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2022年01月10日

「僕の心のヤバイやつ」6巻(by桜井のりお)

秋田書店のWebサイト「マンガクロス」で好評連載中の「僕の心のヤバイやつ」第6巻が2022年1月7日に発売されました。
IMG_1661.JPGbokuyaba08.jpg

このブログで何度も取り上げていますが、それはズバリ面白いからです。自明ですね。
6巻は前巻から引き続き、いよいよバレンタイン本番です。
管理人の個人的な見解ですが、人生でいちばん重要かつ楽しみなバレンタインデイは、中学2年のその日だと思います。
いや、自分がそうだったから、というのが素直な理由ですけど。
中学1年だと、ちょっと前までランドセルを背負っていた小学生だったせいか、特に男子の場合、まだ恋愛に興味を持つには未熟かと思います。
中学3年だと、バレンタインの翌月には卒業なので、仮に交際が始まっても、あっという間に終了する(同じ高校進学なら別ですが)可能性が高いです。想い出にはなると思いますが。
そんなわけで、中学2年生のバレンタインです。その後の学校生活の成否を決めるといっても過言ではない、はず。まさに天王山。
ちなみに高校以降のバレンタインは、「初めてチョコを渡す・貰う」という特殊性がどんどん希薄化してゆくので、やはりファーストバレンタインとして、中学2年の2/14が重要だと考える次第です。

ということで、市川君。
もういきなりネタバレしますが、まさかのカウンター攻撃で、先制して「チョコをあげてしまう」という行動に出ます。じつはこのエピソードは、本編に先行してツイッター上で公開されていたのですが、当時は本編のエピソードではなく、あくまで「番外編」「IF世界」のものとして認識されていたので、ほかの「ツイヤバ」でのバレンタインエピソードが、すべて本編に回収されるというのが衝撃的でした。というか、よくそんなことが出来たなという驚きに震えました。桜井先生天才かよ。
バレンタイン編は、ツイヤバからの回収エピソードを越えて、延長戦に突入します。
19時26分から、夜の公園でのファイナルバトル。夜間戦闘です。
戦いの結末は、ご自身でお確かめください。

6巻はその後、放課後デート、山田のお仕事見学、卒業式での在校生代表送辞、という大事なイベントが続きます。
市川君が、人生の蹉跌を乗り越えて、どんどん成長してゆく様が、もうまぶしい。読者の大半は、保護者的な視点になっていると思う。
ラブコメ系のマンガでは、「なぜこんな奴がハーレム的にモテるのか理解しがたい」という状況がときどき発生しますが、このマンガに関しては、ものすごく丁寧に主人公の変化を描いているので、共感度が高いです。
しかも主人公の魅力が、「山田にだけは解る」ような仕掛けになっているのが流石だと思います。

次巻以降は、ホワイトデイのイベントを経て「中学3年編」になる予定かな。
でもその前に、山田が映画のロケで広島に行くので、「仁義なき戦い・広島死闘編」が入るはずです。
これについても実はこっそりとツイヤバで未来の記憶が読者に授けられています。
不完全な記憶だけに、よけい心配です。なんかホテルで・・・。

2022年01月08日

潮が舞い子が舞い 第7巻(by阿部共実)

「薫る風 友を纏いて 地を流れ 桔梗の空へ 潮と舞いて」
冒頭でいきなり雅な短歌を披露してくれた一万田さん。以前は世界一かっこいい中腰の火川君が好きだったはずですが、感性が豊かな子なんですね。

お馴染みの「潮が舞い子が舞い」も7巻です。阿部センセイの作品の中では最長ですね。
その分、登場人物が多くて、ざっくり54人います。多い。多すぎる。全員もれなく出すのは至難のワザ。
だから今回は雨窪さんの出番が無いんですよ。ああ、会いたい子に会えなかったこの悔しさをどうしよう。
という人も多いかと思います。誰がお好みか、いろいろ分かれるマンガです。嗜好とか性癖とか、試されますね。

管理人がいちばんお友達になりたいのはバーグマンかな。
謎めいている。ダントツで美人。ロングスカートが似合いすぎる。情緒が不安定。意外とツッコミ。
彼我の境界の大きな子ですが、そこを越えることで見えてくる彼女の内面がなんか魅力的に思える。
刀禰君とか百々瀬がうらやましい。

