアさん。この鍋には母の魂が宿っていたのです!」

ババアは目を丸くして叫びました。
「な、鍋がしゃべった!? おいおい、幽霊仕事まで引き受けるつもりはねぇぞ!」

しかし、鍋はこう続けました。
「あなたの腕前と心意気に感謝しています。この村とあなたを守る力を与えましょう。」

その日から、村には奇跡が起こりました。鍋で作った料理を食べると、不思議とどんな病気も治り、鍛冶屋の道具を使うと収穫が増えるようになったのです。村人たちは大喜びしました。

最後に

鍛冶屋のババアは、その後も変わらず毒舌を続けましたが、村では「ありがたいババア」と呼ばれるようになりました。
「鉄も人間も、叩けばなんとかなるもんさ!」と言いながら、ババアは今日も鍛冶場で鍋を叩いています。

めでたし、めでたし。

ギャグ編

鍛冶屋のババアとしゃべる鍋

昔々、山奥の村に「鍛冶屋のババア」と呼ばれる、口が悪いけど腕は超一流のおばあさんがいました。村人たちは彼女に道具を直してもらいに来るものの、みんな彼女の毒舌でボコボコにされるのが通過儀礼のようになっていました。

「このクワの刃、もうちょっと鋭くならんか?」と相談すれば、
「お前の頭よりは鋭いだろうが!」

「この鍋、焦げつきやすいんだけど…」と言えば、
「お前が料理下手なだけだ!」

それでも彼女の作る道具は頑丈で使いやすいので、誰も文句を言えませんでした。いや、文句を言ったところで、ババアの返しが強烈すぎて二度と言えなくなるのでした。

しょぼくれた男とボコボコの鍋

ある日、隣村から一人のしょぼくれた男がババアの鍛冶場にやってきました。服はボロボロ、顔は土色、歩き方はゾンビみたい。
「ババアさん、この鍋、修理してほしいんです!」
彼が差し出した鍋は、もはや鍋というより鉄クズの集合体みたいなものでした。穴だらけで、もはやカゴとしても使えない状態。

ババアはそれを見て鼻で笑いました。
「これを鍋だと思ってるのか?私にゴミ処理場やれってのか?」

男は必死に頭を下げました。
「どうかお願いします!この鍋は母の形見なんです!」

それを聞いたババアは一瞬だけ真顔になり、そして豪快に笑い飛ばしました。
「母ちゃん、なんでこんな鍋残していったんだよ!せめて蓋ぐらい残せ!」

それでも男が涙ながらに頼むので、ババアは仕方なく引き受けることにしました。
「まったく、しょうがねぇな!あんた、ラーメン1年分くらいの料金払えるんだろうな?」
「えっ、そんなに高いんですか!?」
「冗談だよ。1年分じゃ足りない。3年分な。」

奇跡の修理

ババアは鍛冶場にこもり、鍋を叩き始めました。しかし、この鍋、とにかくクセが強い!

叩けば「ボコッ!」という音とともに鍋が跳ね返り、ババアの額にヒット。
「痛ぇ!おい、鍋のくせに反抗すんな!」

再び叩けば、鍋が突然蒸気を吹き出し、ババアの髪が爆発したみたいにボサボサに。
「なんだ、爆弾鍋か!? これ作った奴、どういう神経してんだ!」

何度も苦戦しながら修理を続けると、鍋がピカピカに光り始めました。
「おい、どうなってんだ?お前、鍋のくせに進化してんのか?」

すると突然、鍋がしゃべり出しました。
「進化じゃない、私は生まれ変わったのだ!」

ババア、驚きすぎてハンマーを取り落としました。
「しゃ、しゃべる鍋!? おい、誰だ、こんな悪ふざけしたのは!」

鍋の恩返し

しゃべる鍋は、ババアに向かって頭を下げました(もちろん、鍋なので上下の概念はない)。
「鍛冶屋のババアさん、ありがとう。この鍋には亡き母の魂が宿っていました。あなたの腕で鍋を修理してもらい、魂も安らかになりました!」

ババアは鍋をつまんでひっくり返し、穴がふさがったのを確認しました。
「ふーん、魂が宿ってた?そんな大事な話、最初にしろよ!」

男は泣きながら喜びました。
「これで母が天国で安心して眠れます!」

鍋は続けてこう言いました。
「お礼に、この村を守る力を授けましょう。この鍋で作る料理を食べると、どんな病気も治ります!」

ババアは鍋をジロリと見て、ニヤリと笑いました。
「病気が治るだぁ?こりゃ商売上がったりだな。でもまぁ、いいか。この鍋で商売するか!」

その後の村

村では鍋で作られる料理が大評判となり、みんな健康で幸せになりました。ババアの毒舌も健在で、こう言い放つのでした。
「この鍋で飯を食うやつ、毒舌にも耐える免疫がつくんだよ!」

めでたし、めでたし。




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