2017年01月06日
衝動篇〈赤ずきん〉一章
一節
赤ずきんは知覚する。
血の匂い。
暴力の音。
苦痛の叫び。
――これ、大好き!
もっと血を。
もっと傷を。
もっと悲鳴を。
ちょうだいちょうだいちょうだい
ちょうだい!
その為に作者の力が必要ならば、
蘇らせて――
また、殺そう。
その頭巾の色はまるで
血のように真っ赤っ赤
これなら返り血が目立たないと
笑う少女は誰でしょう?
Normal
- 【 ギシン 】作者を蘇らせるニハ犠牲ガ必要なのデス!
- 【 赤ずきん 】いっぱいころしていいですか?
- 【 アンキ 】ウン!好き放題ニ殺ッチャッテ?
- やったぁ!いっただきまーす!
Hard
- 【 ギシン 】狂者に刃物ヲ持たせル意味は?
- 【 アンキ 】そんなの、決まっているでショウ?
- 【 ギシン 】イツでも誰でも殺してイイ――
- 【 アンキ 】殺人許可証、サシアゲマス!
二節
やわらかなはらわたをケーキに。
あたたかい血を葡萄酒に。
さあ、お見舞いにでかけなきゃ。
三節
道草をしてはいけません。
早くいかないと、
おばあさんが退屈しちゃう。
四節
とちゅうでオオカミさんに出会ったら、
たのしくお話をする前に
大きな石で頭をつぶします。
五節
おばあさんの家についたなら、
火を放ってやき殺します。
六節
こころやさしい猟師さん。
その鉄砲で
お腹を撃たせてくださいな。
七節
おばあさんもオオカミさんも猟師さんも、
みんなみーんなだいすきだから、
ボクが殺してあげますね。
八節
みんなを殺してしまったら、
赤ずきんのお話は終わっちゃう。
そんなのいやだ。まだあそびたい。
九節
作者をよみがえらせたなら、
ずっとずぅっとあそべるかな?
ずっとずぅっと殺せるかな?
十節:前半
あははっ!
痛い?痛い?痛い?
痛いですかぁ?
あははははっ!
でもだめ。たりない。
まだまだ遊んで?
次はだれ?
血で染め上げられた
真っ赤なフード。
灯りに惹かれる蛾のように
ああ、また
新たな犠牲者が現れた。
子供は時に残虐です。
天使のようにかわいい顔で
遊びながら虫を殺すから。
Normal
- 【 ギシン 】ねえ。何ノ為ニ、何をコロしているノ?
- 【 赤ずきん 】たのしいから、全部殺すのです!
- 【 アンキ 】……偶ニハ作者の事も思い出してあげてネ?
Hard
- 【 ギシン 】目的なき殺人者ほど怖いモノはないヨネ。
- 【 アンキ 】デモ赤ずきんは楽しんでいるダケ。
- 【 ギシン 】ソウ。彼女にとって殺しハ遊び。
- 【 アンキ 】子供カラ楽しみヲ奪ったら可哀想!
十節:後半
迫るオークの頭をぐちゃり!
お腹を切って引き裂いて。
中にはいっぱい石を詰め込んで。
池にポチャンデハイ終了。
楽しくて、楽しくて。
赤ずきんはずぅっと笑ってる。
もっとみんなに遊んでほしいと
赤ずきんは願ってる。
暴力
それは、赤ずきんを包む、
ビロードの狂気。
無邪気な無邪気な遊び声。
それは、赤ずきんが遊ぶ声。
無数の死体で遊ぶ声。
暴力振るって、遊ぶ声。
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