を用いた研究で、この成分が安眠促進に優れた効果を発揮することが明らかになりました。
γ(ガンマ)-アミノ酪酸(GABA)
γ‐アミノ酪酸(GABA)は、中枢神経系に広く豊富に分布している主要な神経伝達物質であり、脳を正常に機能させる最も重要な調節因子の一つとして機能しています。
GABAが不足すると、睡眠の質の低下をはじめ、不安や抑うつ気分を引き起こしたり、場合によってはてんかんなどの脳や神経系障害につながることがあります。1
GABAの異なる形態
不安や睡眠対策として処方される一般的な薬剤は、脳内でのGABAの作用を高めることで効果を発揮するのが狙いです。ただし、こうした薬剤の多くは習慣性があり、多数の副作用を生じるため、継続的な使用には不向きなものも少なくありません。
GABAの脳内作用を高めたい方がGABAのサプリメントを摂取するのは当然のことですが、実はそれほど単純なことではありません。というのも、まずはGABAの形態を知ることが重要であり、合成GABAではPharmaGABAなどの天然型GABAと同様の効果が得られないことが示されているためです。1,2
合成型GABAは、人体に安全ではないピロリジノンという工業用溶剤を原料として製造されています。一方、PharmaGABAは、キムチの生産に用いられるプロバイオティクス細菌であるラクトバチルス・ヒルガルディー(Lactobacillus hilgardii)を使用して自然発酵で作られたものです。
GABAの働き
詳細な臨床試験により、PharmaGABAは気持ちを落ち着かせながら集中力や思考力を高めるなど、さまざまな効果を発揮することが示されています。1
PharmaGABAは、次のような作用でリラックス効果を促します。
- 副交感神経の活性化
- 脳のβ(ベータ)波に対するα(アルファ)波の比率を増加。
- コルチゾール濃度などのストレスマーカー(指標)を減少。
PharmaGABAは副交感神経を活性化させます。摂取されたPharmaGABAは容易に吸収され、消化管にあるGABA受容体に結合します。そうして末梢神経系に送り込まれ、その情報を脳に伝達します。脳は、副交感神経の活性化につながるようにこの情報を処理します。交感神経が活性化するとストレスを感じ、よく言われる闘争・逃走反応(別名、戦うか逃げるか反応)が起こる一方で、副交感神経が活性化するとリラックス反応が生じます。PharmaGABAを摂取すると、5〜30分以内に副交感神経が活性化されることがわかっています。3 この効果は、ストレス対処や快眠のための準備に役立ちます。