昔話

むかしむかし、あるところに名刀を作ることに長けた刀鍛冶の一族が住んでいました。その一族の中でも特に腕の立つ鍛冶師がいました。彼の名は木千把（きせんば）といい、その名は近隣の村々にも広く知られていました。

木千把は一心不乱に鉄を打ち、数々の名刀を生み出してきましたが、その中でも一振りの刀が特に有名でした。その刀の名は「千把丸（せんばまる）」といい、見る者すべてを魅了する美しさと、驚くべき切れ味を誇りました。

ある日、村に大蛇が現れ、人々を恐怖に陥れました。大蛇は村の作物を荒らし、家畜を襲い、ついには村人にまで危害を加え始めました。村人たちは途方に暮れ、誰かがこの災厄を取り除いてくれることを祈り続けました。

その時、木千把は立ち上がり、「この大蛇を退治するために、私が千把丸を使おう」と宣言しました。村人たちは彼の勇気に感動し、皆で協力して大蛇を倒すための準備を始めました。

夜が更け、村は静まり返った頃、木千把は一人で大蛇の住む山へと向かいました。月明かりに照らされながら、彼は千把丸を握りしめ、山の中を進んでいきました。

山の奥深く、大蛇の巣に辿り着くと、大蛇はすでに木千把の到来を察知していました。大蛇は巨大な体をうねらせ、鋭い目で彼を睨みつけました。しかし、木千把は一歩も退くことなく、千把丸を構えました。

「これ以上、村を苦しめることは許さない。ここでお前を倒す！」

木千把の叫び声とともに、千把丸が一閃しました。その切っ先はまるで光のように輝き、大蛇の体を真っ二つに断ち切りました。大蛇は一瞬のうちに絶命し、木千把はその場に膝をつきました。

村に戻った木千把は、千把丸を見つめながら、「この刀がなければ、私は勝てなかった」と心から感謝しました。そして、村人たちは木千把の勇気と千把丸の力に感謝し、彼を英雄として称えました。

それ以来、千把丸は「村を救った刀」として語り継がれ、木千把の名もまた永遠に忘れられることはありませんでした。

ギャグ編


むかしむかし、あるところに名刀を作ることに長けた刀鍛冶の一族が住んでいました。その中でも特に腕の立つ鍛冶師、木千把（きせんば）という男がいました。彼の名刀「千把丸（せんばまる）」は、その切れ味の良さと美しさで有名でした。しかし、木千把は少々お調子者で、いつも何かしらのトラブルを引き起こしていました。

ある日、村に大蛇が現れました。大蛇は村の作物を荒らし、家畜を襲い、ついには村人にまで危害を加え始めました。村人たちは困り果て、誰かがこの災厄を取り除いてくれることを祈り続けました。

「大丈夫、俺に任せてくれ！」と木千把が叫びました。「この千把丸で大蛇を退治してやる！」

村人たちは不安そうに見守る中、木千把は準備を始めました。まず、鎧を着ようとした木千把は、うっかり自分の足を踏んで転びました。さらに、千把丸を磨こうとして水をこぼし、自分の顔にかかってしまいました。

「これで大丈夫だ！」と、顔がびしょ濡れのまま木千把は自信満々に言いました。

夜が更け、木千把は大蛇の住む山へと向かいました。途中、彼は木の枝に引っかかり、転びながらも前進しました。ついに大蛇の巣にたどり着いたとき、木千把は息を切らしながら言いました。「お前を倒すためにここまで来たぞ！」

大蛇は巨大な体をうねらせ、木千把を見下ろしました。しかし、木千把はひるまず、千把丸を構えました。が、その瞬間、彼は千把丸を逆に持っていることに気づきました。

「えっと、こっちが刃か」と言いながら、刀を正しい向きに直しました。

「これ以上、村を苦しめることは許さない。ここでお前を倒す！」

木千把の叫び声とともに、千把丸が一閃…しようとしたその瞬間、大蛇がくしゃみをしました。その風圧で木千把は後ろに吹き飛ばされました。

「ま、負けないぞ！」と木千把は再び立ち上がり、今度こそ本気で千把丸を振り下ろしました。その一閃はまるで光のように輝き、大蛇の体を真っ二つに断ち切りました…が、切れ味が良すぎて、大蛇だけでなく山の木々も、さらには自分の履いていた草履まで切ってしまいました。

「あれ、靴がなくなった」と木千把は驚きながらも、「まあ、いいか！」と笑い飛ばしました。

村に戻った木千把は、千把丸を見せびらかしながら、「どうだ、俺の腕前！千把丸のおかげで大蛇もバラバラ、ついでに木もバラバラ！」と自慢しました。村人たちは彼の勇気とちょっとしたドジに大笑いしつつも感謝し、木千把を英雄として称えました。

それ以来、千把丸は「切りすぎ注意の刀」として語り継がれ、木千把の名もまた永遠に忘れられることはありませんでした。