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2024年08月20日

 1151 転がすのですか? 

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飛鳥古墳見学ツアーに参加した時、近くに巨大な石室があった。
参加者に、高校の先生がカメラを持って参加しており、機械や重機の無かった昔、どうやってこの巨大な石を運んで来たのか、ガイドに聞いても分からず、説明書を隅から隅まで読み、頭をかしげていた。
3トンの石等、昔の人は簡単にかついで移動したはずだと言うと、その先生は、怪訝な顔をしてきた。
転がすのですか? どうやって運ぶのですか? としきりに聞く。
写真のように、一トンの鉄の塊があったとする。
それに、A点でロープの端をしっかり結わえつけ、グルグルに6回ほど巻く。最後はB点でまたしっかり結わえて止める。
そして、担ぎ棒を6本入れ、左右ペアで担ぐ、この図だと12名で担ぐ事になる。
この方式は、12名に均等に重力がかかる。一人百キロ近くだが、昔の人ならそれくらいは担げるであろう。
50センチほど浮かせて、声をかけ、右足、左足、と全員同時に、移動すれば、一トンの物体が12人で十分運べる。
勿論ペアを組むのは、背丈の近い人、低い人同士、場合によっては、ロープをもう1回巻きつけ、担ぎ棒をもう1本増やせば、女性が加わったとしても何ら問題はない。
石室の3トンの石を縦、横に2本ずつ支柱を入れ巨大な石を結わえつける。
上下左右4ケ所角に、この原理と同じようにロープを巻きつけ、2カ所で固定する。
一角に10人ずつ配置すれば4角で40名になり、一人75キロの重量だ。
昔の人ならこのくらいの重量、一日数キロの距離でも行軍出来るであろう。
石室から数10キロ圏内に、この石と同じような石の産地があるはずだ。
石室の周りは盛り土したように、小高くなっている。
多分その下には、足場に使った、石垣があるはずだというと、その先生はえらく感心していた。早い話がピラミットの石は5メータの丸木に6回巻き固定し、担ぎ棒を6本入れ丸木に石をもっこで固定、12人で担ぐと1トンの石を長距離、いとも簡単に移動できる。ロープはあだんの木の気根で出来る。
どこでそのような事を知ったのですかと聞かれたので、黒島には大きな亀甲墓がある。
屋根の部分には、大きな石が載せてあり、下には一坪ほどの空間が出来ている。
屋根の石を運ぶ時、この方法が用いられた。これは亡くなった爺さんから聞いた話で、エジプトのピラミッドも同じ縄担ぎ方式で作られたと聞いている。
すると、その先生は是非亀甲墓を見せてくれという。
外から見ても、漆喰で固められており、殆んど分からない。しかし中に入る事は絶対に許されない。
人が亡くなった時でも、決して女性は入れず、直系の一番近い人から入る事になっており、中は二人が限度で、残念ながら見る事は出来ないと言ってやった。
先生は教科書の何処にも載っていない、大変参考になりましたとお礼を言って別れた。
本土のお祭りの御神輿は、背丈の高い人に負担がかかる。
縄担ぎ方式を導入すれば、もっと大きな御神輿が出来たはずなのに・・
(時代劇に出てくるモッコ、網の真ん中に重い石を載せ、周りで大勢で持ち上げる、背の高い人と低い人では網目が違いほぼ均等に重力が掛かるという事だ)