バーグマンと共通項が多いのが1年生の氷室さん。
クール系美人でロングスカート派。外見と内面のギャップがでかい。この子も管理人のお気に入りだ。
今回は校内でやらかしているエピソードが面白い。
himuro02.jpghimuro04.jpg

氷室さんは後谷に対してはけっこうツッコミ入れてますが、基本的にスルーされます。
自分で必死に考えた「下ネタ」はおもいきり不発に終わり、残念美人の面目躍如です。
残念な美人は希少なので、大切にしたいですね。

氷室さんとよくつるんでいる後谷さんは今回も大活躍。
後谷さんは先輩にあたる右佐君が大好き。好きすぎて色々と挙動がおかしい。
その右佐君がイキリ倒す69話でも挙動不審が過ぎる。
usa02.jpg犀賀ちゃんが右佐にイキってもらって喜んでいる後ろで、文字通り目を丸くしている後谷。
このページはすべて同じ顔してます。

自分も右佐君にイキってもらいたすぎて、右佐君を追い詰める後谷。
最後は悪夢のような展開に。
usa01.jpg保護者のように優しいはずの柚下と、大好きな犀賀から、後谷に対して最大火力のイキリを見せつけるよう
圧をかけられる右佐君。オレだったら死んでるね。

みんなのアイドル犀賀ちゃんは、今回もちょっとせつないエピソードを見せてくれます。
第74話では、冒頭、高台で犀賀と水木がお話をします。
街を見下ろしながら、後ろ向きの絵でちょっと大事なことを言ってみたりします。
そのすぐ後で、虎美と狐塚と、もうひとり、百々瀬がやって来ます。
合流した3人と別れて、水木は百々瀬と自然に並んで帰っていきます。
水木はいい奴なんだが、うん、まだ子供だな。今度会ったら説教しておこう。

大人も子供も男子も女子も、あかんたれで愛しい日常です。

2021年12月22日

告知 コミックマーケット99に参加します

管理人のゆうすけです。今日は冬至でした。2021年ももうすぐ終わりですね。
さてこそ。コロナによりしばらく開催が見送られていたコミックマーケット(通称コミケ)が、2021年の冬に久しぶりに開催されます。
今回は新コミックマーケット99です。
開催日は2021年12月30日(木)、31日(金)の二日間。
会場は有明・東京国際展示場 (東京ビッグサイト)です。

管理人が所属しているサークル「大滝組」は、二日目の12/31(金)に参加します。
スペースは、東L 41a 「評論・情報」のジャンルです。
残念ながら新刊は出ていないので、既刊の「銀河大計画2020」の頒布となります。
「銀河大計画2020」は、文章メインの「Assemble」と、過去のマンガをまとめた「Compile」の2種類があります。
コミケ99へ行く機会があって、東館へ立ち寄ることがあれば、ぜひご覧になってください。

ginga2020compile.jpg
「銀河大計画2020 Compile」書影
管理人が昔描いたマンガをまとめた本です。
A5判 56頁
発行:大滝組

2021年11月23日

漫画家の作家名フォントの謎

今日は2021年11月23日。勤労感謝の日です。
某誌で久米田某が「金ロー感謝の日」(金曜ロードショーに感謝する日)というネタをやっていました。
流石は漫豪(文豪の如き漫画家を漫豪と呼びます)。

ということで、その某誌というか、漫画雑誌に関するどうでも良い考察です。
皆さんはマンガを読むとき、コミックス(紙本)で読む派でしょうか、あるいはスマホなどの電子メディア派でしょうか。管理人はコミックス+雑誌+デジタルの合わせ技です。
どれも一長一短ですが、今回は雑誌のお話です。
漫画雑誌は週刊誌や月刊誌など、星の数ほどありますが、いずれも複数の連載漫画を掲載しており、その漫画には毎回「扉」とよばれるタイトル頁が入ります。例外もありますが、最低でもタイトルと作者名は冒頭のどこかに入ります。
作品のタイトルロゴは、作品の内容などを考慮してデザイナーさんが作るのが慣例だと思うのですが、作家さんのロゴというか、フォントはどうなのでしょうか?
タイトルロゴはいわばワンオフものですが、作家名フォントはあまり気にしない人の方が多いのではないでしょうか。正直、ゴシックでも明朝でも教科書体でも、なんでもいい気もします。
実物をお見せしましょう。
takahasirumiko01.jpg週刊少年サンデーで「MAO」を連載中の高橋留美子さんの作家名フォントです。

