むかしむかし、山あいの小さな村に、おじいさんとおばあさんが住んでいました。二人はとても優しい心を持っていましたが、長いこと二人きりの生活を送っていました。家には、小さなネズミが一匹、チョロチョロと動き回っていて、時折姿を見せるそのネズミは、まるで二人の家族のような存在でした。
ある日、おじいさんが薪を拾いに山へ出かけたときのこと。途中で立ち寄った神社のそばで、何やら小さな声が聞こえてきました。耳を澄ますと、どうやらその声は地面の中から響いているようです。不思議に思ったおじいさんが、そっと草むらをかき分けてみると、小さなネズミたちが楽しそうに相撲を取っているではありませんか!小さな体でありながら、力強く押し合い、真剣な表情で勝負に挑む姿に、おじいさんは驚きました。
「ほう、これは面白いことだ」と、おじいさんはしばらくその様子を見守り、心が温かくなるのを感じました。
家に帰ると、おじいさんはおばあさんにこの不思議な出来事を話しました。「おばあさん、今日はとんでもないものを見たぞ。山のネズミたちが、なんと相撲を取っていたんだ!」と嬉しそうに話すと、おばあさんも驚き、「そんなことがあるのかい?不思議だねえ」と首を傾げました。
翌日、おじいさんとおばあさんは、ふと「あのネズミたちにご馳走をあげよう」と思い立ちました。二人はお餅を作り、それを持って再び山へ向かいました。神社の近くの草むらに餅を置いて、少し離れたところから見守ることにしました。
しばらくすると、ネズミたちがまた集まってきて、相撲を始めました。おじいさんとおばあさんが餅を置いたことに気づいたネズミたちは、大喜びで餅を抱え上げ、感謝の気持ちを込めてその餅を持ち帰りました。
その夜、家に戻ったおじいさんとおばあさんが眠りにつこうとしたとき、不思議な音が聞こえてきました。窓の外を見ると、なんとあの相撲を取っていたネズミたちが家の前に現れ、小さな小判を運んできたのです!ネズミたちは、お餅のお礼として、小判を二人に渡し、何度も頭を下げました。
それ以来、おじいさんとおばあさんの生活は豊かになり、二人は幸せに暮らしました。そして、いつまでもネズミたちとの温かい絆は続いていったのです。
めでたし、めでたし。
ギャグ編
昔々、山あいの小さな村に、おじいさんとおばあさんが住んでいました。二人は優しい心を持っていましたが、最近少し暇を持て余していました。暇すぎて、とうとう「今日はどの辺が痛いか」について語り合うのが唯一の楽しみとなっていました。
ある日、おじいさんが「今日は膝が痛むなぁ」とぼやきながら山へ薪拾いに出かけました。すると途中で、どこからともなく「はっけよーい、残った残った!」という小さな声が聞こえてきます。「え?相撲中継?」おじいさんは耳を疑いました。「いやいや、そんなはずはない。山の中にテレビなんてないじゃろ」と自分にツッコミを入れつつ、声の方へ近づいてみると――
なんと、そこにはネズミたちがちっちゃな土俵で相撲を取っているではありませんか!おじいさんは目をパチクリさせながら、その壮絶な(いや、むしろちんまりした)取り組みを眺めました。
「おお、すごいじゃないか!」と声を上げると、近くのネズミがびっくりして「な、なんだ、おっさん!」と言いながら、すっ転びました。「えっ、喋るんかい!」とおじいさんもびっくりして後ずさり。でもすぐに「これは面白いことになったぞ」とほくそ笑みます。
家に戻ると、おじいさんはおばあさんにそのことを興奮気味に話しました。「おばあさん、今日すごいもん見たぞ。山でネズミたちが相撲をしておった!」と。おばあさんは「はあ?おじいさん、それは薪拾いのしすぎでついに幻覚を見たんじゃないのかい?」と冷静に返しましたが、おじいさんは「いや、ほんまやって!明日一緒に行こう!」と強引におばあさんを誘います。
翌日、二人はネズミたちにご馳走をあげようと、お餅を持って山へ向かいました。神社のそばにお餅を置いてこっそり隠れていると、ネズミたちがまた集まってきました。「おお、餅じゃん!」「誰が置いたんだ?」「まぁ、いいか、いただきまーす!」とネズミたちは大喜びで餅をむさぼります。
ところが、一匹のネズミが大声で言いました。「ちょっと待て!これ、消費期限切れてないか?」みんな急に手を止め、「いや、まだセーフだろ」「いや、アウトだろ」なんて言い合いが始まりました。そこにおじいさんがこっそり現れ、「大丈夫、まだ3日くらい余裕があるぞ!」と突っ込むと、ネズミたちは「おっさん、どこから出てきたんだよ!」とびっくり。
その夜、おじいさんとおばあさんが家で眠っていると、窓の外からカサカサ音が聞こえてきます。「またネズミか?」と思って外を覗くと、ネズミたちが今度は小判を運んできたのです。「この前のお餅、ウマかったからお礼だよ!」と言い、さらに「消費期限のことは気にしないでくれ!」とにっこり。
それからというもの、おじいさんとおばあさんの家には定期的にネズミたちが訪れ、お餅と小判の物々交換が始まりました。おじいさんたちは「これって商売になるか?」と密かに考えながら、のんびりと幸せに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし。
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