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2015年04月10日

戦争中のじいちゃんへの手紙

俺の母方のばあちゃん

いつもニコニコしていて、かわいかった。
生んだ子供は四姉妹。
娘が全員嫁いだ後、長いこと、じいちゃんと2人暮らしだった。

そして、じいちゃんは20年前に亡くなり、
そこから17年ほど1人暮らしだった。

ばあちゃんは3年前に亡くなった。92歳だった。

長い間1人で寂しかったと思う。
けどいつもニコニコして、そんな事は一言も言わなかった。

火葬が終わり、親戚一同で遺品の整理をしている時に
古い手紙の束が見つかった。

母たちは宛名を見て
「戦時中の父さん(俺のじいちゃん)への手紙だ」と騒いでいた。
親戚一同でじいちゃんへのラブレターみたいなものだと思って
やいのやいのと冷やかした。
俺の母がそのうちの1通を音読し始めた。

「(じいちゃんの名前)さんへ。
今日(俺のおばちゃん・母の姉の名前)が風邪をひきました。
豪雪で腰まで雪が積もり、電車も動かないので隣町(余裕で10キロ以上ある)
まで背負って行きましたが、お医者様はお休みでした。
大事な娘を診てもらう事すら出来ないのでしょうか。
このような戦争は早く終わって欲しいです。」

母さん、最後のほう、声かすれて読めなかった。
親戚みんなも泣いてた。俺も泣いてた。

そして他の手紙も、
全部、全部、娘たち--の事ばかりだった。
ばあちゃんが考えてたのは、ずーっと自分の子供(母達)の事だった。

俺は誓う。
もし俺の子供が風邪をひいたら、豪雪の中だろうと何十キロでも歩くと。
年を取ったらばあちゃんみたいな人間になると。
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