じつはこの高橋先生のフォントを見たときに、「あれ、なんかオシャレでカッコいいフォント使っているではないですか」と思い、同じ雑誌の他の作家さんもチェックしてみたのです。
結果としては、わりとバラバラで、明朝ありゴシックあり特殊フォントありなのですが、いまいちルールが不明です。
作家さん自身が「私の名前はこのフォントで」という指定をしているのでしょうか?
そうかもしれない、という気がする方も若干名います。
それ以外は、編集者が連載開始時に適当に選んでいるような気がします。
大御所ならともかく、新人はたぶん、基本フォントで済ませていると思います。
小説誌ではおそらく有り得ない、漫画雑誌ならではの配慮が潜んでいるようで、ちょっと面白いです。
コミックスの背表紙にも作家名が表記されますが、少なくとも高橋留美子の「MAO」に関してはフォントが変わっています(コミックスは明朝か教科書体)。この理由も不明です。
雑誌で使っている作家名のフォントについて、誰か詳しく調べている人はいるでしょうか?
たぶん、コミケに行けば、あの膨大な同人誌の中で、1冊ぐらいはこういう考察をしている本があると思います。探すのが大変ですね。大海の底から針を拾うようなものです。
たかがフォントですが、マンガという「絵」+「文字」で表現を行うメディアでは、文字のデザインはわりと重要なのです。作家名フォントは作品それ自体には影響しませんが、作家の持つイメージとしては大切だと思います。
ヒマな方は、雑誌の作家名フォントをチェックしてみてください。
ただし、他人に話すと「うわこいつキモいわー」と思われるのでこっそりとね。

2021年09月05日

ルックバック(by藤本タツキ)

管理人のゆうすけです。
2021年の夏アニメについてはあまり書いていないのですが、こっそりと「小林さんちのメイドラゴンS」を見ています。
言わずと知れた「京アニ」です。オープニング、いいですね。可愛い女の子を可愛く動かす、という簡単そうに思えて、最も難しい仕事をやってくれます。ありがとう。
2019年7月の事件で亡くなった武本監督の後を石原監督が引き継いでいます。武本監督の名前は「シリーズ監督」としてクレジットされています。

さて、その事件への追悼として描かれたのが藤本タツキの「ルックバック」です。
作中では直接この事件に関する言及はないのですが、公開時期や内容を見れば、相関があるのは明らかです。
このマンガが公開されたのは、あの事件のほぼ2年後に当たる2021年7月19日です。
Web(ジャンプ+)での公開でしたが、またたく間に話題となり、1カ月を待たずに閲覧数が500万を超えました。
そのお話のあらすじはこんな感じ。
「自分の才能に絶対の自信を持つ藤野と、引きこもりの京本。田舎町に住む2人の少女を引き合わせ、結びつけたのは漫画を描くことへのひたむきな思いだった。月日は流れても、背中を支えてくれたのはいつだって――。唯一無二の筆致で放つ青春長編読切。」

あの「チェンソーマン」の人気漫画家が描いた、というだけでなく、内容として深く心に響く作品です。
管理人はじつはWebでは読んでいなくて、本日(9/5)、ようやくコミックスで読みました。遅れてごめん。
一読して思ったのは、「うわ、これ藤本センセイ、これ自分のこと描いてんじゃないの?」ということ。
藤本センセイの絵柄からして、確実に「美大出身」だろうと思っていましたが、さっき調べたところ、やはりそうでした。しかも作中の美大は多分母校がモデルのようです。

