娘が家から脱出する日。
普段通りの朝。
朝ごはんを作り、3人分の弁当を作る。
今日から、娘の分のお弁当を作ることはない。
いつものように支度をして、私が出勤する時間。
もう娘に、私がしてあげられることはない。
あとは娘と息子を信じるだけ。
どうか何事もなく、娘が脱出できますように。
夫が何も気づかずに、出勤しますように。
夫が急に帰ってきて、家を出る娘と鉢合わせしま
せんように!
私「行ってきます。」
神様に祈りながら、でもミスがないよう気をつけて
仕事をする。
昼休憩で、ラインを確認。
娘が無事、電車に乗った。
駅まで娘を迎えに行ってくれた、母からも
連絡をもらう。
「◎◎(娘)ちゃんを、無事に連れて帰りました。」
神様、ありがとうございます!
職場でも誰にも気づかれないよう、普段通りに仕事を
こなす。
仕事が終わり、娘がいなくなった家に帰る。
椅子に座ったまま、動けない。
もう夫から娘を守らなくてもいいんだ。
夫の暴力からも、罵倒からも守らなくていい。
あの子が安全な場所にいてくれる。
もうあの子が、〇ぬ恐怖におびえなくていいんだ。
いったいいつから、夫から娘を守るために気を張っ
てきただろう。
その全てのストレスから解放された私は、完全に抜け
殻状態。
気がつけば、もう辺りは暗い。
どれだけの時間、ほうけていたのか。
そろそろ息子が帰って来る。
ご飯の用意をしなくては。
ここで初めて、息子に思いが至る。
やばくね?
夫が、娘が逃げたことに気づいたら…。
私と息子、やばくね?
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