 1149 神様だよ




この島に、年は58歳、東京からUターンしてきたY君夫婦がいる。
子供は無いが、島の誰もがうらやむくらい、どこへ行くにも二人、すこぶる仲の良い夫婦だ。
普段は無口で、酒もあまり飲まず、ひたすら仲の良い夫婦をやっている。
先日、家を手直しするので、手伝ってくれと言うと、「はいきた兄貴、まかせてくれ」と引き受けてくれた。
仕事も無事完了、ビールと泡盛を飲むと、ペラペラ喋りだした。
俺みたいな男の所へ、嫁に来てれた女房、神様だよ、ありがたいと思っている。
実は、それには訳がある、と喋りだした。
小学校5年生の時、担任は若い女のS先生だった。
この先生には、隣の西表島に、同じ教員で恋人、K先生がいたという。
そのK先生は週末になると、考えられない事だが、西表島に打ち上げられた、写真の飛行機の残骸、燃料補助タンク、それに乗って、一人で櫂をこぎ、8キロ近くもあり、海流もある荒海を渡って、この島のS先生に会いに来る。
島中の人がK先生の命知らず、と言うか、命がけの恋には、あきれ果て、大きな話題だったという。
島の子は、猫よりも身軽に石垣を乗り越え、猫よりも音をたてずに忍び寄り、S先生の戸の隙間から、大人の交わる姿、声などを観察したという。
素知らぬ顔で、教壇に立つS先生の顔を見、友達同士でつっつきあって面白がっていたという。
そのうち4月になり、島に新しい男の先生が赴任して来た。
こともあろうに、S先生は新しく赴任して来た若い先生にぞっこん、出来ちゃっている事は島中の人が知っている。
命がけで通って来たK先生は、泣く泣く、また命懸けで帰るしかない。
島の人達はK先生が自殺するのでは、と同情、あまりにも身勝手なS先生の変り身は、話題になったという。
そしてS先生は、新しい恋人とさっさと結婚してしまったのである。
「兄貴よ、俺は女が信じられなかった、俺など何んの取り得もない、女房はずーっとついて来てくれている、神様、仏様に思われる・・」だと。
世の男性共よ、女房を大事にしよう。
逃げられてからでは遅い、神様、仏様だぞ!!!
一番の物知り博士だと自認する、島じーが泡盛を片手にニコニコ入ってきた。
何をしているんだと言うので、ブログを書いていると言うと、グローブは知っているが、何だそれは!と言う。
島では、インターネットをやっている人はほとんどなく、島外から来た人でISDNでインターネットをやっている人がいるが、とても重くて使い物にならないという。
年寄りたちはインターネットと言ば、人を誹謗中傷する道具と解釈しているようだ。
まかり間違ってもそんなもの持ち歩くんじゃないぞ、と注意されるのである。
じーさん、インターネットって知ってるか、と聞くと、「バッハルン!」、(あったりまえ、しっているさー)と、方言で自信ありげに答えた。
昔は、女しかしなかったのに、最近は男までがやっとる、と言い出す。
観光客が、ヘッドセットをかけて歩くのを見、それがインターネットと、解釈しているようだ。
昔、女がヘアネットをしていたのを、最近では、男までがやる。それがインターネットと、解釈しているらしい。
ヘアネット、ヘッドセット、インターネット、頭の中で混乱しているようだ。
言われてみれば、インターネットは頭を使う。
頭に関係するヘアネット、ヘッドセット、インターネットのチャンプルだー
あれれ、この島じーの解釈、間違っているのかな・・・?
おい! おい! こっちまで脳内超伝道現象だ!!?

 1148 画像

ジュラルミン製.JPG

ジュラルミン製、飛行機の残骸。

 1147 島移住失敗男の物語。




定年島移住した、吉田氏(仮名)が、深刻な顔で相談に来た。
移住した時、世話をしてくれた人が、いつの間にか疎遠になり、その次に親しくしていた人も、付き合ってくれなくなった。
とうとう3番目に親しくしていた人に、酒を飲んでいる時、怒鳴りつけられたという。
本土では、男同士が親しくなると、肌を触れあったり、肩をたたいたりするのは、ごく当たり前だ。
しかし島人達は、男が男に触れる事、べたべたしたり、肩をたたいたりする事は、一番嫌悪感を感じるのだ。
俺は、オカマじゃないんだ!、べたべたするんじゃない!、という、男っ気が異常に強いのだ。
吉田氏は、島の気質を知らずに、親しくすればする程、こまめに、べたべた、肩をたたいたりしたようだ。
島人にとって、肩をたたかれようものなら、とんでもない事で、往復ビンタを喰わされたような、嫌悪感を覚えるのだ。
吉田氏もそれに気付き、なんとか関係を修復したいとの事だが、一度壊れてしまった、男同士の関係は、そう簡単に修復出来ない。
その悩みの相談であった。
たぶん、男っ気の強い島の人達との関係修復は、かなり時間を要するだろう。
深く反省し、時間をかけて、解決しよう、と諭した。
島暮らしや田舎暮らし、ペットの問題や、周りとの付き合い方、その土地土地の習慣などは、注意が必要だ。
よく見ると、若い人達は、意外と、べたべたしているが、中年以上の人達は、べたべたする事を異常に嫌うのだ。
注意しよう。