ここから先は、管理人が勝手に想像したことなので、なんの根拠もありません。裏付けもとっていません。
という言い訳をしておいて書きますが、藤本センセイはあの事件の被害者のどなたかと何かしらの関係があったのかなあと思うのです。
あの事件は確かに多くのクリエイターに衝撃を与えました。しかし、だからと言って、それを単なる題材としていきなり140頁超の作品を多忙な人気漫画家が描くでしょうか?
「どうしても描かずにはいられなかった」という作者の強い想いが感じられる作品なのです。
正直、万人受けする作品だとは思わないのですが、管理人としては、「誰かに向けて描いた」あるいは「自分自身の気持ちや決意を確かめるために描いた」ように思えてなりません。
最後のコマで、主人公が背中を向けて黙々とマンガを描き続ける姿が、作者の決意表明のように思えるのです。

2021年09月04日

ザ・ファブル(by 南勝久)

映画や小説やマンガなどを楽しむ人は多いと思いますが、意外と個人の許容範囲は狭いと感じています。
好みのジャンルというか、固有の傾向があり、全方位的にカバーしている人はごく少数かと思います。
管理人はよくマンガを読みますが、基本的には「少年誌」「青年誌」がメインで、いわゆる少女漫画系には疎い人です。また、ネットで配信されるマンガは追いきれないので、紙のコミックスで出版されなければ知らずに終わる作品も多数です。
その守備範囲である「少年誌」「青年誌」に関しても、全ての雑誌を網羅的に読んでいるわけではなく、特定の雑誌の特定の作品だけを時間の許す限り読んでいるだけです。
だって、日本のマンガコンテンツって、とてつもない量があるんだものー。

そんなわけで、管理人が日頃読まない雑誌、読まないジャンルを、今回、わざわざ読んでみました。
選んだのは、管理人が読まない雑誌の筆頭である「ヤングマガジン」の人気作「ザ・ファブル」です。
作者は南勝久。1971年生まれなので、2021年現在50歳かな。ベテランですよ。
「ナニワトモアレ」を2000年から「週刊ヤングマガジン」で連載開始して、「ザ・ファブル」は2014年からスタート。
ちなみに「ザ・ファブル」は2017年に第41回講談社漫画賞一般部門を受賞しています。

作品のあらすじはこんなかんじ。
「その伝説的な強さのため、裏社会の人間から「寓話」という意味を持つ「ファブル」と呼ばれる1人の殺し屋がいた。組織のボスからある日「1年間大阪に移住し、その間は誰も殺さず一般人として平和に暮らせ」と指示を受ける。「佐藤明」という名前を与えられ、付き合いのある暴力団「真黒組」の庇護の元、一般人として大阪での生活を始めるのだった・・・。」

マンガに登場する主役級の殺し屋は、ほぼ例外なく「伝説の殺し屋」なのですが、このマンガでもそのセオリーは踏襲されています。「伝説」にもいろいろなバリエーションがありますが、この作品ではストレートに最強です。本人風に言うと「プロとしてー」という強さです。
絵柄はがっつりと青年誌・劇画タッチですが、「大阪」の空気が作品全体を支配していて、コメディパートはもちろん、シリアスパートでもひたひたと可笑しさがこみ上げてきます。セリフ回しはすべて関西弁で、読者側もイントネーションなどを脳内で調整して読む「努力」が求められます。

「ものすごくヤバイやつ」がその正体を隠してひっそりと暮らしている、というシチュエーションはそれほど目新しいわけではないのですが、主人公のキャラクターが秀逸で、その「天然」っぷりが人気の秘訣かと思います。さらに言えば、主人公を取り巻く関係者、「妹」「ヤクザ」「仕事関係者」「組織の人間」など、どれも個性的で、キャラクターの面白さとストーリー展開の上手さで、累計900万部は伊達じゃないのです。
コミックスは全22巻で完結していますが、人気があってすぐに第2部が始まっています。
掲載誌はやはり「週刊ヤングマガジン」です。
この雑誌、かつては大友克洋の「AKIRA」を連載していたので、その当時はちょくちょく読んでいましたが、全体のカラーとしては「若くてヤンチャな男のヒマつぶし雑誌」というイメージが強く、だんだん遠ざかっておりました。
どんな雑誌にも面白い作品は載っているので、ときどきは自分の守備範囲から外れた作品を覗いてみるのもいいかも、っていうお話でした。
個人的には「BL(ボーイズラブ)」ものに何か素敵な出会いがありそうな予感がするんだけど、あのジャンルはどこから攻略したらよいのかが分からない。

