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2024年12月12日

日本昔話 二十三夜さま







二十三夜様の奇跡

昔、ある山里に、おばあさんが一人で暮らしていました。おばあさんはとても貧しく、自分の家もボロボロ。けれども、いつも笑顔を絶やさず、毎晩欠かさずに二十三夜様にお参りをしていました。

「二十三夜様、どうかこの世のすべてをお守りくださいな。私の願いは少しでも村のみんなが幸せになることだけです。」

そんなおばあさんの謙虚な祈りが天に届いたのか、ある晩、不思議な夢を見ました。夢の中で二十三夜様が現れ、おばあさんにこう告げたのです。

「お前の信仰は深く、心は清らかである。明日、山のふもとの古い井戸を掘るがよい。そこにお前の未来がある。」

古井戸の秘密

翌朝、おばあさんは近所の若者たちに事情を話し、助けを頼みました。村の若者たちは快く協力し、古井戸を掘り始めました。井戸の底が見え始めた頃、なんと黄金の光る石がゴロゴロと出てきたのです!

「これが二十三夜様のお導き…!」おばあさんは目を輝かせました。

黄金を使ってもともと貧しい村は立派な道や学校、井戸を作り、村人全員が恩恵を受けました。しかし、おばあさんは自分の家には一切手をつけず、あいかわらず慎ましい暮らしを続けました。

「これでみんなが幸せになれれば、私はそれで十分じゃ。」

妬みの炎

しかし、村外れに住む欲深い男がこの話を聞きつけ、鼻息を荒くして古井戸に向かいました。男は井戸をさらに深く掘り、もっと多くの黄金を見つけようとしました。

「ハッ、俺様にはこんなに黄金がふさわしい!もっと掘って掘って掘りまくるぞ!」

ところが、井戸は突然ゴォォッと恐ろしい音を立て、水が勢いよく噴き出しました。男は吹き飛ばされ、ずぶ濡れになりながら逃げ帰りました。それ以来、黄金は二度と現れることなく、井戸は再び静かになりました。

村の繁栄

おばあさんはその後も二十三夜様への祈りを続け、村は年々豊かになっていきました。村人たちは毎月の二十三夜になると月夜の下に集まり、感謝の祈りを捧げるようになりました。

そして今でも、その村では二十三夜様へのお参りが欠かされることはありません。

ギャグ編


二十三夜様と黄金の井戸

昔々、とある山里に、おばあさんが一人で暮らしていました。おばあさんは貧乏でしたが、毎晩のように二十三夜様にお参りをしていました。
「二十三夜様、どうか私が明日転ばずに済みますように。あとできれば、ご飯にちょっとだけ味をくださいな。」

そんな控えめな願いが毎晩続き、ある日、二十三夜様はたまらず夢に現れました。
「おばあさん、そろそろ本気で願いなさい。そんな小さいことばかり願って、神様のスケールが試されているような気分じゃ!」

驚いたおばあさん、翌日から願いをグレードアップ!
「二十三夜様、どうか、こう、村中がひっくり返るような奇跡を起こしてくださいませ!」

井戸の中のサプライズ

その晩、二十三夜様は再び夢に現れ、おばあさんに言いました。
「いいだろう。明日、村の古井戸を掘りなさい。そこにすごいものが眠っているぞ。」

次の日、おばあさんは村の若者たちに声をかけました。
「二十三夜様に井戸を掘れと言われたんじゃ! 掘ったら何かすごいものが出るらしいぞ!」

若者たちは半信半疑でしたが、暇だったので手伝うことにしました。途中、ひとりがポツリ。
「おばあさん、これでドブネズミでも出てきたらどうします?」
「そしたら鍋にするさ!」

みんなで笑いながら掘り進めると、なんと底から黄金がザックザク!若者たちは目を丸くしました。
「おばあさん、これ、えらいことですよ!黄金ですよ!」
「よっしゃ! まずは村に温泉でも作るか! いや、露天風呂のほうがいいな!」

欲深男の逆襲

この話を聞いた村外れの欲深い男が黙っているはずがありません。彼は夜中にこっそり井戸を掘りに行きました。
「黄金だと?そんなもん、全部俺様がいただくぜ!」

勢いよく掘り進める男。やがて井戸の奥から何かキラリと光るものが見えました。
「おお、黄金だ!二十三夜様、ありがとよ!」

男が掴み取ったその瞬間――ゴォォォ!と井戸が唸り声を上げ、突然水が吹き出しました。

水柱とともに飛び上がった男は村中を大回転しながら叫びます。
「二十三夜様〜!あんたマジで何してんだぁぁぁ!」

男は村中をグルグル回ったあと、井戸の隣に落っこちました。
「これが…黄金の代償ってやつか…」と呟きながら、彼は翌日から真面目に農業を始めるようになったとか。

村の大繁栄

一方、おばあさんは黄金を使って村のために井戸を作り直し、学校や橋も建設。村人たちは感謝の意を込めて、毎月二十三夜様にお参りするようになりました。

おばあさんも相変わらず、質素な暮らしを続けながら言います。
「二十三夜様、毎日感謝しとるよ。でも次は、できれば腰が痛くならない布団をくださいな。」

そんなおばあさんの声に、二十三夜様は夢の中でまた頭を抱えるのでした。




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