1146 至福の時間

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人生、いくつになっても苦楽は付き物だ。
おじさんも東京に二人の孫がいるが、二人とも、小児喘息持ちだ。
娘からのメールで、今病院で点滴をして来たとの事。
孫のゼーゼー苦しむ顔、普通の人並の子になって欲しい、と夕日に願をかけていたところだ。
若い時の辛さや苦しさは、いくらでも取り返す事が出来る。
歳をとると時間と体力に焦りを感じ、本当に肝が痛む。
胆汁を搾り切られる思いがする。
確かに今は辛いかも知れない。
しかし取り戻せるのだから・・
その辛さを肥やしとして、強い女性に変身したほうが良い、と言うと、二人は目を合わせてうなずいた。
最初の娘は、横浜出身で、続いた子が名古屋出身だという。
二人とも年齢は20代後半、ぎりぎり30前かなという感じだ。
話をしていて感じた事は、二人とも、私に限って、という自信があった。
そして、まだまだ遊びたいという気持ちが働いたようだ。
もし男が、それを察知したら、遊び心は、女より、はるかに上だから、遊び相手を探して次へと、展開していくのは当然だ。
他人ごとではない。自分の人生なんだから、何でもっと真剣に、積極的に、先へ進めなかったのだろうか。
若い時に少しでも遊びたい、という気持ちは理解出来るが、結果として、それは後々つけがまわって来る事になる。
私の知人にも晩婚で、30代後半で子供が出来た人を何人も知っている。
定年時、子供がまだ大学生、定年で時間が出来、楽しい老後をと思いきや、それどころではない。
やむなく働きに出るが給与はがっくり、今まで自分が顎で使っていた、子供みたいな若造に今度はしごかれ、心身共に疲れ果てる。
帰りに、飲み屋で気を紛らせる、ストレスで体調まで崩してしまう。
そのような人を何人も見てきた。
結果的に、結婚が若ければ若い程、早ければ早いほど、定年後は、時間がたっぷりあるので、そこで夫婦で、旅行したり、場合によっては共通の趣味を育てたりと、本当の至福の時間が出来る。
若い時に苦労すれば、年をとってから楽出来る。
若い時に、楽をして遊んでいると、今度は老後に、苦労が待ち構えている。
だけど、まだまだ大丈夫だ。めそめそしないで、新しい恋人を本気で、積極的に探したほうがいい・・
南の小さな島は誰も、周りにいない。心を打ち明けたとしても、他人に聞かれるはずがない。
二人とも、心の内をさらけ出し、明るくなった。
しかし、本当に、胸がつぶれる思いで心配をし、夜も寝ないで、心を痛めているのは、親御さんだろう。
分からないはず、と思っても感じるのが親だ。
今ごろ自殺でもしているのではないかと、心配で心配で寝られない日だろう。
元気な声を親に聞かせてあげるんだぞ、と言うと、二人とも、にっこりうなずいた。
ところで、夕べ民宿で遅くまで酒を飲んでいたが、年齢30歳前後と思われる、好青年が連泊。
恋人募集中だと言ってたから、今日にでも可能性はあるぞ。
帰って夕食がすんだら、民宿の庭で、今夜も大勢で酒を飲むだろうから、さっそくアタックしてみろ。
二人はもう元気そのもの。
がんばるぞ! がんばるぞ! と、シュプレヒコールだ。
いつの間にか夕日は、若い二人の失恋という2文字、漆黒の海の底へいざなっていった。
夕日よ、今夜もありがとう・・・・

1145 馬鹿野郎!!




私の前を通り過ぎる時の思いつめたような横顔からして、只ごとではないな・・
取り急ぎ、島の消防団を呼ぶ必要があるな、と腰を浮かせ携帯電話を取り出すと、その子は胸元まである深さへ行くと、ピタリと止まった。
そして両手を口もとへ持っていき、腹の底から、あらん限りの声で、夕陽へ向かって叫び出したのである。
OOの馬鹿野郎!
OOなんか死んじまえ! 
OO! あんたなんか動物以下だ!
失恋した男の名前だろうか、悔しさを夕陽にぶつけている。
そうしていると気がつかなかったが、砂浜の岩陰にでも居たのだろうか、今度は左側からもう一人、女の子がズブズブと海へ入って行き、同じ態勢で叫び出したのである。
XXの馬鹿野郎!
XX! 今に見ていろ!
若い女の子が、真っ赤に沈む夕日を真ん中に、ステレオで叫ぶ様は、心打れ、物悲しい。
涙を洗い流しているのだろうか。
両手で、ざぶざぶ顔を洗った後、女の子は砂浜を上がって来た。
私の存在に気がつくと、ばつ悪そうな、気恥ずかしい顔をした。
「塩水のまま、民宿へ帰るとまずいので、そこのシャワー浴びたほうがいいぞ」と言うと、真っ直ぐシャワーの方へ行った。
シャワーの場所を聞き返さないところをみると、この島は初めてではなさそうだ。
もう一人の子も私の声が聞こえたのか、前の子の後を追ってシャワーへ行った。
自分達の、見せては恥ずかしいシーンを見られてしまった、しかし相手は、どう見ても島の人らしい。
シャワーの間に安堵感があったのか、二人はシャワー後、真っ直ぐ帰るかと思うと、私の前の腰掛け代わりの流木に腰をおろし、一緒に夕日を眺めた。