2021年08月21日

追悼 みなもと太郎氏

2021年8月7日に漫画家・漫画研究家のみなもと太郎氏が亡くなりました。
みなもと太郎氏といえば「風雲児たち」というのが世間的な評価だと思いますが、じつは管理人はこの作品を通して読んだことがありません。「隠居したら読む本」のリストには入っているのですが、完結がかなり先になるはずだから、まあしばらく温めておこうと思っていた矢先にこの訃報です。
三浦建太郎氏もそうですが、畢生の大作が未完となることは、ままあることなのです。

管理人がみなもと太郎氏を知ったのは、おそらく学年誌のギャグマンガだと思います。
「こちらダイヤル100交番」などの作品が最初のコンタクトで、その後週刊誌の「冗談新選組」などを愛読していました。まだ子供だったので、一部で高名な「ホモホモ7」は、リアルタイムでは読んだことがなくて、復刊ドットコムから出された復刻版で読ませていただきました。
otanosimiha.jpg「お楽しみはこれもなのじゃ」
みなもと太郎 著
河出文庫 1997年初版

みなもと氏のマンガは絵柄も含めて大好きだったのですが、管理人がスゴイと思っているのは、漫画研究家としての功績の方です。
皆さんはみなもと太郎氏の「お楽しみはこれもなのじゃ」という著書をご存知でしょうか。
朝日ソノラマが「月刊マンガ少年」という雑誌を出していたころ、1976年から3年にわたって連載されたものです。当時、漫画評論があまり面白くなかった時代に、和田誠氏の映画評論「映画の名セリフ―お楽しみはこれからだ」をそっくりパロディにして、漫画の名セリフを題材にて「面白い漫画評論」をやってしまったのです。
「漫画の名セリフ」ということで、俎上に上がった漫画家や読者から苦情が来るかと思いきや、予想外に好評を博し、そのため毎月4頁という枠ながらも、3年間も続いたわけです。
管理人が漫画についていろいろと知るようになったのも、この連載のおかげです。
ちなみに管理人は「マンガ少年」を、創刊号から休刊号まですべて揃えていました。今思うと、やけに豪華な雑誌でした。

また、みなもと氏は漫画家・漫画研究家であると同時に、同人活動の草分けでもあります。
「作画グループ」という漫画同人グループがありました。2016年に解散するまで50年の歴史を持つ文字通り伝説の同人グループでした。みなもと氏はここの主力メンバーとして精力的に活躍されました。本当に漫画が大好きな人だったと思います。
その作画グループで繋がりがあるのが、「超人ロック」で知られる聖悠紀先生です。
年代もほぼ同じで(みなもと氏が3歳上かな)、たいへん親交が深かったと聞いています。
その聖先生も現在闘病中であり、みなもと氏の訃報もお耳に入っているかと思います。
お二人の関係を考えると、心中察するに余りあると思 います。
みなもと先生、ありがとうございました。

2021年07月13日

僕ヤバのモノローグについて

「僕の心のヤバイやつ」の5巻レビュウを書いたばかりですが、5巻の続きをマンガクロス(秋田書店のWebマンガサイト)で読んでいる方にちょっとだけネタバレです。

5巻の続きはお待ちかねの「バレンタイン・イベント」編です。当日編が3話、その後日編が1話。ツイッターで過去に投下された短編(当初はIF世界と思われていた)を、本編にすべて回収するという超絶難度の離れ業をやってのけたので、読者が恐れおののきました。

さて。このマンガは以前にも書きましたが、主人公の市川京太郎君の一人称形式のマンガです。
「僕」が見聞きした情報により構成された物語です。したがって、彼がいない場所や時間のエピソードは入れられないのですが、「伝聞」方式での挿入はOKです。また、「僕」以外の「心の声」(モノローグ)は聞こえるはずが無いので、画面には写りません。画面内のモノローグは、すべて「僕」のモノローグです。
ただし、モノローグだからといって、常に「本心」を述べているとは限らず、ときどき「自分自身にウソをつく」という場面があります。これについては、リアル会話と同じ扱いです。

