阿含経の「応説経」において、修行者が煩悩を尽くし解脱を得ることができない理由について、経典は以下のように説明しています。
1. **正しい方法を理解していない**
修行者が様々な方法を試しても成就しないのは、正しい修行法や教えを十分に理解していないためです。仏教では、正しい智慧(正見)と実践(正行)が重要であり、誤った方法では解脱に至ることはできません。
2. **煩悩の根源を見極められない**
煩悩の根源は無明(無知)にあり、これを断つためには智慧が必要です。修行者が表面的な努力だけに終始し、煩悩の根本原因を見極められない限り、解脱は得られません。
3. **執着が残っている**
解脱を得るためには、あらゆる執着を捨て去ることが必要です。修行者が何かに執着している限り、たとえ努力を重ねても解脱に至ることはできません。
4. **心の平静が欠けている**
解脱には心の平静(禅定)が不可欠です。心が乱れている状態では、煩悩を完全に断つことは困難です。
5. **師や教えへの信頼が不足している**
仏教では、正しい師(善知識)とその教えへの信頼が重要です。師や教えを疑い、自己流に頼ることで、正しい道から外れてしまうことがあります。
これらの理由から、修行者が煩悩を尽くし解脱を得ることができないとされています。解脱に至るためには、正しい智慧、実践、心の平静、そして師や教えへの信頼が不可欠です。