S1143 ミステリー島




古老の話によると、昔、東南アジアや中国と直接交易し、アンナ村跡はベトナムのアンナンからの移住者村で、方言はベトナムとリンクしている、との事だが、本当かな?
島に人口が溢れ、繁栄していたと言う事は、マルコポーロの東方見聞録、黄金島、ジバングはこの島の事かな?
ロマン溢れる、ミステリー島だ!
縄算***前回紹介した住民登録台帳、これと同じような形をした、そろばんとは違う、この島独特の計算機が、あったという。
島の人はそれを、縄算と呼んでいたそうだ。
古老に聞いても、現物があったことは知っているが、なかなか原理まで覚えてる人はいない。
旧暦9月、暦上は10月であるが、それぞれの御嶽に集まり、願い事をする。
50数年ぶりではあったが、顔を出すと、年寄り達がびっくりしていた。
その時、出された食べ物であるが、横長のクッキーの形をした物に見覚えがあり、聞いてみると、島の人でこれを知らない人はいない。やはりお前は島ナイチャーかと言われる。
よく見ると、細い横長の中ほどに2本ほど線が入り、すだれのように、縦に筋が入っている。
このクッキー状の物、それが縄算の計算機を形どっているという。
それを食べ、より頭が良くなり、健康であって欲しい。
必ず9月の神事には、各家庭で、妙なクッキーを作るという。
その日も、いっぱい食べれば頭が良くなるさー、いっぱいいっぱい食べれ!、と。
これがまた、都会では味わえない珍味中の珍味で、桁違いに頭が良くなったように感じるから不思議だ。
子供の頃、母親に手伝わされ、作った記憶が蘇ってきた。
それにしても、縄算なる、計算機と原理、解明したいものである。
この頭の良くなるクッキー、メーカーが見ると製品化、飛ぶように売れる事、間違いなし!!
バレンタイン商品をはるかに凌ぐ商品開発になるだろう。
受験シーズン、入学祝など、殺到する事、間違いなし。
ひかるが菓子業界に居れば、間違いなくとんでもない商品開発をするだろう。
いつものように、海辺の休憩所の横で、一服しながら真っ赤な夕陽を眺めていた。
潮時は満潮で、砂浜にも珍しく観光客の姿は無かった。
すると、二十代後半と思われる女の子が、自転車で来るなり、私の存在も気ずかず、そのまま砂浜へ降りて行った。
波打ち際で止まるかと思ったのだが、その子はそのまま海の中へ、ブスブスと直っしぐらに歩き出した。
途中で止まるかと思うと、その子はさらに深い所へ、止まる事を知らない。
ありゃありゃ、入水自殺か?

 1142 大量出土




この島で、妙な貝が、大量に出土した。巻貝ではあるが、大きさがサザエの数倍あり、ホラガイとはまた違う、形そのものは、サザエオバケみたいな貝だ。
ところがその貝には、どうしても人工的としか思えない、穴が一つ空いている。
この貝はひかるが子供の頃、60年前には一度も見たことがない。
古老に聞くと、自分もその貝を見たことも、食した事もないという。
しかし、大量に出土したということは、100年、いや200年前、この貝はこの島の周りに、大量にいたと思われる。
シャコ貝と同じぐらいの出土量があるから、かなり生息していたと思われる。
シャコ貝は60年前、足の踏み場もないくらいリーフやリーフの上にはおり、この貝だけは誰も見たことがない。
疑問は、人工的に開けられたと思われる穴だ。
穴のことを古老に聞くと、話には聞いたことがある。
貝に穴を開け、石にゆわえ付け、海中に放牧?していたという。
目の前は太平洋、魚介類はいくらでも採れるのに、恐るべし、いにしえのこの島人は養殖方式を採用していたのだ。小さな貝はなくほとんど大きさが統一されている。
昔は、電気や冷蔵庫もなかったので、祝い事や大事なお客をもてなすとき、放牧?していた、貝をとって来、目の前で、新鮮な料理でもてなしたという。
なるほど、と感心した。
いにしえの島の人たちは、海で貝を放牧?し、必要な時に必要な量、新鮮な料理をし、心豊かに味わっていたのだな。
私も閃いた。
今度は、シャコ貝に、ドリルで穴を開け、テグスで石にゆわえ、必要な時だけ、新鮮なシャコ貝を食べよう。
南の島、夕陽を眺め、新鮮なシャコ貝、貝柱、泡盛を片手に、至福の時間だ !
調べたら、この貝は学名、夜光貝で、太古の昔、中国王朝の漆器などに使われ、とんでもない高価で取引されていたと言う。
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