と、ここまで書いて、じつは例外が少しだけあります。
モノローグはすべて「僕」のもの、ではないパターンです。
管理人が観測した限りでは、2回だけ発生しています。
発生条件は以下の通り。
「僕以外の人物が、僕と全く同じことを同じ瞬間に考えたとき」
その場合、表記は通常の丸ゴシックではなく、明朝体が使用されます。
1回目は2巻のKarte30です。このエピソードでは、冒頭と最後のモノローグに明朝が使用されていますが、これはこの演出をカモフラージュするためにわざと行っています。
本当にやりたかったのは、図書室でのあのコマです。
ちなみにこのシーンは、「その気持ちに気付いた時」であり、「人を好きになった時」ではありません。
そして2回目。
単行本未収録の、Karte73です。
ネタバレのコマをお見せしちゃいます。桜井先生、秋田書店さん、ごめんなさい。
bokuyaba05.jpgバレンタイン編の中盤クライマックス。
西部劇でいうと、二人のガンマンが対峙して、銃を抜く瞬間。

この時の勝負は、市川の攻撃が一瞬速かったため、山田が撃たれてしまいます。
その後の展開が気になる方は、マンガクロスをご覧ください。

2021年07月11日

「僕の心のヤバイやつ」5巻(by桜井のりお)

累計120万部突破の人気漫画「僕の心のヤバイやつ」第5巻が2021年7月に刊行されました。
どんどん人気が出て知名度も上がっているので、いまさらレビュウを書く必要ないんじゃない、と思いますが、管理人が個人的に書きたいだけです。このブログはほかの記事もそうですが、「誰かに薦めたい」と思って書いているわけではなく、単なる筆者のリビドーの発露です。当初はアフェリエイトで稼いでみよう、という野望もありましたが、そういうブログって面白くないではないですか。自分の好きなことを書く、という基本原則に立ち返っているわけです。そんなものわざわざ読んでくれてる人が若干名いるようなので、ごめんねってちょっとだけ謝っておこう。
ということで、5巻だよ。まだ中学2年だよ。主人公の人生で明らかに最も濃密な時間だよ。
今回は、3学期が始まって市川君の骨折お披露目があり、山田家潜入クエストからバレンタイン・プレイベントまでのお話。
数ページおきに、読者を悶死させるようなエピソードやシーンをぶち込んでくるので、桜井先生は少し反省するように。あと少しで有害指定図書になりそう。それぐらい「ヤバイやつ」満載。
好きな女子のお家に呼ばれて、いきなり風呂に入ってちんちん触りながら会話して、その後、全裸で直接その子のジャージを着るという「超級プレイ」を堪能した中二男子がかつていただろうか。いやいない。
市川京太郎君は自己肯定感が低いのですが、読者側からは「絶対幸運圏」の渦中にいるとしか言いようがない。
この作品では、ある種のパターンを繰り返して見せる、という演出がよく行われるのですが、今回は4巻での「市川の部屋で、市川が山田を押し倒す」の逆パターンを反復させてみせます。
前回は、ある秘密を隠そうとして、そういう行動になってしまったのですが、今回もそのパターンを繰り返して見せます。
山田の部屋に隠れることになった市川が、ふと視線を窓辺に向けたとき、山田がふいに市川を押し倒します。
もちろんその視線の先には「秘密」があるわけなのですが、マンガを読む限りでは、そこに描かれているのは「紅茶花伝」のペットボトルです。
じつはこのペットボトル、2巻のKarte27で、市川が山田に買ってあげたものなのです。
ふたりを結びつけるきっかけになった、極めて重要なアイテムが、そこに置いてあったのです。
と、ここまで書いておいて、じつは違うんです、と言ってみます。
じつはもっと重要な「秘密」が置いてあったのです。これは、単行本だけでは分からないようになっています。
今回の5巻では、特装版として、「僕らの心のアルバム」という小冊子が付録されたバージョンが販売されています。その小冊子の表紙に使われている写真をご覧ください。
bokuyaba03.jpgbokuyaba04.jpg

