2018年07月13日
かぐや姫 / 嫉蛇のガンナー
この世のどこかに『其れ』は潜む。
手に入れし者は『其れ』に嘘偽りのない愛を捧げよ。
しからば、如何なる願いも叶えてくれるであろう。
小国の若き王は『其れ』を手に入れし時分、うねり輝く姿を
美しいと賛辞した。『其れ』は喜びに震え、王の願いを叶え
る事を承諾すると、小国はみるみる豊かな大国へと変化した。
王は『其れ』を富の象徴として手厚く奉り、『其れ』も
惜しみなく恩恵をもたらした。国には安寧の日々が続き、
安堵した王は美しい妃を娶ることとなった。
婚儀の折、王が「全ての愛を我が妃に捧げる」と宣誓すると、
空に暗雲が立ち込め、雷は王を貫き、国をも打ち砕いた。
富の象徴の『其れ』は、いつの間にか姿を消していたという。
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