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2015年04月21日

してやったり新婦の父

この間の友人(新郎の方)の結婚披露宴。
もうこの先こんな披露宴は見る事はないだろう。

タイムスケジュールも最後の方、新婦の父親のスピーチ。

「明子。明子が生まれてすぐ、
お前のお母さんは病気で亡くなりました。
お前は母の顔は写真でしか知りません。
母親の声も知りません。
母の愛情も知りません。
片親でつらい思いもしただろう。

それでも父の私に文句一ついう事も無く、
明るくて素直で思いやりのある子に育ってくれた。
本当に手がかからない子だったし、
よく家事もやってくれた。
相手にも恵まれて、幸せになってくれて
お母さんも喜んでくれてると思う。

最後にお前に謝ることがある。
明子に25年間隠していたものがある。
いつか嫁に行くときに見せてあげようと
思ってずっと取っておいた物だ。」


・・・そして古ぼけたブリキみたいな箱からとりだした1本のビデオテープ。
会場のセットで再生・・会場ザワザワ・・・

そこにはベットの上で笑顔で赤ちゃんを手にする母親の姿。
そう25年前の新婦と母親。
母親の笑顔のなんと神々しい事。
まさに聖母の如く・・

はじめて見る母親の姿に新婦どころか全員が嗚咽だった。
とくに新婦はもう見ていられなかった。
そしてしてやったりの新婦の父。

あの人だけは泣く事もなく、淡々としてたんだよなあ。
そこがまた泣けるんだけど。
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