この写真は、1巻のKarte11の文化祭エピソードで撮ったものです。
それから、今度は桜井先生がツイッターに投下されたイラストをご覧ください。
bokuyaba02.jpgbokuyaba01.jpg

はい。「紅茶花伝」の横に、写真立てが描かれています。
山田が隠そうとした「秘密」は、おそらく「紅茶花伝」と、さらにその隣の「写真」です。
写真は市川のスマホで撮影しているので、山田が持っているはずはないのですが、ふたりはこの時点ですでにLINEのやりとりをしているので、山田が「そういえば文化祭のときの写真あったよね」と言って送ってもらっているという説を管理人は信じています。

というように、このマンガ、さらっと読みのもアリですが、いろいろと巧妙な仕掛けが張りめぐらされているので、じっくりと読み返すもの一興です。
かなり重要な情報を、付録やツイッターで流すという「あくどい」手口も見受けられますので、各員は気を引き締めて今後の状況を注視していただきたいと思う次第です。


2021年07月10日

潮が舞い子が舞い 第6巻(by阿部共実)

「こういう奴が腋フェチだったりするんだよ」
ということで、阿部共実先生の「潮舞い」第6巻がめでたく発刊されました。
いきなり腋フェチがディスられていますが、性的フェティシズムの中で「腋」は低位なのでしょうか。
「潮舞い」ファンならば自明のことですが、刀禰君は真性の「腋フェチ」です。
4巻第43話のバーグマン、5巻第50話の縫部とのシーンで、その性癖は明らかにされていますし、今回は摩耶先生からの連続攻撃で汗がわき出ています。刀禰君もなかなか通なフェチをお持ちですね。
刀禰君はこのあと第60話で、バーグマンとの再度の雨宿りエピソードがあるのですが、すごく抒情的で美しいお話でした。彼の気持ちを表す言葉はあるのですが、あまりにありきたりで、そんな言葉だけで分かった気になってはバーグマンに怒られてしまいますね。
そのバーグマンは第66話で、今度は百々瀬と「デート」をするお話があるのですが、この回もエモくて大好きです。バーグマンが出てくると、エモい話になるかいかつい話になるか、振り幅がでかいので要注意です。

第6巻のエピソードから、気に入ったコマをチョイスしてみました。

siomai04.jpg自分で「がらー」と言って入ってくる犀賀ちゃん。
可愛すぎる。このマンガはかなりオノマトペが少ないのですが、わざわざ登場人物に言わせるセンスが良い。

siomai03.jpgもう、「ザ・漫画」というカット。
両手を挙げて効果線を4本引っぱりながら、頭から謎の煙を発して飛び出てくる絵。「うさみみ」もピンと立っていて、世界よ、これがマンガだ!

siomai05.jpgsiomai06.jpg

管理人お気に入りの氷室さんの百面相。左は「イマジナリー氷室」で表情豊かですが、現実では右側のクールビューティがデフォルトです。6巻巻末のオマケ漫画@Aがいちばん分かりやすいね。@はイマジナリー氷室サイドからの描写、Aは水木サイドというか、客観的にカメラが捉えた映像。乙女の心の裡では炎のような恋心が毎日新たな宇宙を生んでいるのです。
siomai01.jpgsiomai02.jpg

その氷室さんが、水木先輩に声をかけられたときの表情が左。
水木先輩に頭を撫でられたときが右。
めったなことでは表情を崩さない氷室さんが、現実世界でこの表情ですよ、皆さん。
とくに左の、勇気を出して近づいたら名前をふいに呼ばれた時の、絶妙な顔。力んだ眉や開いた瞳、引き結んだ唇や頬の紅潮線が、乙女の恋心を「絵に描いたように」表現していて至高すぎる。
そのあとで優しく頭を撫でられているときの微妙な表情も素晴らしい。イマジナリー氷室サイドではこのカット内だけでも100万語ぐらい叫んでいるはず。お察しください。

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銀河大計画別館の管理人。 「銀河大計画」は、1993年から細々とやっている同人誌です。 ゆうすけが書いたネタや没ネタなどを、別館で細々と掲載します。どうぞよろしく。 アイコンコピーライトマーク卵酒秋刀魚さん。
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